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歌にもなった無人攻撃機「バイラクタル」最新型は空母向け! 開発の裏には「アメリカとの亀裂」いったい何が?

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  • 乗りものニュース
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2025年6月に開催されたパリエアショーでトルコの最新型無人攻撃機が展示されました。特徴は主翼が降り畳める点で、これは軽空母などでの運用を想定したからです。ただ、この裏にはアメリカを怒らせた要因が影響していました。

翼が上に折れ曲がった無人機なぜ?

 2025年6月下旬にパリのル・ブルジェ空港で開催された「パリエアショー(パリ国際航空宇宙ショー)」において、トルコのバイカル社が開発した最新鋭の無人機「バイラクタルTB3」の実物大モックアップが展示されました。同社がパリエアショーで機体の展示を行うのは初めてで、ほかの新型機とともに大きな注目を集めていました。

Large figure1 gallery6トルコの強襲揚陸艦「アナドル」の飛行甲板に並べられたバイラクタルTB3。手前の人物は開発元のバイラクタル社のCEOなど幹部たち(画像:バイラクタル)。

「バイラクタル」といえば、2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻で一躍有名になった無人機です。当時、ウクライナが運用していたのは旧モデルの「バイラクタルTB2」でしたが、劣勢だった開戦直後においてTB2のカメラが捉えたロシア軍部隊への攻撃映像は大きな衝撃を世間に与えました。なお、その活躍はウクライナのメディア戦略によってSNSなどで積極的に告知され、一時期はウクライナの救国の象徴にまでなり、「国難を救った機体」としてこのバイラクタルを称える歌まで作られたほどです。

 このたびパリエアショーで展示されたTB3は、前出のTB2の後継として開発された機体です。一見するとTB2とTB3は似ていますが、展示されたモックアップの姿は誰もが見ても違いがわかる特徴がありました。それは主翼が途中で折れ曲がり、機体の上部で重なって畳まれている点です。じつは、このTB3は軍艦から運用する艦載機として開発された機体でした。

 バイカル社の母国であるトルコは、2023年にアナドル級強襲揚陸艦を就役させています。この艦は、全通式の飛行甲板と航空機を短距離で離陸させるためのスキージャンプを有する軽空母としての性格も併せ持つ軍艦です。バイラクタルTB3は、この艦の艦載型無人機として開発されたから、前述したような折り畳み式の主翼を備えていたのです。

アメリカ怒らせた? 軽空母用の無人機が生まれたワケ

 軽空母に搭載できる艦載型無人機というのは世界的にみても珍しい存在だといえます。バイカル社はなぜそんな特徴的な機体を開発したのでしょうか?

Large figure2 gallery7パリエアショーに展示されたバイラクタルTB3の実物大モックアップ。主翼を機体上部で折りたたむことで、専有スペースが小さくなっているのが分かる(布留川 司撮影)。

 じつはアナドル級強襲揚陸艦は、当初はアメリカのF-35B「ライトニングII」戦闘機を搭載することを想定していました。しかし、トルコがロシア製の地対空ミサイルS400を導入したことで、アメリカ政府は同国へのF-35の売却を凍結。結果的に乗せる艦載機がないままにアナドル級だけが完成してしまったのです。

 そこでバイカル社が、F-35に代わる艦載機として、TB2をベースに艦載機としてリリースしたのがこのTB3でした。

 外見上の1番の特徴である折り畳み式の主翼は、狭い艦内でも運用可能にするためのものです。また、STOL(短距離離着陸)性を有していることから、固定翼機ながらもカタパルトやアレスティング・ワイヤーを使わずアナドル級の飛行甲板から発着艦が可能です。さらに、AI制御によって、発艦はもちろんのこと、有人艦載機では技術的に困難とされる着艦作業も完全自動で行えるそうです。

 最大離陸重量もTB2の倍となる1450kgとなり、武装も従来の軽量な対戦車ミサイルだけでなく、より威力の高い精密誘導爆弾が運用可能に進化しています。会場にはTB3に搭載できる新しい小型巡航ミサイル「ケマンケシュ1」も展示されており、同機の搭載兵装の多さと、攻撃機としての能力の高さがアピールされていました。

 無人機にとって重要となる通信機器についても、TB2はLOS(見通し内伝播)通信機能しかないため、遠隔操作する地上操作ステーションからそう遠くない一定距離の範囲内でしか運用できませんでした。これがTB2の運用上の大きな弱点といわれていましたが、それに対してTB3は、衛星通信にも対応したことで地上操作ステーションからより離れた距離まで飛行できるようになっています。

老舗防衛企業との協力 無人機業界でシェア拡大になるか?

 加えて、バイカル社はパリエアショーにおいて、イタリアのレオナルド社と新しい合弁企業LBAシステムズを立ち上げることも発表しています。

Large figure3 gallery8パリエアショーで行われたLBAシステムズの立ち上げの覚書の調印式(画像:レオナルド)。

 LBAシステムズはイタリアに拠点を置き、バイカル社の無人機プラットフォームに、レオナルド社の電子機器などの技術を盛り込み、より高度な無人機の設計・生産を行うことを目的にしています。

 また、これまでに欧米や国際市場で多くの販売実績があるレオナルド社のノウハウを提供することで、今後1000億ドル規模と予想される欧州市場での無人機の販売とメンテナンス業務も行うそう。実際、TB3についても2025年末までにイタリア海軍空母での離着艦試験を実施予定だといいます。

 バイカル社にとってはTB3を始めとする自社無人機の初展示も大きな話題ですが、長期的な会社の活動からみれば、合弁企業LBAシステムズの立ち上げの方がより大きなニュースといえるでしょう。

 バイカル社がレオナルド社という老舗防衛企業をパートナーと迎えたことで、ひょっとしたら今後、バイラクタルシリーズやその後継の新型無人機が、さまざまな国で採用されるかもしれません。

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