東北電力は東日本大震災の影響を考慮し長らく電気代の値上げを回避してきましたが、昨今の燃料調達費の高騰により10年ぶりに規制料金プランを値上げしました。
そのため、少しでも電気代を節約をするために「新電力会社」を探している方も多いと思います。
ですが、電力会社選びに失敗すると逆に電気代が高くなってしまう可能性もあるので注意が必要です。
そこで、今回は東北エリアで電気代が「本当に安くなる」×「信頼度」から考えたランキングを作りました。
電気使用量別やセット割などの視点でもまとめているので、ぜひ参考にしてください。
※この記事で紹介している電気代は、基本料金と電力量料金(燃料費調整額をのぞく)で比較検討しています。
燃料費調整額の上限が設定されていない電力会社では、燃料価格の状況によっては電気代が高騰する可能性がある点にご留意ください。
また当サイトではおすすめの新電力会社の総合ランキングも作っていますので合わせてご確認ください。

【総合】東北エリアの新電力会社おすすめランキング
割引率 | ファミリー | 1人暮らし | 信頼度 | 契約件数 | ガスセット割 | 提供エリア | 最低契約期間 | 解約料 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1位 Looopでんき | 〇 | 〇 | ◎ | 4 | 35万以上 | × | 全国 | なし | 0円 |
2位 HTBエナジー | ◎ | ◎ | ◎ | 4 | 26万以上 | × | 沖縄以外 | 1年 | 2,200円 |
3位 ネット電力 | ◎ | ◎ | ◎ | 3 | 非公開 | × | 沖縄以外 | 1年 | 0円 |
4位 新日本エネルギー | ◎ | ◎ | ◎ | 5 | 非公開 | × | 沖縄以外 | 3年 | 9,900円~22,000円 |
5位 ミツウロコでんき | 〇 | 〇 | △ | 5 | 非公開 | 〇 | 沖縄以外 | 1年 | 0円 |
6位 おうちでんき | △ | △ | △ | 4 | 200万以上 | × | 全国 | 1年 | 550円 |
7位 ONEでんき | ◎ | ◎ | ◎ | 3 | 25万以上 | × | 沖縄以外 | なし | 0円 |
8位 楽天エナジー | △ | △ | △ | 4 | 非公開 | × | 全国 | なし | 0円 |
まずは、忖度なしで作成したおすすめランキングを紹介します。
下記の比較表では、電気代はもちろん、会社の信頼度や特典などを加味して順位付けをしました。
電気の使用量や割引特典などを優先すればベストの選択は変わるかもしれませんが、基本的にこの8社のなかから選べば失敗しないでしょう。
1位:Looopでんき|ピークシフト活用で無理なく節電できる
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基本料 | 0円 | ![]() | |
200kWh | ◎ | ||
300kWh | ◎ | ||
500kWh | 〇 | ||
800kWh | 〇 | ||
1000kWh | 〇 | ||
提供エリア | |||
---|---|---|---|
全国 | |||
ガスセット割 | オール電化 | コラボ割 | ポイント |
× | × | × | × |
最低契約期間 | 解約手数料 | 支払方法 | |
なし | 0円 | クレカ | |
契約件数 | 上場 | 会社規模(資本金) | 運営期間(電気) |
35万以上 | × | 40.94億円 | 12年 |
沿革 | |||
2011年 設立 2016年 電力供給開始(再生可能エネルギーを使用した供給サービス) 2017年 太陽光発電などの施設の開発・運営を開始 2018年 契約件数10万達成 など |
- 料金体系が市場価格に連動
- ピークシフトを活用すれば賢く節電が可能
- 1人暮らしで割引率◎
- 基本料金・燃料費調整額が0円
- 最低契約期間・解約料の設定なし
東北エリアのおすすめNo.1はLooopでんきです。
Looopでんきは東日本大震災のボランティア活動をきっかけに誕生した電力会社で、2022年にはオリコン顧客満足度調査「電力会社小売」ランキングで総合第1位を受賞しました。
Looopでんき最大の特徴は、電力量料金の単価が30分ごとに変動することです。
電力量料金の単価が安い時間帯を狙って家電を使うだけで、賢く節電ができますよ(ピークシフト)。
料金単価はスマホアプリで簡単に確認できるので、料金単価が高い時間帯はお出かけをしたり、安い時間帯に予約機能を使って洗濯機を回したりと、いろいろな工夫ができます。
1人暮らしだと時間の都合を付けやすいので、無理なく節電できるでしょう。
Looopでんきのような市場連動プランは、市場の高騰に合わせて電気代も高騰するリスクがある点を不安に思う方も多いと思います。
ですが、東北電力のファミリー世帯向けプランとLooopでんきの電気代を比較したところ、2023年1月〜6月の間では1月以降はLooopでんきのほうが安いという結果が公表されています。
Looopでんきは最低契約期間や解約料は設定されておらずいつでも解約できるので、数カ月だけ試してみる、という方法もアリですよ。
工夫次第で電気代を安くできるという点を評価して1位にしましたが、メリットとリスクを考慮して自分に合うプランかどうか試してみてくださいね。
2位:HTBエナジー|電気代が安い+特典・かけつけサービスも◎
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基本料 | 550円 | ![]() | |
200kWh | ◎ | ||
300kWh | ◎ | ||
500kWh | ◎ | ||
800kWh | ◎ | ||
1000kWh | ◎ | ||
提供エリア | |||
---|---|---|---|
沖縄以外の全国 | |||
