4時間のフェリーを「宿代わり」にできる!? 珍サービス始まった“うどん県”行きフェリーが超快適だった件
- 乗りものニュース |

神戸三宮と四国の高松を結ぶ「ジャンボフェリー」。1990年就役の「りつりん2」と、2022年就役の「あおい」というそれぞれ特徴がある新旧2隻で運航されています。船を宿代わりにする「ふね泊」も始まったこのユニークな航路を紹介します。
中型船でも有数の充実設備
兵庫県の神戸三宮フェリーターミナルと香川県の高松東港を結ぶ「ジャンボフェリー」。1日4往復のうち一部は小豆島に立ち寄る航路です。直行便が4時間15分、小豆島経由だと4時間45分の中距離航路ですが、見どころ豊富な船旅です。
ジャンボフェリー「あおい」(安藤昌季撮影)
「ジャンボフェリー」の始まりは、1969(昭和44)年。当時の関西汽船と加藤汽船が神戸~高松間に双胴船4隻を就航させました。当時、世界最大級の双胴船だったことから「ジャンボフェリー」という愛称が付いたわけです。
1989(平成元)年に、通常形式のフェリーである「こんぴら2」が登場。翌1990(平成2)年に、現在も現役の姉妹船「りつりん2」が登場します。
そして2003(平成15)年に運行会社がジャンボフェリー株式会社となり、2011(平成23)年から、一部の便が小豆島に立ち寄るようになりました。そして2022年、「こんぴら2」が新型船「あおい」にバトンを渡して現在に至ります。
ではこの「あおい」に乗りましょう。JR高松駅から高松東港までは、無料送迎バスが運行されていて便利です。高松東港で14時発の「あおい」を外から見ると、船首が切り落とされた揚陸艦のような、特徴的な船容をしています。
内装も、より印象的です。デザインコンセプトは「瀬戸内海に浮かぶテラスリゾート」で、エントランスには自動演奏ピアノの演奏が流れます。小豆島を象徴するオリーブ、醤、石、棚田が内装に取り入れられています。例えばキッズコーナー「石の遊び場」は、壁面に石が張られており、洗練されたデザインの中で個性を出しています。
エントランスには売店と、うどんカウンター「ふねピッピ」があります。讃岐うどんの「うどん県」として知られる香川県を発着する航路だけに、伊吹島のいりこダシにこだわった本格的な味。「オリーブ牛とレモンのキーマうどん」を食べましたが、さぬきレモンが皮ごと食べられるのはユニークでした。うどん出汁にたこ焼きを浮かべた「浮かぶタコ焼き」など、独創的なラインナップです。
長距離航路でもレストランのないフェリーが見られる中、深夜便でも営業しているのは特筆すべき点といえます。コーヒーマシンのセリフサービスもあり、本格的な深煎りコーヒーも楽しめます。
種類豊富な座席 「要QR」の区画も
「あおい」の2階は、各種座席が集中しています。
2階の後方は「自由席」です。1人ずつフルフラットで横になれる「のびのび席」と、6人掛けボックス席、またバリアフリー席があります。「のびのび席」は長さ1.8m、幅68cmあり、充分に横になれる広さでした。なお、追加料金不要区画ですが、各席に電源コンセントも備わります。また、仕切られた部分に、有料の「ボックス席」があり、区画ごとに半個室となった6人掛けソファがあります。
ペットルーム「もふもふラウンジ」や、自転車が置けるサイクルピットもこのエリアです。ちなみに中2階には、一般の乗客は立ち入れないドライバー用サウナやドライバールームもあります。
指定券のQRコードがないと入れないのが、プレミアエリアです。プレミアエリア利用客向けに、マイクロバブルが溶けたホワイトイオン泉の展望浴場「雲の湯」や、足湯を備えたバルコニー構造のデッキ「海のテラス」、高松の「トイ珈琲」を楽しめるカフェラウンジ「こまめ」もあります。
2階にある「コンフォートリクライニング席」は、新幹線グリーン車に匹敵する快適さ。この席は前面展望も楽しめる上に、フリースペースとしてのテーブル席「サニーサイド」があるのは贅沢です。
同じフロアに3人用「コンパートメント」もあります。ガラス壁に仕切られた個室で、リクライニングシートに靴を脱いで座れます。
また「ウィズペット個室」もあります。ロフト式2段寝台を備え、小型犬、あるいは猫と過ごせる個室です。
深夜便限定ですが、ロフト構造の2段寝台となっている「のびのびロフト個室」もあります。広さは2.8平方メートル。上段寝台は長さ185cm、幅63cmでブレスエアーをクッションとして採用しています。下段寝台は畳張りで、長さ189cm、幅150cm。腰当てクッションがあるため、寝心地は悪くありません。寝具はありませんが、別の機会に深夜便で使った時には充分睡眠できました。
平成初期生まれの相棒船も趣あり
3階は、プレミア席とゲームコーナーが備わるエリア。プレミア席のうち、「のびのび席ANNEX」は2階自由席(のびのび席)より横幅が4cm広い72cmに。また、「のびのび席 女性専用」は、カーペット敷きである点は同じですが、QRチケットがないと入れないため、安心して利用できます。
4階は芝生の広場です。「空のテラス」や、プレミア客専用の展望デッキ「光のテラス」があります。屋上の「空のデッキ」では、昼間で天気が良い日は、頭上を通り過ぎる明石海峡大橋も楽しめます。
筆者(安藤昌季:乗りものライター)は、小豆島で「あおい」を降り、もう一つのジャンボフェリー「りつりん2」で高松に戻ります。
前述したように、「りつりん2」は1990(平成2)年生まれのベテラン船ですが、うどん販売やプレミア席、のびのび席といった基本構成は「あおい」と似ており、それほど遜色ないサービスが受けられます。
その中で、トイレが改装され、最新式になっていたことは特筆されます。バリアフリーやオシャレさ、多彩な設備では「あおい」が上ではありますが、今では貴重になった平成初期のフェリーであり、レトロな船旅を堪能できます。
「ジャンボフェリー」は設備が豊富で、うどん売店などの人的サービスも魅力的な船でした。なお、「あおい」限定ですが、4月から神戸19時台発の便で高松に行き、そのまま下船せずに折り返すことで、翌朝5~7時台に神戸で降りられる「ふね泊」が始まりました。
サービスの対象は、「バルコニー個室」(1~6人用、1室9990円。乗客1人につき+1990円)、「ファミリー個室」(1~6人用、1室7990円。乗客1人につき+1990円)、「ロフト個室」(1~3人用、1室4990円。乗客1人につき+1990円)のみですが、子どもの追加料金は1人1000円ですし、宿泊施設不足の神戸ですから、宿代わりに使うのも楽しそうです。
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