「九州の西端をゆく高速」事業費が大幅増額!? 40%増しの理由とは? 全部できたら150km「福岡-佐世保90分」
- 乗りものニュース |

「松浦佐々道路」どこまで進んだ?
九州地方整備局は2026年10月26日、本年度第3回となる事業評価監視委員会を開催し、国道497号「松浦佐々道路」の進捗などについて、最新の情報を共有しました。
西九州道の佐世保側の終点、佐々IC。ここから平戸ICまでの区間が建設中(乗りものニュース編集部撮影)
松浦佐々道路は、総延長が約150kmにおよぶ「西九州自動車道」(以下、西九州道)の一部を担う自動車専用道路として計画されています。事業延長は19.1kmで、松浦IC(松浦市)から北松浦半島をぐるりと回り、佐々IC(佐々町)で「佐々佐世保道路」へとつながる、九州で最も西側を通る区間です。
2014(平成26)年に事業化され、用地取得については約98%に達しています。その一方、今回の委員会では事業費が前回評価時の1130億円に対し、約40%プラスの1587億円へと大幅に増額となりました。
この要因としては、「物価上昇による資機材費及び労務単価の増」が約349億円と最も大きな割合を占めていますが、このほか設計や工事内容の変更による事業費の見直しも行われています。
後者のうち、特に大きい約87億円の増額要因となったのが、トンネルを内側から支える「支保工」と呼ばれる部材の構造変更や、補助工法の追加です。同局によると、事業化後の詳細な地質調査により、トンネル区間の地盤が想定よりも脆弱なことが判明。「江迎1号トンネル」(312m)、「江迎2号トンネル」(468m)、「佐々1号トンネル」(1509m)、「佐々2号トンネル」(1680m)の4つの現場で、風化が進んだ玄武岩や、もろい泥岩・炭質泥岩などが確認されたことから、計画を変更する必要が生じたとのことです。
このほか、トンネルの出入り口付近での落石対策(約13億円)や、かつての炭鉱から出た岩石などを集積した「ボタ山」を切り崩す箇所の設計見直し(約9億円)なども、事業費を押し上げる要因に。一方、道路の下を横断する函渠工については計画を見直し、約1億円のコスト縮減につなげました。費用ベースでの事業進捗率は、全体で約54%となっています。
現在、西九州道は全体の約7割にあたる約99kmが開通済み。全線開通した場合は、佐賀・長崎の高速道路ネットワークが長崎道と西九州道のダブルネットワークへと強化されます。福岡~佐世保、あるいは福岡~平戸市街は90分で結ばれる見込み。特に後者の90分は、西九州道・長崎道のどちらを経由してもほぼ同じ所要時間となる想定です。
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