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地上は洪水、そのとき地下鉄は… 東京メトロは「危ないと分かったら止めて閉じる」 駅ごとに決めている避難計画

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  • 乗りものニュース
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水はどこから入る?

 2026年8月13日から14日にかけて、千葉県では記録的な大雨となりました。気象庁の観測では、千葉市中央区で1時間に115.0mmの猛烈な雨が降り、観測史上1位を更新しました。

Large figure1 gallery3神田川を渡る東京メトロ丸ノ内線(画像:写真AC)

 こうした豪雨で心配になるのが、地下鉄に乗っているときに地上が洪水になったらどうなるのか、ということです。

 まず知っておきたいのが、地下鉄に水が入ってくる「入口」です。東京メトロの公式ウェブサイトでは、主な浸水経路として駅の出入口、路上の換気口、トンネルを挙げています。国土交通省の資料では、地下でつながるビルなどを介して水が流れ込む可能性も指摘されています。

 対策として、駅の出入口は歩道より高い位置に設けるほか、止水板や出入口全体を閉鎖できる防水扉を設置しています。路上の換気口は、感知器を備えた浸水防止機を整備しています。

 そしてトンネル内の要所にあるのが防水ゲートです。トンネルの断面をまるごと閉じる扉で、万が一浸水した場合はゲートを閉じてポンプでトンネル外へ排水できるようになっています。

 備えも強化されています。東京メトロは中央防災会議の浸水シミュレーションや都の洪水ハザードマップを踏まえ、2mの水圧に対応する浸水防止機の一部を水深6m対応のものに更新する取り組みを進めています。

 利用者向けの工夫としては、駅出入口に海抜を表示しています。水害発生時の行動を日頃から意識してもらうための取り組みです。

 では、実際に大雨が近付いたとき、地下鉄はどのような順番で対策が行われるのでしょうか。

水に逆らって逃げるのは困難

 台風など大きな影響が予想される場合、同社は計画運休を実施することがあります。予告は48時間前までに、確定は24時間前までに公表するとしています。

 さらに大規模水害のおそれがある場合は、駅施設やトンネルなどの浸水防止措置をとるとともに、車両の被害を防ぐため、浸水しない安全な場所へ車両を退避させます。つまり「危ないと分かったら止めて閉じる」のが基本の流れです。

 一方、国交省のガイドラインは、資産を守る対策よりも、地下からの安全な避難や緊急脱出を優先する考え方を示しています。ただし、避難先は必ずしも屋外とは限りません。

 同省の資料によると、避難方向は基本的に地上の出入口や接続ビルの上階に限られ、水の流入経路と避難経路が重なる可能性が高いとしています。階段から流れ込む水に逆らう避難も困難です。

 水の深さも壁になります。同ガイドラインの技術資料では、浸水した廊下・居室などの行動限界水深を30cmとする考え方の一例を示しています。さらに、地上から水が流れ込む階段では、階段最上部の越流水深30cmを行動限界水深、20cmを行動困難水深としています。

 また、ドアについては健常者を想定した検討で、開かなくなる水深を外開きで26cm、内開きで47cmとしています。わずかな浸水でも、避難が急速に難しくなるおそれがあるのです。

 そのうえ地下は地上の様子が分かりにくく、状況判断が遅れやすいという弱点もあります。どの出入口が浸水しているか、接続ビルの上階へ抜けたほうが安全か。こうした判断は、その場の乗客には難しいものです。

 だからこそ、「水防法」では、市町村の地域防災計画に位置付けられた地下駅などの所有者・管理者に、洪水時等の避難確保・浸水防止計画の作成を義務付けています。東京メトロは、この計画を全40駅で作成・公表しており、避難誘導の手順も定めています。

 安全なルートは浸水の状況や接続ビルとの連携によって変わります。いざというときは自己判断で走り出さず、駅係員や乗務員の案内に従って動くことが、命を守る一番の近道といえるでしょう。

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