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沢尻容疑者逮捕 薬物問題は“公開処刑”で解決しない! 経験語ることが真の償いに

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沢尻エリカ容疑者(2018年6月、時事通信フォト)
沢尻エリカ容疑者(2018年6月、時事通信フォト)

 沢尻エリカ容疑者が麻薬取締法違反(合成麻薬所持)の疑いで警視庁に逮捕されました。沢尻容疑者は来年の大河ドラマ「麒麟がくる」に、斎藤道三の娘、後に織田信長の正妻となる濃姫役で出演が決まっていましたが降板、代役に川口春奈さんが決まりました。

 私たちは薬物問題についてどのように理解すべきなのでしょうか。今回は、公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会代表で、依存症問題に詳しい田中紀子さんに、薬物問題の問題点について伺います。近著に「ギャンブル依存症」(角川新書)があります。

問題発言を流布し続けるワイドショー

「あるワイドショーで放火殺人事件の犯人について、『薬物ってことは考えられないんですか? 異常な興奮ですよね』などと、いかにも覚醒剤の知識のない人にありがちな素人発言を突然していました。覚醒剤を使った人が皆、異常に興奮していたらすぐ分かるし、全員即逮捕されますよね。

覚醒剤を使いながら仕事をしていた官僚がいたことからも分かるように、覚醒剤を使う人が特殊なわけでも、覚醒剤を使うと明らかに特殊なことをやり出すわけでもありません。そもそも、凶悪犯罪に至るには人生の中で長い間の経過があり、要因は複雑に絡まり合い、原因を一つに特定できるわけがありません」(田中さん)

「ある大学教授が『もし薬物の影響があるということであれば、むしろ、そちらの方が説明しやすいので…』とコメントしていました。『理解できない事件は全部、薬物のせいにしてしまえ』と大学教授ですら短絡的に考えるのが日本の現実ですから、凶悪事件のプロファイリングなんて進むわけがありません。もっと、事件の陰にある心の問題や人間関係、成育歴など深く要因を分析する必要があります」

 田中さんによれば、薬物事件が発覚すると、薬物依存症者の回復や再発防止、そして、同じ問題に苦しむ当事者や家族に配慮して発言する著名人と、そんなことはお構いなしに、自身の道徳的優位性を主張するかのごとくたたきのめす有名人の2種類に分かれます。

「薬物問題でいつも本質を理解し、思いやりある発言をしてくれるのは、カンニング竹山さんと東ちづるさんです。お二人はご自身に批判の火の粉が降りかかろうとも揺らぐことなく、本当に大事な啓発を続けてくださり、依存症界から絶大な人気があります。

伊集院光さんや爆笑問題さんも総じて分かってくださいます。映画監督の白石和彌さんは、ご自身の映画にピエール瀧さんが出演されていたことから、公開の是非が問われた際に、『薬物問題の啓発に力を貸したい』と一歩踏み込んだ発言をしてくださっています。

最近では、橋下徹さんが沢尻エリカさんに『再起のチャンスを!』と、再犯防止の本質をついた発言をしてくださり、とてもうれしかったです。一方、常に独自の道徳論でたたいてくるタレントもいます」

「太宰治作品の一つ『人間失格』が現在、沢尻エリカさん主演で公開されています。あの小説は青春小説の金字塔であり、太宰が薬物や女性に依存しながら人生を苦しみ抜く姿が自分たちと重なって共感を呼び、生きにくさを抱えた若者たちの心を打っています。人は誰でも弱い部分があり、弱さにこそ共感を覚える。その苦悩にこそ魅力を感じ、励まされるわけです。

薬物問題を起こした芸能人を排除するのではなく、経験をオープンに語れるようにすべきだと思います。芸能人で薬物問題を起こした人の真の役割は、回復のロールモデルとして経験を包み隠さず語り、薬物問題で苦しむ人たちを救っていくことではないでしょうか。それこそが社会に対する真の償いであり、再発防止にもなります。

実際に海外では、エリック・クラプトンやエアロスミス、リンゴ・スターら、さまざまな方が啓発に努めています」

薬物問題の世界の潮流を理解しよう

 世界では、違法でも罪には問わず、薬物によるさまざまな悪影響を減らすことを目指す「ハームリダクション」という政策が広がりを見せています。薬物依存症の人に対して、その使用を厳しく取り締まるのではなく、非犯罪化し、公衆衛生や経済、薬物使用による健康への悪影響の軽減を重視した政策です。

 これを導入している国の一つがポルトガルです。薬物使用者やHIV感染者、若者の薬物使用者数が減少したことが明らかになっています。

 薬物がダメであることは間違いありません。しかし、薬物を使用したから「人間終了」では、思考停止で非現実的です。つるし上げた方が抑止効果があるという人がいますが、それは研究で否定され、世界的にもうまくいっていません。つるし上げやいさめで薬物問題は解決しないのです。

 短絡的な思考や単なる精神論、道徳論ではなく、きちんとしたエビデンスを取り入れ、効果のある薬物対策を行うべきで、今がまさに時代の転換点ではないかと思います。

コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員 尾藤克之

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