貨物線「新金線」旅客化も明記「20年後の新小岩駅」街づくりの方向性明らかに
- 乗りものニュース |
東京都葛飾区が「20年後の新小岩駅周辺」を想定したまちづくりプランをまとめました。都会の貨物線として知られる「新金線」の旅客化推進も盛り込まれています。今後、どのように街が変わっていくのでしょうか。
葛飾区が「新小岩駅周辺まちづくりプラン」を策定へ
下町情緒が残るJR総武線の新小岩駅周辺。現在、南口の東側で大規模な再開発計画が進んでいますが、今後さらに変貌する可能性があります。
東京都葛飾区は2023年2月、20年後を想定した「新小岩駅周辺まちづくりプラン」の素案をまとめました。区内で最も利用者数が多い同駅周辺を対象に、将来的なまちづくりの方向性を示した形です。
JR総武線の車両(画像:写真AC)。
このまちづくりプランには、新小岩と金町を結ぶ貨物線「新金線」の旅客化推進が盛り込まれました。さらに、「駅北口」と「駅南口西側エリア」で街づくり手法の検討を進めていくことも明記されています。
「新金線」の旅客化について、区は2023年度に需要予測や概算事業費、費用便益分析(B/C)を精査し、施設計画や事業スキームなどの詳細検討を行う方針。鉄道事業法を適用して車両が普通鉄道となる「ケース1」、LRT(路面電車型)となる「ケース2」、軌道法を適用してLRTを採用した「ケース3」のモデルケースを作成し、これらを比較していくとしています。駅舎に関しては、事業費の縮減を図るため簡易な構造となる見込みです。現時点では20年後に実現するかは不透明ですが、今後は検討が深度化していく見通しです。
新小岩駅北口(約4ヘクタール)と南口の西側(約1.9ヘクタール)については、まちづくりプランに「地権者の方と地域の将来像を一緒に考えながら、拠点形成に資する街となるよう、街づくり手法等の検討を進めます」と記載されています。これらの地区では、地権者を対象とした街づくり勉強会が開かれており、再開発を求める意見もあがっています。葛飾区としては「拙速に進めず、引き続き街づくりの検討を進めていきます」というスタンスですが、今後の動向が注目されます。
駅周辺の再開発をめぐっては、既に南口の東側(約1.5ヘクタール)で「新小岩駅南口地区第一種市街地再開発事業」が具体化しています。敷地をA街区とB街区に分け、約550戸のタワーマンションなどが建設される予定。2024年度に着工し、2029年度に竣工するスケジュールを想定しています。
まちづくりプランではこのほか、新小岩公園を高台化して防災拠点とすることや、公共施設の防災性強化などを推進していくとしています。
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