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ルパン三世「永遠のライバル」愛用のパトカーだけ日本車なぜ?「銭形突撃隊」のトラックにも隠された逸話あり

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  • 乗りものニュース
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『ルパン三世 カリオストロの城』のエンディングで、銭形警部の愛車として登場する「ブルーバード」パトカーと、部下である「銭形突撃隊」が乗るトラック。これらも、じつは知られざるエピソードがありました。

キャラに応じた車種選択が『カリ城』の見どころのひとつ

 スタジオジブリで多くの名作を生み出してきた宮崎(大の部分が立の異体字)駿さん初の長編監督作品、『ルパン三世 カリオストロの城』、通称『カリ城』が2025年6月27日(金)に日本テレビ系の『金曜ロードショー』でオンエアされます。

Large figure1 gallery71965年ごろの愛知県警の「クラウン」パトカー(画像:愛知県警察)。

 この映画は老若男女問わず誰もが楽しめるミステリーの要素を含んだ冒険活劇で、冒頭のカーアクションが見どころのひとつになっています。ルパンはイタリアの大衆車フィアット「500F」、クラリスは女性ユーザーの存在も考慮して開発されたシトロエン「2CV」、悪漢は戦前のイギリス製高級車ハンバー「スーパー・スナイプ」と、それぞれのキャラクターが持つ個性に応じた車種をチョイスしています。

 このことは、やや遅れて物語に登場する銭形警部も例外ではありません。映画の舞台はヨーロッパの小国であるにもかかわらず、彼が使用するのは日本のパトカー、日産(ダットサン)の410型「ブルーバード」なのです。

 実は銭形がこのクルマを使用するのは本作が初めてではなく、テレビアニメ『ルパン三世』(1971年)から愛用しています。なので、『カリ城』以降も宮崎さんと、彼の盟友である故・大塚康生さんが所属していたアニメスタジオ「テレコム・アニメーションフィルム」が制作した『ルパン三世 Part2』(1977年~80年)の後期エピソード、OVA『ルパン三世 風魔一族の陰謀』(1987年)などで度々登場しています。そうしたことから、ファンの間では「銭形のブルーバード」、略して「銭ブル」と呼ばれることもあるようです。

「銭ブル」と呼ばれたパトカー

 銭形警部が使用した410型「ブルーバード」は、1963~1967年にかけて生産されたシリーズの2代目となるモデルで、日産初のモノコックボディを採用した乗用車になります。ラインナップには、4ドアセダンのほか、エステートワゴンとライトバン、モデル途中で追加された2ドアセダンがありました。

Large figure2 gallery2銭形警部のパトカー、いわゆる「銭パト」のモチーフとなった日産410型「ブルーバード」。シリーズ2代目となったモデルで、1963~1967年にかけて生産された(画像:日産)。

 一番の特徴は、ピニンファリーナによる流麗なスタイリングですが、海外市場では好評を博した一方、日本のユーザーからは「尻下がり」のデザインが不評で、それまで小型車市場で販売をリードしていたトヨタ(トヨペット)「コロナ」に初めて販売面で敗れることになりました。そのため、中期型以降は「尻下がり」のデザインをわずかに修正しています。

『ルパン三世』(1971年)のオンエア時には、すでに型落ちとなっていましたが、当時はまだまだポピュラーなクルマでした。宮崎さんや大塚さんが東映動画(現・東映アニメーション)に所属していたときに、同僚のアニメーターが所有していたこともあり、見知った車種ということで作画資料に事欠かないことから、銭形のパトカーに410型「ブルーバード」が選ばれたものと思われます。

 なお、銭形自身は警視庁からICPOに出向している設定ですが、パトカーは埼玉県警から提供を受けているようで、右ドアには漢字で「埼玉県警」、左ドアには出向先の「ICPO」の文字が書かれています。

『カリ城』には銭形の部下として「ルパン三世捜査専従班」、通称「銭形突撃隊」が登場します。彼らはカリオストロ公国衛士にも負けない体格の良い猛者揃いで、手元の資料によると埼玉県警機動隊から出向した警察官とのこと。人数は1個小隊22~24名で、それに指揮官と伝令・通信手やレーダー操作員が加わっているようです。

 そのような彼らが乗車するのが、カナディアンGMが製造した軍用トラックのCMP(カナディアン・ミリタリー・パターン)「C60L」です。

「銭形突撃隊」のトラックは作画監督の趣味

「銭形突撃隊」の移動手段である「C60L」は、標準ベッド(荷台)の「C15」を4WDとした上で、ホイールベースを延長したロングベッド仕様のトラックで、終戦後、日本に進駐してきたカナダ軍やオーストラリア軍、ニュージーランド軍などの英連邦諸国の軍隊が使用していました。

Large figure3 gallery8410型「ブルーバード」は、イタリアのピニンファリーナにデザインを依頼したが、欧州車風の「尻下がり」のリアエンドが日本市場では受け入れられず、販売で苦戦する(画像:日産)。

 戦後間もない時期は、各都道府県警が進駐軍の払下げ車両を警察車両として使用することが珍しくなく、「銭形突撃隊」の「C60L」もそのような経緯で埼玉県警に配備された車両なのでしょう。

 なお、この映画の作画監督を務めた大塚さんは、終戦直後に地元・島根県でこのクルマを見ています。当時、16歳だった大塚少年は、時間があると機関車のスケッチを趣味としていましたが、終戦後は占領軍の軍用車両に興味の対象が変わります。彼が残した膨大な軍用車のスケッチの中に「C60L」もありました。

 のちに本業の傍らで軍用車両研究家になった大塚さんは、趣味が講じて一時アニメーターを辞め、模型メーカーに就職してプラモデル開発に携わることになります。大塚さんはCMPトラックをかなり気に入っていたらしく、彼が製品企画を担当したプラモデルの中に「C15」もありました。

 大塚さんが勤めた模型メーカーは業績不振で数年で廃業しますが、のちにイタレリ社が金型を入手し、この製品は現在も販売を続けています。模型メーカーを退職した大塚さんは、再びアニメーターに復帰し、『カリ城』にて「銭形突撃隊」のトラックに「C60L」を登場させたのです。

 日産410型「ブルーバード」もCMP「C60L」も、脇役の脇役でしかありませんが、こういう細かなところでのチョイス、こだわりに制作者サイドの遊びがちりばめられているのが、『ルパン三世 カリオストロの城』の面白さなのかもしれません。

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