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犯罪者はどんな人、場所を狙う? 犯罪のターゲットにならないための心得とは

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  • 2021年12月02日
危険は身近な所にも
危険は身近な所にも

 犯罪に関する報道がなされると、犯人・容疑者の過去や動機に注目が集まります。しかし、防犯の観点から考えると、過去も動機も重要ではありません。それらは他人にはコントロールできない上に、動機だけで犯罪は起きないからです。何よりも犯罪の実行に欠かせないのは「チャンス」です。機会さえ与えなければ、犯罪を実行に移すことはできません。つまり、防犯とは「犯罪のターゲットにならないための方法」といえます。

「ターゲットに選ばれない」ことの重要性

 まず、防犯のポイントを筆者の専門である「警護」と比べて説明しましょう。警護と防犯とでは、想定している犯罪者が異なるのです。警護が主に警戒するのは「反社会勢力」「ストーカー」「依頼人に恨みを持つ者」など、特定の人物や組織です。対して、防犯は「空き巣」「ひったくり」「痴漢」など、不特定の犯罪者に対するものです。両者は犯行の目的が違うので、“獲物”(ターゲット)に対する執念にも違いが出ます。

 獲物を決めている前者は多少の困難では犯行を諦めませんが、獲物が誰でもよい後者は実行が難しそうなら、獲物を変更することもあります。結果として、警護の目標は「犯行の難易度を上げて諦めさせる」こと、防犯は「犯行のターゲットにならない」ことになります。犯行への執念が強い者の襲撃を食い止めることは簡単ではありません。しかし、ターゲットに選ばれないことであれば、習慣化で実現できるのです。

確認すべきは「日常に潜む危険地帯」

 犯罪者に“目印”はありません。ボディーガードである筆者はこれまでの経験により、ある程度の見分けはつきますが、危険な人物を断定することはボディーガードでもできません。そもそも、「不審者」とは何でしょうか。マスクにサングラスの人物、唐草模様の風呂敷をかついだ人物を思い浮かべる人もいるでしょうが、それらは不審者の“アイコン”であり、実際にそんな風貌の犯罪者がいないことは誰もが知っています。

 ただし、これは大人にとっての常識です。子どもの場合、「悪い人はそういう格好をしている」と思い込んでいることが少なくありません。つまり、「不審者に気を付けろ」という教えは無理難題といえます。確認すべきなのは、不審者よりも日常に潜む危険地帯です。「犯罪者」は十人十色ですが、犯罪が発生する「状況」には多くの共通点があるからです。

 空き巣やひったくりをはじめとする多くの犯罪者は金額や見返りの大きさよりも、犯行が成功しやすい状況と相手を選びます。成功率の判断材料は「侵入と逃走が楽な場所」「人目に付きにくい場所」、そして、「犯行が楽な相手」の3つです。逆にこれらが満たされなければ、大抵は犯行を諦めます(通り魔など、ゆがんだ承認欲求を持つ犯人は除く)。逃げることを考えない犯罪者にとって、「犯行が楽な相手」以外は重要ではありません。

 ただし、実際に遭遇する可能性が高いのは、ニュースにならない窃盗や性犯罪です。漫画「進撃の巨人」の舞台は3重の防壁が敷かれた「マトリョーシカ構造」をしていました。王族などはこの中心に住み、より多くの防壁に守られます。これは犯行の意欲を大きくそぎ落とすもので、防犯の理想形です。しかし、現実には、自宅の塀を何重にもすることはできません。

 そこで代わりになるのが壁以外の障害です。例えば、2重鍵、音の出る砂利、センサーライト、窓用ブザー、ガラスフィルムといったアイテムと、ご近所付き合いや地域の清掃といったコミュニケーションから生まれる“地域の目”です。こうした犯行の障害となるものをいくつか組み合わせると“壁”と同じ働きをします。

犯罪者が好きな場所はどこか

 犯罪者が好むのは、出入りがしやすく、邪魔が入らない場所です。例えば、駅やスーパーなど、誰でも出入りできる場所はたくさんあります。そこに「邪魔が入らない」という条件が加わると、格好の犯行スポットになるのです。しかし、これらの場所を避けていては日常生活ができません。そのため、大切なのは「今、自分は危険な場所にいる」と認識する力です。自分がいる場所の危険度が分かれば、長くとどまるのをやめたり、被害に遭う前に動いたりできます。以下は犯行に適した場所の例です。

・廃虚
・駐車場
・フェンスや植木で外から見えにくい公園
・周りが一面畑などの民家がないエリア
・公衆トイレ
・大型施設など、他人に意識が向かない場所
・ごみが散乱した場所
・インターネット上

 廃虚を例にとると「入るのを止められない(出入りがしやすい)→管理人がいない(邪魔が入らない)」と犯行に適していることが分かります。また、SNSなどのネット空間も部外者による監視が難しいため、犯罪の温床になりやすいのです。身近な所では、玄関付近の死角にも注意しましょう。自宅に入る瞬間に、一緒になだれ込まれたら、誰も助けには来られません。

 また、次のような家が並んでいる場合、空き巣はどちらを選ぶでしょうか。

・「鍵が2つの家」と「鍵が1つの家」
・「門が閉まっている家」と「門が開いている家」

 侵入盗が好むのは「警戒厳重な金持ち」よりも「簡単に入れる普通の家」です。防犯性とは“お隣さん”との比較で決まります。これは空き巣に限らないことで、警戒心が高い人は標的に選ばれにくくなるのです。また、女性やお子さんの場合、誘拐や拉致にも警戒してください。連れ去りには車は必須です。拉致には、開口部が広く、連れ込みやすいワンボックスカーが好まれます。

 車は一度乗ってしまうと逃げられません。子どもの連れ去りは力ずくよりも言葉で説得するケースが多い上に、誘拐や性犯罪は知り合いによる犯行も多いため、「知っている人でも親の許可がなければ車に乗らない」などのルールを家庭内で決めておくことも必要です。誘拐や拉致から身を守るための注意ポイントは「なるべくガードレールのある道を歩く」「ガードレールの切れ目に止まっている車に近づかない」「止まった車のスライドドアや後部ハッチに近づかない」の3つです。

 犯罪の中には残念ながら、「通り魔」のように努力だけでは防げないものもあります。通り魔への警戒と対策を考えることももちろん大切ですが、その前に、努力でかなりの部分防げる犯罪に備えることがもっと大切です。基本的な「家庭の防犯」を行うことが現実的な安全対策といえるでしょう。

一般社団法人暴犯被害相談センター代表理事 加藤一統

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