「乳児用液体ミルク」は冷蔵庫で保存できる? 水筒はOK? 使用法をメーカーに聞く
- オトナンサー |

2019年に大手食品メーカーが相次いで発売し、話題となったのが「乳児用液体ミルク」です。お湯を使わずに容器へ移すだけで使用できることから、小さな子どもと一緒に外出するときに持ち運ぶ人が増えているようです。また、長期間保存できるので、災害時にも重宝します。ところで、気になるのがその保存方法や使用方法です。冷蔵庫で保存したり、哺乳瓶以外の容器で飲ませたりすることは可能なのでしょうか。液体ミルクを販売するメーカー2社に聞きました。
保管は常温で
江崎グリコ(大阪市西淀川区)は2019年3月、国内初の乳児用液体ミルク「アイクレオ 赤ちゃんミルク」を発売しました。125ミリリットル、希望小売価格は税抜き200円です。
同社のマーケティング担当者に聞きました。
Q.そもそも、この商品を開発した理由について教えてください。
担当者「昨今の災害の甚大な被害を目の当たりにしたことや、ワンオペ育児などの課題を踏まえ、当社の事業を通じて社会貢献できないかと考えたためです。液体ミルクを一日も早く市場に流通させることが使命だと思い、商品開発を急ぎました」
Q.「アイクレオ」は粉ミルクの商品もありますが、栄養価は同じなのでしょうか。
担当者「基本的には同じ原料で、母乳を目指した設計になっています。栄養価も(健康増進法に規定されている)『特別用途食品』の表示許可基準に準じています」
Q.製品化で工夫したことはありますか。
担当者「ミネラル含有量を母乳と同程度にして、赤ちゃんの繊細な体に優しいミルクにしています。液体ミルクは長時間かけて加熱殺菌すると、ミルクの成分が一部焦げて茶色がかるため、『アイクレオ』では、超高温・短時間殺菌することで余分な熱を加えず、ミルク本来の白さを保たせました」
Q.なぜ、紙パックを採用したのですか。
担当者「軽くて持ち歩きやすく、使用後の処分も容易なためです。赤ちゃんだけでなく、ミルクを用意するママやパパの利便性も考えました。紙パックは6層構造で、無菌化されたミルクを無菌化されたままの状態で詰めるため、常温で9カ月保存が可能で、いざというときの備えにも安心してお使いいただけます」
Q.賞味期限に関する注意点について教えてください。
担当者「開封後はすぐにお飲みいただくようお願いしています。開封後、時間を置くと変質する可能性がありますので、その際は飲ませるのを控えてください」
Q.水筒やペットボトルに入れて飲ませることもできますか。
担当者「水筒やペットボトルなどに移し替えて持ち運ぶことはできません。外出先などで哺乳瓶が消毒できない場合は、使い捨ての哺乳瓶や、哺乳瓶がなくても紙パックに直接取り付けられる『紙パック用乳首』が販売されています。清潔な使い捨てコップを使って授乳する『カップフィーディング』という方法もあります」
Q.製品は常温で保存しなければいけないのでしょうか。
担当者「常温を超えない温度で保存してください。高温多湿、直射日光は避けてください。また、冷蔵庫での保管はご遠慮ください」
Q.発売から3年以上が経過しましたが、どのような評価を受けていますか。また、商品について、これまでにどのような意見が寄せられていますか。
担当者「使用いただいているお客さまからは、『誰でも注ぐだけで準備できる簡単さ』や、『軽くて持ち歩きやすい点』などに対し、高い評価をいただいており、2019 年の発売以降、 3 年連続で『マザーズセレクション大賞』(日本の子育て支援・母親支援の一環として、一般社団法人日本マザーズ協会が主催する賞)を受賞しています。
その一方で、北欧などと比較すると、液体ミルクは、まだ家庭に十分に浸透していないとも感じています。今後も引き続き、正しい商品への理解や使用方法の発信などを行い、災害時だけでなく、日常からお父さまやおじいさま、おばあさまたちに液体ミルクを使用いただくことで、育児負担の軽減に貢献していきたいと思います」
明治は缶入り液体ミルクを販売
明治(東京都中央区)は、缶入りの乳児用液体ミルク「明治ほほえみ らくらくミルク」を2019年4月に発売しました。240ミリリットル、希望小売価格は税抜き215円です。
同社の広報担当者に聞きました。
Q.「明治ほほえみ らくらくミルク」を開発した理由について、教えてください。
担当者「災害時の赤ちゃんの栄養摂取、利便性向上による育児負担の軽減といった社会課題の解決に貢献したいという考えから、開発に取り組んできました。海外では、液体ミルクが普及しており、当社では、昨今の災害備蓄用としての需要が高まる以前から、より利便性の高い付加価値のある商品開発の一環として取り組んでいました」
Q.粉ミルクの「ほほえみ」と栄養価は同じですか。
担当者「当社が既に販売している粉やキューブタイプと同等の栄養設計で、安心してお使いいただけます」
Q.製品化で心掛けたことはありますか。
担当者「『ほほえみ』ブランドとして、何よりも安全・安心な商品として提供することに注力しました。スチール缶は、品質劣化をもたらす酸素や光といった要因を完全に遮断できる高い密封性と遮光性があります。外部の衝撃からの耐久性にも優れており、ミルクの品質を守ることができます。また、保存料や甘味料、着色料、香料などの食品添加物は使用していません」
Q.賞味期限について教えてください。開封してから何日以内に飲み切るのがよいのでしょうか。
担当者「賞味期限は1年半です。スチール缶とレトルト滅菌の組み合わせで実現しました。開缶後は、消毒した哺乳瓶などの容器にすぐに移し替え、2時間以内に使用してください。なお、一度でも赤ちゃんが口を付けたミルクは、赤ちゃんの唾液が逆流し、唾液中の雑菌が繁殖して腐敗しやすいので必ず処分してください」
Q.水筒やペットボトルに入れて飲ませることもできますか。
担当者「乳児用粉ミルクと同様、清潔な哺乳瓶以外での授乳はお勧めしていません。災害時など、消毒した哺乳瓶がないときの安全な授乳方法としては、紙コップを使ったものがあります」
Q.製品は必ず常温で保存しなければならないのでしょうか。夏場は冷蔵庫で保管してもよいのでしょうか。
担当者「常温で保管してください。直射日光の当たるところ、火のそば、夏場の車の中など高温になる場所、冬場の屋外など凍結の恐れがある場所では保存しないでください。理想的な温度は15~25度です。凍結の恐れがありますので、冷凍庫では保存しないでください」
Q.発売から3年以上が経過しましたが、商品の売れ行きはいかがでしょうか。また、商品について、これまでにどのような意見が寄せられていますか。
担当者「コロナ禍の外出自粛などの影響により、当初計画を下回っているものの、売り上げは年々拡大しています。当社の『明治ほほえみ らくらくミルク』は、飲み口を缶に付けやすくするアタッチメントをセットにして2020年4月に発売した『アタッチメント付き6本パック』が好調で、液体ミルク市場をリードしています。
発売当初は『コンビニや自動販売機で取り扱って欲しい』『どこに行けば買えるのか』『そのまま飲めるようにしてほしい』『常温で飲んでも大丈夫か』『災害備蓄用途として購入している』など、取扱店舗や使用方法に関する意見が多くありましたが、アタッチメント付き商品の発売以降、『アタッチメントがあるので、外出時の荷物が減った』『夜中の授乳が楽になった』『旅行中に活躍している』『パパやじいじ、ばあばが授乳するときに使っている』など、日常生活に商品を取り入れているという内容の意見が多くなってきています」
オトナンサー編集部
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