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子どもも大人も「魔法の杖を持って、バスが来たら乗ろう」。AI時代の“魔法の杖”とは?

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  • マイナビウーマン
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AIとの共存が当たり前となった現代を、親子でどう生きていけばいいのでしょうか。公立はこだて未来大学システム情報学部教授で『AIの世界へようこそ』の著者・美馬のゆり先生に、AI時代の今だからこそ、子どもたちや親世代に伝えたいことをうかがう第3回。

大切なことは勉強の内容よりも学び方

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――AIが身近になった今、美馬先生から子どもたちに伝えたいことはどんなことでしょうか。

美馬 これからの世の中がどうなっていくかは、誰にもわかりません。だからこそ大切なのは、自分自身で学ぶ力を育むことです。未来が不確実であるからこそ、基礎的な批判的思考や論理的思考を磨いていく必要があります。

ただ、「AIを使えるようにしなきゃ」と目先のことだけを考えるのではなく、AIには何ができないのか、AIの導入で誰が得をして、誰が損をするのか、本当に導入するべきなのか、そもそもその目的は何なのか、といった問いを立て、深く考えられる力を身につけてほしいと思います。

――自分で考える力を身につけることですね。学校での学びは、これからの時代どのように活きてくるのでしょう?

美馬 例えば、子どもたちが「どうして数学を勉強しなきゃいけないの?」と思うかもしれません。幾何学では図形の性質を学ぶとともに、「証明する」という行為そのものや、その方法を学びます。数学における証明のプロセスは、ほかの教科では得られない独特の学びです。それぞれの分野が持つ独自の学び方が、将来の基盤を築いていきます。

多様な学び方を知っておくことで、新しい課題に直面したときに「この方法ならうまく学べそうだ」と、自分で適切な手段を選び取る力が養われます。学び方をツールとして捉え、それをどれだけ多く自分の中に蓄積できるかが重要です。そのためにも、さまざまな教科に触れ、多様な学び方を試してみてください。それが将来の可能性を広げることにつながるのです。

「魔法の杖を持って、バスが来たら乗ろう」

――勉強で得た多様な学び方が、新しいものを知る力となって活きてくるのですね。

美馬 「魔法の杖を持って、バスが来たら乗ろう」。これは、過去に私が執筆した書籍に書いた言葉です。もしも魔法があったとして、「魔法の杖を使って3つの願いを叶えてあげます。何がいいですか?」と聞かれたとします。このときの最適解は、「魔法の杖をください」でしょう? 魔法の杖で3つの願いを叶えてもらったらそれで終わってしまうけど、魔法の杖があれば無限に願いが叶えられる。現代の教育での魔法の杖は、私は「学ぶ力」だと思います。

今後どういうものが出てくるかわからない、自分で乗り越えないといけないものが出てくるかもしれない。そのときに、「魔法の杖=いろいろな学び方」を持っていれば、新しいことを学ぶことができます。

――確かに。魔法の杖に例えて考えると、心強く感じます。

美馬 子どもたちは、最後は魔法の杖を持って社会へ出ていきます。「バスが来たら乗ろう」というのは、バスをいろいろなチャンスに見立ててのことです。バス=チャンスが来たらとりあえず乗ってみる。

どんなにたくさんの行き先のバスがあっても、乗らないことにはその先の世界は見えません。ずっと家の中、ずっと同じ地域、ずっと同じコミュニティにいて、同じ仕事だけをしていたら、その世界だけになってまわりが見えなくなってしまいます。だから、何かチャンスがあったら乗ってみてほしいと思います。バスに乗ると、今までとちがう景色が見えてくる可能性がある。その景色が自分に合わないと思ったら、バスを降りて、またちがうバスに乗ればいい。

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――チャンスが来たら乗ってみる、子どものチャレンジ精神を育てることも大切なのですね。

美馬 バスに乗らないと何も始まらないのは、大人も同じ。大人は子どものように自分の意思とは関係なく学校に行き、何かを学ぶ環境はありませんから、自分でチャンスを探すしかありません。何か習うとか、新しい本を手にとってみることも、バスに乗ることだと思います。いろいろな講演会やワークショップの中に興味のひかれるものがあったら参加してみても。それが自分の幅を広げていくことになります。

――子どものころから学ぶ力をたくさん身につければ、大人になったときに乗れるバス(チャンス)の幅も広がりそうですね。最後に、読者に一言お願いします。

美馬 保護者の方は、「子どものために」なんて思わなくていいと思う。自分のためにやりましょう。何かをしてあげなきゃではなくて、自分がいろいろ挑戦しておもしろがるとか、自分が行きたいところに出かけて行く。そのとき一緒に連れて行って、親が何かを楽しんでいる姿、新しいものに挑戦している姿を見せるのがいいと思います。

自分は親になっちゃったから、子どものために何かしてあげなきゃとか、そんなことばかり考えていると子どもには重荷じゃないかしら。観たい映画があれば、子どもに害がないと思うものであれば一緒に観に行ってあとで議論するのでもいいし、自分が食べたいものがあったら、一緒に食べに行ってもいい。親としてこうでなければ、というより、とにかく子どもが一人で生きていけるようにしましょう。まずはおうちの中を手伝ってもらって一緒にやる。そこが基本だと思います。

――大人も一緒に体や五感を使って、親子でAIにはない力を伸ばしていきたいですね。

今回インタビューした美馬のゆり先生が、AI時代を生きる子どもたちに向けてAIの基礎知識をまとめた『AIの世界へようこそ 未来を変えるあなたへ』(Gakken)。イラストや図解を交えながら、AIの歴史や最新技術、AIが抱える問題、未来の可能性までを幅広く網羅しています。
AI時代を生きる子どもたちがどのような未来を目指して生きていくべきか、まさにこれからの時代に必読の一冊。

※本書は図書館向け商品です。学校や公共図書館にない場合は、購入のリクエストをして頂けます。個人でご購入いただく際は、お近くの書店でご注文いただくか、ネット書店をご利用ください。

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『AIの世界へようこそ 未来を変えるあなたへ』(Gakken)

(文:佐藤華奈子/取材・編集:マイナビ子育て編集部)

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