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「次の停車駅は…」引退間近の阪神「青胴車」まさかの運転ルートに“軽いざわめき” 「行先不明列車」に乗ってきた

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阪神電鉄が、「青胴車」5001形電車の引退イベント第1弾として、「HANSHIN ミステリー・エクスプレス 行先不明列車」を開催。大阪梅田駅を出発したミステリー列車は、どこを通って尼崎車庫へ向かったのでしょうか。

「青胴車」でミステリー列車を運転

 2024年12月21日、阪神電気鉄道がミステリーツアー「HANSHIN ミステリー・エクスプレス 行先不明列車」を開催しました。車両は「青胴車」「ジェット・カー」で知られる、引退を控えた5001形電車です。参加者には「大阪梅田駅発、尼崎車庫着」としか知らされなかったこのツアーは、どのような内容だったのでしょうか。

Large figure1 gallery15尼崎車庫に停車した「青胴車」5001形電車(鶴原早恵子撮影)。

 当日、50人の参加者は朝9時に大阪梅田駅に集合。1番のりばで列車の到着を待っていると、9時23分に5001形が「回送」のヘッドマークを付けて入線しました。入線後、ヘッドマークは「MYSTERY EXPRESS」と書かれたイベント用ヘッドマークに交換され、9時37分に列車は大阪梅田駅を出発しました。

 列車は後続列車の待避を繰り返しながら、尼崎方面へ向かいます。途中の駅では、列車を待ち構えていたらしい鉄道ファンの姿も多く見られました。

 その後、甲子園駅で停車。ここでは約15分間、参加者はホームに降りて写真撮影などを楽しみました。列車の写真を撮るだけでなく、列車の前で記念写真を撮る人もいて、青胴車の人気ぶりを垣間見ることができました。

 その後列車は引き上げ線に入り、尼崎方面に折り返します。ここで流れたのが、「次の停車駅は西九条でございます」という車内アナウンス。5001形が、西九条駅がある阪神なんば線に入線する機会は、2009(平成21)年の大阪難波駅までの延伸以降ほぼありませんでした。予想外のルートに車内では軽いざわめきが発生しました。

1974年当時の車内アナウンスを再現

 列車は「ジェット・カー」の愛称にふさわしい本気の加速で阪神なんば線へと入り、西九条駅で停車。それから折り返し、大物駅から直接、終着地である尼崎車庫へ入りました。

Large figure2 gallery13車内から見た尼崎車庫(鶴原早恵子撮影)。

 車庫に入ったのは11時27分。その後は正午過ぎまで、参加者は列車を撮影したり5001形関連の鉄道部品やグッズなどを見たりして、思い思いに青胴車を楽しみました。

 5001形は2025年2月に引退が決まっていて、このツアーは引退イベントの第1弾です。利用者や鉄道ファンに愛された列車の引退イベントということで、ツアー中は特別なおもてなしが満載でした。

 特にこだわりを感じたのは、車内アナウンスです。1974(昭和49)年2月版の「駅名告知用語集」を基に作った特別なもので、「~です」ではなく「~でございます」という語尾を多用したアナウンスはレトロ感たっぷり。

 車内禁煙の呼びかけ、1975(昭和50)年に廃止された国道線、北大阪線、甲子園線の乗り換え案内などの時代を感じさせる内容に、5001形が活躍していた時代の雰囲気を感じることもできました。

 ところで、青胴車の加速度は4.5km/h/s(キロメートル毎時毎秒)。つまり1秒ごとに時速4.5キロメートルずつ加速するという性能を誇っています。

 この加速性能が生まれた理由は、阪神電鉄の駅間距離です。

 1km以下という駅間平均距離に加え、ラッシュ時は運行本数が密になるため、普通列車は特急の運行を妨げないよう急加速・急減速を行って速やかに駅間を移動しなければいけません。そこで1958(昭和33)年に誕生したのが初代5001形です。

 1977(昭和52)年には現在の5001形が冷房装置付きの2代目として誕生しましたが、2021年以降順次新型の5700系「ジェット・シルバー5700」に置き換えられ、現在は今回のツアーで使用された1編成4両が残るのみです。

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