【漫画】「自分が灰色になったみたい」　日常に不満な40歳主婦　疎遠になった親友思い出し…下した“決断”とは？＜作者取材＞

　過去の自分を思い出したときの出来事を描いた創作漫画「昔の同人仲間と話したい40歳主婦」が、Xで話題になっています。

　若い頃、性格は違っていても趣味が合う友人と、多くの時間を過ごしていた女性。時がたち、家事や育児に忙しい毎日の中で、なぜか自分を見失ってしまったような感覚に襲われます。そんなとき、いつしか疎遠になった友人のことを思い出して…。現在や未来の自分に、ふと不安を感じる女性を描いた作品に、読者からは共感の声が上がっています。

自身の経験を基に制作

　この漫画を描いたのは、漫画家のたかはし志貴さんです。XやpixivFANBOX、ブログ「たかはし式日記」で漫画を発表しています。これまでに『家族の癖を理解すると片付く家になりました』（竹書房）、『格安物件の大家とワケあり住人たち』（ぶんか社）などの作品を手がけています。たかはし志貴さんに、作品についてのお話を聞きました。

Q.漫画を描き始めたのは、いつごろからでしょうか。

たかはし志貴さん「漫画は小学生の頃から描いていましたが、本格的に描き始めたのは高校1年生からです。来年でデビュー20年になります」

Q.今回、漫画「昔の同人仲間と話したい40歳主婦」を描いたきっかけを教えてください。

たかはし志貴さん「結婚、出産を経て、周囲の人々や価値観が変わっていく中で、本当の自分と乖離（かいり）していくような感覚になったことがきっかけです」

Q.ご自身は、友人と疎遠になってしまった経験はありますか。

たかはし志貴さん「あります。当時は自分が未熟で、すれ違っても何もできませんでした。モヤモヤした気持ちはあるものの、『これも縁だったのかもしれない』と無理やり納得させていました。本作は、『本来の私』で生きていた時代の友人に、6年越しに思い切って連絡した経験が元になっています」

Q.この漫画を描くことで、何か心境の変化はありましたか。

たかはし志貴さん「これまでは主にコミカルなエッセー漫画を描いていましたが、今回はシリアスな感情を表現することで気持ちが整理され、新しいテーマにも挑戦したいと思うようになりました」

Q.実生活において、旦那さまや友人との関わり方で意識していることはありますか。

たかはし志貴さん「なるべく自分の気持ちを言葉にして伝えるようにしています。親しくなると『言わなくても伝わる』と思いがちでしたが、それでは不十分だと気付きました。特に感謝の気持ちは、しっかり言葉にして伝えるよう意識しています」

Q.作中の女性のようにモヤモヤしたり、落ち込んだりする出来事があったとき、どのように心のリセットをしていますか。

たかはし志貴さん「落ち込んだときは、まず寝ます。寝ることで気持ちが落ち着き、翌朝には少しスッキリすることが多いです。それでもモヤモヤが残るときは、『この経験には意味があるかもしれない』と捉え直し、気持ちをノートに書き出して整理するようにしています」

Q.漫画「昔の同人仲間と話したい40歳主婦」について、どのような意見が寄せられていますか。

たかはし志貴さん「『共感した』という声を多く頂きました。特に同じような経験をした人や、人生の節目で不安を感じながら頑張る人からの共感が多かったです」

Q.創作活動で今後、取り組んでいきたいことを教えてください。

たかはし志貴さん「現在育児中なので、リアルな視点で育児漫画を発信し続けたいと考えています。また、整理収納アドバイザーの資格を生かし、片付けに役立つ漫画も描いていきたいです。読者の役に立ち、寄り添える作品を届けていけたらと思っています」

オトナンサー編集部

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