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愛実の愛する短歌と、その伏線を回収した砂浜のラスト【愛の、がっこう#最終話】

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  • マイナビウーマン
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※このコラムは『愛の、がっこう』11話までのネタバレを含んでいます。

■冒頭から恐ろしいフラグを立てるカヲル

愛実(木村文乃)との未来のため、美容師を目指して美容学校の入学試験を受けることとなったカヲル(ラウール)。カヲルの母・奈央(りょう)も過去に美容師だったが、縁を切ったことで同じ道を歩むことに躊躇がなくなったよう。

入学試験には学力試験や、400字の作文があり、文字の読み書きに困難があるカヲルにとっては、ここがあまりにも難関です。愛実と共に事前準備をしていくのですが、カヲルは「試験に俺の全てを賭ける。もし落ちたら先生と別れる」と、恐ろしいフラグを立ててしまいます。しかも読み書きが苦手な人への合理的配慮なしに、通常の試験で挑戦するというのです。突如立てられたフラグが折れることを祈るしかありません。

■人の無職爆誕。人の痛みが分かる男

カヲルとの交際を学校に馬鹿正直に宣言し、会社を辞めることとなった愛実。店がなくなりホストを辞めたカヲルと、学校をクビになった愛実、2人の無職が爆誕します。

しかし、強引にクビにされたため、生徒にとっては夏休み明けに突然担任が変わってしまったという、困惑の事態。「家庭の事情なんて嘘だよね。逃げただけ」と、多感な時期の生徒は不信感を募らせます。

そんな愛実と生徒のことを思った副担任・佐倉(味方良介)は、愛実が生徒に挨拶をする時間を設けられないか、教頭に直訴をします。「小川先生が生徒の模範になれるとお考えですか?」と、頭ガッチガチの教頭は跳ね除けるのですが、「模範になるのだけが教師でしょうか? 僕は教師も間違ったり悩んだりする存在だということを少しくらいら生徒に見せてもいいと思います。正しいフリをしている人間が、教えられるものには限界があります」と、説得するのです。

佐倉も自分自身が性的マイノリティで悩んだ経験もあることから、世間一般の型にハマった正しいことだけが正しいわけじゃない、という余白と痛みがよく分かるのでしょう。

■愛実に対する生徒達の本当の気持ち

愛実と生徒が対峙すると、生徒からは愛実への不満が溢れ出てきます。その中に隠れる本音、「勉強なんて自分でやれる。私たちは文句を言う相手が欲しかったの」という言葉を愛実が受け入れると、それを皮切りに不満は少しずつ形を変えていきます。

「授業破壊的につまんなかった」「とにかく最低! 勝手に辞めんなよ、根性なし」「最後まで責任取れよ」「無責任」「辞めないでよ」

愛実を嫌っていたと思っていた生徒達は、愛実という個人が嫌いなのではなく、教師という立場をはけぐちにしていただけなのでした。愛実ともっと一緒にいたかったという生徒の気持ちが分かり、愛実の気持ちもまた昇華されたことでしょう。

■ホストでしか生きられない自分へのジレンマと2人の別れ

肝心のカヲルの試験はフラグをしっかり回収し、不合格。「俺もういいや。これが答えでしょ。もう終わりにするわ。学校受けんのも、先生のことも」と、全てを諦めてしまったよう。再チャレンジを愛実が促すものの、がっかりされ続けてきた人生で、愛実にだけはがっかりされたくないのだと、愛実を好きだからこそ、この結果が受け入れられないよう。

ホストに戻ることを愛実に怪訝な顔で問われると、カヲルは爆発。何もかもうまくいかなかったカヲルにとって、ホストとして生きることは、やっと誰にも頼らず自分の力で自立できる手段であり、唯一のプライドだったのです。

愛実という日の目をあたる道しか歩んでいない存在との関わりや、今回の昼の世界へのチャレンジへの挫折が、ホストでしか生きられない自分を否定された気持ちになったのでしょう。「あんたも俺のこと見下してんだろ! 帰れ!」と、号泣しながら愛実を突き飛ばすように追い出し、2人は別れを迎えてしまいます。

■それぞれの帽子と対話する2人

ホストに戻ったカヲルは屋上で1人酒を飲み明かします。三浦海岸の思い出である、愛実の帽子を被せた動物を前に、接客のフリをしながら「楽しいー! 最高の夜だ!」と、号泣するのです。

ホストとしての自分を取り戻した喜びと、そうでないと生きていけない自分へのジレンマ、それによって大切な人を失うことになった辛さ……。あまりに色んな感情が入り混じりすぎた複雑な涙。

一方で愛実も、あの日のカヲルの帽子を抱きしめ、号泣していました。父・誠治(酒向芳)によって、踏みつけられ、ボロボロにされてしまったカヲルの帽子。あらゆる人に否定され続け、試験に落ち、ホストで生きるしかないと悟り、心がボロボロになってしまったカヲルそのもののようで苦しくなります。

■再会と成長と、パズルのピースを補完する関係

塾講師として新たな生活をスタートした愛実。復活した三浦海岸の花火大会のために、あのお店に忘れた日傘を取りに行きます。

すると店員さんから、日傘と共に手紙を渡されるのです。それはカヲルからの手紙。最初に出会った頃からは考えられないほど、たくさんの漢字が使われた長文の手紙でした。

ホストは嘘の世界だったから居心地が良かったこと。本当の気持ちを言ったら、誰もいなくなる気がしてたけど、初めて先生に本音を言うことができた。漢字が書けなかったおかげで先生と出会えたから、漢字が書けなくてよかった。と、カヲルの本音が綴られる中、「だから、俺、」で手紙が終わります。

続きが気になった愛実は店員さんの言葉を受けて、あの日の海岸へ向かいます。するとそこにはカヲルの姿が。「手紙、途中でしたよ」「終われなくてさぁ。だから、最後句読点じゃなくて、読点の点にした」

終わらせたはずの愛実への気持ちを綴りながら、どうしても関係を終わらせることができなかったカヲル。

「俺もっかい美容学校受けてみる」

お互いどこかが欠けているけれど、それをパズルのピースのように補い合えていた関係がまた新たにスタートすることとなりました。

■愛実の愛する短歌と、それに繋がるラストの砂浜

手紙の宛名で「愛実」の愛の字を間違えていたことから、愛を砂浜にたくさん書き、練習するカヲル。それは愛実が好きな石川啄木の短歌、「大という字を百あまり砂に書き死ぬことをやめて帰り来れり」のよう。

この短歌の「大」の字を「愛」に差し替えたようなカヲルの行動は、短歌の意味の通り「愛実が与え続けてくれた抱えきれない大きな愛と共に、生きることと向き合い、愛実のもとへ帰ってきた」ことを表しているのかもしれません。

愛実の実家では、愛実の母はパートに出て、誠治は料理をするなど、今までと逆転した、イキイキとした2人の姿が。

愛実の電話番号を消して新たなスタートを切った川原(中島歩)や、愛実の保護者を辞めて対等な友人となった百々子(田中みな実)、あえてカヲルの実父であることを明言しなかった社長(沢村一樹)。

愛実家の植木鉢に小さな芽が生えていたことは、彼らの新たなスタートと幸せな芽吹きを示唆していたのでしょう。考察連載にお付き合いいただき、ありがとうございました。

(やまとなでし子)

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