交際中のバツイチ男性が「海外赴任」に…同行準備を進める37歳女性に届いた“とんでもないLINE”
- オトナンサー |
結婚相談所、婚活アプリなどの婚活サービスを利用している人は、年々増えています。リクルートブライダル総研が行った「婚活実態調査2024」によると、2023年の婚姻者のうち、婚活サービスを利用していた人は32.3%にも上ったというのです。
筆者は結婚相談所を運営していますが、入会面談にやってきた人たちが話してくれた、「過去に婚活サービスで出会ったハプニング」の事例があります。今回は2つご紹介しましょう。
海外赴任に同行できるかと思ったら
ゆきえさん(37歳、仮名)は、マッチングアプリでゆうじさん(41歳、同)と出会いました。ゆうじさんは1年前に離婚。別れた妻側に4歳の子どもがいましたが、「養育費を含めた慰謝料は、既に全額支払い済み」とのことでした。
「子どもがいるバツイチなのは少し気になりましたが、背が180センチ近くあって、見た目もハンサム。誰もが知る大手企業に勤めていたので、前の結婚にきっちりとけじめがつけられているならいいかと思いました」
出会って以来、デートを重ね、男女の関係にもなりました。
最初は外で会うことが多かったのですが、恋人同士になってからは、ゆきえさんの家でデートをすることが増えました。ゆきえさんは猫を飼っていて、「長時間、家を留守にすると猫が寂しがるので、そばにいてあげたい」という思いが強かったからです。一方、彼は社員寮暮らしだったため、自然とゆきえさんの家がデートの場所になりました。
お付き合いが始まって、結婚の話もちらほら出始めました。そんなときに、彼に海外赴任の話が持ち上がり、渡米することになったのです。ゆきえさんは、これが結婚話を前に進めるきっかけになると思いました。
もちろん、愛猫も一緒に連れて行くつもりでした。海外にペットを連れて行くには、個体識別を目的としたマイクロチップを動物病院で埋め込む必要があります。そのことをゆうじさんに告げました。
「早めに獣医さんの予約を取ろうと思っているの」
すると、ゆうじさんは、しどろもどろの口調で言いました。
「あ、えっと、まずは僕一人で向こうには行こうと思っていて。初めての土地だし、生活環境を整えないと」
それから数日後に、とんでもないLINEが来ました。
「別れたカミさんと今後のことをいろいろ話し合ったんだけれど、まだ子どもも小さいし、子どもには父親が必要だということになって。アメリカには、元嫁と子どもを連れて行くことにしたよ」
そのLINEを最後に、ゆきえさんが送ったLINEが既読になることはありませんでした。
ゆきえさんは、私に言いました。
「離婚をしたというのも、社員寮に住んでいるというのも全てうそで、私はだまされていたのだと思います。私の家に遊びに来ても、泊まっていくことがなかったですし。ただ、相手を恨んでも仕方ないし、真実を突き止めたところで、私が幸せになるわけではない。ここで気持ちを切り替えて、真剣に結婚できる相手を探そうと思っています」
こうして、結婚相談所での婚活を心機一転、スタートさせることになりました。
女性の警戒心を解く手法にのせられて
「マッチングアプリを使うのは初めてだったので、しっかりとお相手の人間性を見ていこうと思っていました。トラブルが起こったとしても、それは自己責任ですから」
こう話すのは、まさえさん(35歳、仮名)です。
マッチングアプリは、お互いに「いいね」をし合うとチャットがつながり、そこから文章でのやりとりが始まります。そのアプリで、こうじさん(40歳、仮名)とつながりました。
「僕は、年齢的にも1年以内に結婚したいと思っています。ただ普通に生活していると、なかなか結婚を真剣に考えている人に出会えない。それでアプリに登録してみたんです」
まさえさんも、「まさに同じ気持ちで、アプリに登録をした」ことを告げました。
そして、メッセージのやりとりをしていくうちに、「この男性は、結婚を真剣に考えて婚活をしている」と思うようになりました。なぜそう感じたかというと、こうじさんが、これまでの婚活歴を、包み隠さずに話してくれたからでした。
