ウ軍砲兵“世界最長距離”での砲撃を達成! 遠く離れたロシア陣地の攻撃を可能とした装備を解説
- 乗りものニュース |
通常の倍以上先の目標を攻撃!
最新砲弾を供与された自走砲に搭載
ウクライナ政府の公式サイトである「ユナイテッド24」は2024年12月11日、自走りゅう弾砲で、実戦で70km離れた標的を攻撃するという世界最長記録を達成できた理由について明かしました。
ポーランドから供与を受けたAHSクラブ自走りゅう弾砲(画像:ウクライナ統合軍タスクフォース)。
この発表は、70km以上離れたロシア陣地の攻撃をウクラナ砲兵が行ったという国内の報道を受けてのものです。攻撃は事実のようで、ポーランドから供与を受けたAHSクラブ自走りゅう弾砲が使用されたそうです。
さらに、砲弾にはイタリアのレオナルド製である155mm砲用精密誘導弾である「ヴォルカーノGLR」を使用しました。同砲弾は安定翼を装備し射程は最大で80kmになるといわれています。一般的な155mmりゅう弾砲用の砲弾であるアメリカ製のM107が最大射程40kmですので、単純に倍の射程があります。
ウクライナ軍砲兵が今回使用したヴォルカーノGLRは、最新型のもので、GPSリンクやレーザー誘導システム、 INS(慣性航法装置)を駆使することにより誤差1mの範囲でピンポイント射撃を行えます。なお、同砲弾は2023年6月にドイツが供与を発表しており、今回の攻撃によりウクライナ砲兵が、同砲弾を既に使用していることが明らかになりました。
これまで射撃試験では、ヴォルカーノGLRを装備した自走りゅう弾砲が70km先の標的を精密攻撃できることは明らかとなっていましたが、実戦でそれを証明したのは今回が初となります。「現在、最新の砲兵システムの射程の殆どは20から40km。クラブ自走砲システムとヴォルカーノGLR 組み合わせにより、従来の砲兵システムが到達できない射程でこの偉業を達成しました」とユナイテッド24では発表しています。
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