東西線の「混雑緩和工事」一部休止で現場埋め戻しも!? 結局どこがどうなるのか 東京メトロ
- 乗りものニュース |
東京メトロは、2023年度事業計画の中に、東西線の改良工事を盛り込んでいます。ただ、コロナ禍の影響により、当初の計画通りとはならないようです。今後はどうなるのでしょうか?
2023年度事業計画に東西線改良工事の推進
東京メトロ東西線で進められている、混雑緩和のための「駅改造」。全国最悪である混雑率199%(2017年、木場~門前仲町間の西行き朝ラッシュ)を記録する「超過密路線」であることから、2000(平成12)年の西葛西駅ホーム拡幅を皮切りに、東陽町駅、門前仲町駅でも拡幅工事が完了しており、さらに西側の駅でも改良事業が進められてきました。
ただ、工事の休止や計画の一部変更も起きています。今後はどうなるのでしょうか。
東西線の車両(画像:東京メトロ)。
2014年からの"第二期工事"として進められてきたのは、南砂町駅・木場駅・茅場町駅の改良と、飯田橋~九段下駅間への折り返し設備の整備です。
南砂町駅では、ホーム拡幅や階段・エスカレーター増設のほか、ホームを2面3線に増やします。これにより、前の電車の乗降が長引いても、空いている線路に後続の列車を入れることができ、遅れの波及を最小限に抑えることができます。
木場駅では、上下線それぞれで「シールドトンネル内にホームがある」という構造で狭かったのを、上下線を隔てる部分を取り払い、12mの広いホームになるようにする計画です。さらに、西端と東端にエスカレーターが1か所ずつしかなかったのを、西側で2か所増設し、踊り場スペースも拡幅するとしています。
茅場町駅では、ホームを延伸して上下線で停車位置をずらし、エスカレーターも新設することで、乗降客の集中を緩和します。
しかし、昨年10月に江東区から「東京メトロ東西線木場駅・南砂町駅の改良工事について」という公表がなされました。
それによると、南砂町駅では、出入口の増設予定は3か所から2か所へグレードダウンし、動く歩道の整備は中止。木場駅の改良工事に関しては、工事そのものが休止されました。現場はいったん埋め戻されるそうで、工事の再開時期は「利用者の回復状況を注視したうえで」再検討するとしています。
改良工事の休止・縮小の理由について、東京メトロへの取材では「新型コロナウイルス感染症拡大による社会・行動変容を踏まえ、旅客運輸収入はコロナ前の水準まで戻らないと想定しています」としたうえで、「コスト構造改革を推進するとともに、お客様のご利用動向や多様化するニーズを踏まえ、優先順位を考慮し、必要に応じて輸送改善施策など設備投資計画の見直しを行っています」とのこと。なお、3月末に発表された2023年の事業計画には、工事の休止・縮小についての言及は避けつつも、東西線の改良工事を「推進していきます」と明記しています。ひとまず飯田橋駅~九段下駅間折返し設備整備については、2027年度供用開始予定となっています。
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