「まさえさんはどれくらい彼氏がいないんですか? 僕は1年半くらい彼女がいないんです。1日も早く、結婚を真剣に考えている女性にお会いしたいんです」
“結婚を真剣に考えている人に、1日でも早く出会いたい”というのも、まさに同じ気持ちでした。
「まさえさんは、マッチングアプリで他の男性と会われたことあります?」
「アプリは、まだ始めたばかりです」
「僕は、前に1人だけお会いした女性がいたんですけど、その人が実は既婚者だったんです。3回お会いしたんですが、3回目のときに『実は別居中で、今、離婚に向けての裁判をしている』と言うんですね。でも、それって本当かどうか分からないし、戸籍上は既婚者なのにアプリに登録しているなんて、不誠実だと思ったんです」
こんなふうに自分のことを赤裸々に話すこうじさんに、まさえさんは結婚への本気度を感じたのでした。過去の恋愛話というのは、普通なら信頼関係が深まらないと話さない内容。そこを先に開示することで、「この人は信頼できる。安心できる」と錯覚させる恋愛テクニックがあります。こうじさんはそれを知っていたのかもしれません。
そして、リアルにお会いして、食事をしました。こうじさんが予約をしておいてくれたのは、カウンターの日本食のお店でした。
ただ、食事をしながらお酒を飲むほどに、こうじさんの様子が変わっていきました。体を寄せてきたり、さりげなくボディータッチをしたりするようになったのです。
まさえさんに警戒心が生まれました。2時間ほど食事をして、「私、明日仕事が早いので、そろそろ出ませんか?」と切り出しました。
お会計は、きれいに割り勘でした。一刻も早く別れたいと、駅の方向にまさえさんが歩こうとすると、いきなり腕をつかまれました。そして、こうじさんは言いました。
「ねぇ、泊まっていかない?」
今度は手を握ってきて、やや強引に駅とは反対方向のホテル街に向かおうとしたのです。まさえさんは怖くなって、つかまれた手を振りほどきました。
「私、帰ります」
そして、駅に向かって全速力で走り出しました。駅に着き、帰りの電車に乗るやいなや、すぐにこうじさんのLINEをブロックしました。
婚活アプリで注意すべき点
婚活アプリで幸せな結婚をしている人たちは、もちろんいます。ただ、どんな相手かを見極めるのは、自分の洞察力にかかっています。どんなことに注意したらいいか、ここに例を挙げておきます。
◆婚活アプリ上のサイトではなく、そこから出て、LINEでのやりとりをしたがる
こうした相手は、すぐにリアルで会いたがります。真剣に結婚を考えているというよりも、遊び目的であることが多いと考えられます。
◆会うときに「目印を教えてほしい」「待ち合わせ場所からの自撮りを送ってほしい」という
遠くからチェックして、写真通りの人が来たかどうかを確認し、自分の好みのタイプではなかったとすると、待ち合わせ場所には現れません。つまりは遊び目的です。
◆一度リアルで会ったときに、将来の夢を語り、「副業」や「仲間に会ってみないか」と持ちかける
マルチ商法、ネットワークビジネス、宗教などの勧誘目的であることがあります。
◆おしゃれなレストランで食事をする姿、ブランド品を身に付けている様子、高級車に乗っているところなど、個人のSNSアカウントやLINE上できらびやかな私生活をアピールする
デート商法で高級品を買わせたり、最初は気前よくごちそうしてくれていたのに「事業に失敗した」「取引で、明日までにこれだけのお金が必要」など、最終的には金銭を貢がせる結婚詐欺だったりする場合があります。
相手を好きになってしまうと、相手を信じきって疑いの目を向けなくなります。好きだからこそ、嫌われるような言動をしたくなくなります。「恋は盲目」という言葉がありますが、“ハートは熱く、頭はクールに”というのが、婚活の基本であることを忘れないでくださいね。
仲人・ライター 鎌田れい
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