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「新幹線と同じ線路を走る」27年ぶりの新型車両! 時代に応えた“ロングシート峠越え” コストカットの跡も

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標準軌の新型が登場

JR東日本は、山形線と呼ばれる奥羽本線福島~新庄間を走る新形車両としてE723系を導入しました。2026年9月19日から営業運転がはじまり、まずは福島~山形間を走っています。この新形車両がどのような形で受け入れられているのか、実際に乗車してみました。

Large figure1 gallery9山形線(奥羽本線)庭坂駅に到着したE723系(柴田東吾撮影)

E723系が走る山形線は、山形新幹線が走る区間でもあります。山形新幹線は在来線を改修して新幹線に直接乗り入れることができるようにした路線でもあり、在来線の線路幅1067mmの狭軌から新幹線の線路幅1435mmである標準軌に改修した経緯があります。

山形新幹線は特急として主要な駅だけに停まりますが、山形線の普通列車用の新形車両としてE723系(正式にはE723系5000代)が導入されました。

また、山形線では山形新幹線として改修された際にホームの高さを上げています。JR東日本の東北エリアではホームの高さが低く、東北エリアで使用される電車は車体にステップを備えているか、床の高さを下げた低床の電車を導入していますが、山形線で使用する車両はホームの高さを気にする必要はありません。

これらから、山形線E723系の大きな特徴は標準軌用台車を使用しているのと、首都圏の一般的な電車のようにステップのない構造を採用している点です。車体の色は、山形線で使用されている従来の車両と同じ。緑色と山形にちなんだ「べにばな」色のラインを組み合わせたもので、車内の座席の色も「べにばな」色です。

令和のコストカット車両

JR東日本の東北エリアでは、1990年代に電車化が一気に進みました。この際に導入された電車が701系です。この701系は最短2両編成という短い列車となり、車内の座席配置は窓を背にしたロングシートとしたことで、乗客の「詰め込み」を重視した車両となりました。

いわば701系は「コストカット」に振り切った車両ですが、今回導入されたE723系も、各所にコストカットされた様子を見ることができます。

外観では、側面のふくらみがないストレートな車体を採用したうえ、連結面側に窓はありません。側面上部の行先表示器は2両に1つだけで、前面の行先表示器とともに3色のLED表示という最低限のものとしています。

車内に目を移すと、座席配置はロングシートで、座席の端にある仕切りも簡素なものになっています。首都圏などの都市圏の車両では、扉の上に車内表示器を備えて行先や停車駅などを案内していますが、E723系にはこれもありません。

また、E723系はワンマン運転に対応した構造で、乗務員室の背後には路線バスで見られる液晶の案内表示器があります。この画面で行先や停車駅などを表示していますが、画面は各車両に1か所だけです。

風情は失われた? 実際に乗車してみると

 今回乗車したのは、福島16時4分発の庭坂行きです。山形線は福島県と山形県にまたがる路線ですが、この列車は福島県の福島市内の2駅だけ走って終点になります。

Large figure2 gallery10E723系の台車。粘着力(グリップ)を上げるため、先頭側にあたる左側の車輪に増粘着装置(黒い筒の部分)を備えている(柴田東吾撮影)

 営業運転を開始してから1か月近くも経った2026年10月の平日だったこともあり、ファンの姿は見当たらず、乗車しているのは下校の学生をはじめとする若い人ばかりでした。

座席が半分くらい埋まったところで福島を発車しますが、駅で発車メロディーが鳴ったのち、車両側からも発車メロディーが鳴ります。山形線福島~米沢間ではどの列車にも車掌が乗務しており、この庭坂行きにも車掌が乗っていましたが、将来的には福島~米沢間もワンマン化を想定しているのかもしれません。E723系では側面にカメラがあり、駅の停車中にホームの画像を表示する機能があるものの、車掌が乗務している場合は使用してないようです。

福島を発車すると隣駅まで3km以上もあり、平地で新幹線が走るほど整備された線路ということで、勢いよく走っていきます。走りとしては、701系と大差はないように見えます。

庭坂に到着すると、今度は16時21分発の福島行きとして折り返していますが、今度は地元客がまばらに乗車する程度です。先の庭坂行きともども、毎日のように新形車両が使用されていることもあってか、すでに馴染んでいる様子でした。

E723系の導入により、山形線で使用されていた719系5000番代が置き換えられる予定です。既に719系5000番代の廃車が進められています。

719系5000番代も山形線用で、1991(平成3)年に登場して山形線として標準軌になった当初から使用されています。この車両は座席配置がクロスシートで、進行方向ないし逆方向に向いた座席があります。

山形線で旅をする場合は719系5000番代の方が楽しいですが、山形地区で通学の学生や通勤客が大挙して乗車する事態となると、719系5000番代の構造は不利になりがちです。

体感は「27年以上ぶり」の新型

また、前述した山形線の701系は701系5500番代として1999(平成11)年に導入されています。E723系は山形線では27年ぶりの新型車両ということになりますが、ロングシートの701系はおもに山形~新庄間で使用され、福島まで営業列車でやってくることはありません。

Large figure3 gallery11山形線の719系5000番代。E723系の導入で廃車が進んでいる(柴田東吾撮影)

山形線では、福島~米沢間に板谷峠という峠道の区間があります。この区間では719系5000番代が使用され、701系5500番代は使用しない対応が長らく行われていました。E723系の導入により、峠の区間に新型のロングシート車両が走ることになりました。

峠を普通列車でのんびり旅をするには不向きとなりましたが、719系5000番代はトイレが和式で、車いすスペースなどのバリアフリー設備もありません。時代に合わなくなっているのも確かです。

2026年9月の時点では、E723系は2両編成2本が就役しています。今後は2両編成11本が揃う予定で、順次導入されて短期間で719系5000番代の置き換えを終える見込みです。

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