ガスセット割 | オール電化 | コラボ割 | ポイント |
〇 | 〇 | 〇 | × |
最低契約期間 | 解約手数料 | 支払方法 | |
1年 | 2,200円 | クレカ・口座・コンビニ | |
契約件数 | 上場 | 会社規模(資本金) | 運営期間(電気) |
26万以上 | × | 9,500万円 | 9年 |
沿革 | |||
2015年 設立 ハウステンボスから作られる新たなエネルギー事業 東京エリア、中部エリア、関西エリアでは都市ガスも提供 |
- 全体的に電気代が安い
- 1人暮らしでもファミリー世帯でも割引率◎
- 毎日従量料金が2時間無料プランあり
- HIS旅行代金割引やクーポン特典あり
- かけつけサービスが無料で付帯
HTBエナジーは電気代が安いのはもちろん、お得なサービスが多くある点を評価して2位にランキングしました。
電気代は基本料金・従量料金が全体的に安いので、1人暮らしでもファミリー世帯でも節約が期待できます。
とくにファミリー世帯に利用してほしいのが、毎日従量料金が2時間無料になる「ママトクプラン」です。
6時〜8時、19時〜21時、22時〜24時のいずれかの時間帯に電気を多く使う方であれば、電気代を上手く節約できますよ。
また、HTBエナジーは下記のとおりコラボ特典が豊富な点も魅力です。
- HIS旅行代金が3,000円引き(利用回数制限なし)
- グルメ、ショッピング、レジャーなどで利用できるクーポン配布
- ネットスーパーでの買い物優待サービス
さらに、プランによっては電気やガス設備などのトラブルに対応してくれるかけつけサービス「あんしんサポート365」も無料で付いてくるので、かなりお得感がありますよ。
毎日従量料金が2時間無料になるプランも旅行代金割引も他社にはないサービスなので、要チェックです。
ただし、1年の最低利用期間が定められている点には注意してください。
契約途中の解約では2,200円の解約料が発生するので、1年以上の契約で検討してみましょう。
3位:ネット電力|どの世帯でもかなり電気代が安い
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基本料 | 0円 | ![]() | |
200kWh | ◎ | ||
300kWh | ◎ | ||
500kWh | ◎ | ||
800kWh | ◎ | ||
1000kWh | ◎ | ||
提供エリア | |||
---|---|---|---|
沖縄以外の全国 | |||
ガスセット割 | オール電化 | コラボ割 | ポイント |
× | × | × | × |
最低契約期間 | 解約手数料 | 支払方法 | |
1年 | 0円 | クレカ・口座(法人) | |
契約件数 | 上場 | 会社規模(資本金) | 運営期間(電気) |
非公開 | 〇 | 3,000万円 | 2年 |
沿革 | |||
2019年 設立 2021年 電力販売開始 |
- 全体的に電気代が安い
- 1人暮らしでもファミリー世帯でも割引率◎
- 基本料金0円
- 最低契約期間はあるが解約金は0円
ネット電力はインフラのシステム開発をしているSustainableEnergy株式会社が運営している新電力会社です。
独自開発のシステムを構築することでコストを大幅に削減しており、全体的に設定料金が安い点を考慮して3位にランキングしました。
契約者の多い東北電力「従量電灯Bプラン」と比べ、ネット電力の従量料金は5.8%〜32%ほど安く設定されています。
当サイトで試算した結果では、もっとも電気代が安くなった電力会社です。
基本料金も無料なので、1人暮らしでもファミリー世帯でも電気代を安くできるでしょう。
設立から間もない企業という点で信頼度は低めの点数を付けていますが、熊本県警察本部所管施設や、熊本電気鉄道株式会社、防衛省共済組合などとの契約実績があるので、今後一般家庭でも契約数が増えてくるのではないでしょうか。
1年の最低契約期間が設定されていますが、解約金はかからないので安心してください。
気になる方は、公式ホームページで料金シミュレーションをしてみましょう。
4位:新日本エネルギー|電気使用量の多い家庭におすすめ
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基本料 | 1,287円 | ![]() | |
200kWh | 〇 | ||
300kWh | ◎ | ||
500kWh | ◎ | ||
800kWh | ◎ | ||
1000kWh | ◎ | ||
提供エリア | |||
---|---|---|---|
沖縄以外の全国 | |||
ガスセット割 | オール電化 | コラボ割 | ポイント |
× | × | × | × |
最低契約期間 | 解約手数料 | 支払方法 | |
3年 | 9,900円~22,000円 | クレカ・口座・コンビニ | |
契約件数 | 上場 | 会社規模(資本金) | 運営期間(電気) |
非公開 | 〇 | 9,000万円 | 4年 |
沿革 | |||
2007年 設立(株式会社NEXT ONE) 2019年 新日本エネルギー運用開始 |
- 電気を多く使う家庭ほど割引率◎
- 初期費用が0円
- 最低契約期間が3年と長い点に注意
新日本エネルギーは、株式会社NEXT ONEが運営する新電力会社です。
基本料金は30A〜60Aで契約できるので、電気を多く使う家庭でお得に利用できます。
基本料金はもちろん、従量料金部分が固定で東北電力よりかなり安く設定されているので、乗り換えるだけで電気代の節約を期待できる点を評価しました。
コラボ特典やポイント制度などは特にありませんが、申請が面倒だという方やシンプルに電気代が安くなればOKという方におすすめしたい新電力会社です。
ただし、最低契約期間が3年と長い点には注意が必要です。
3年以内、または契約更新月以外に解約してしまうと解約金が発生するので、事前に確認しておきましょう。
5位:ミツウロコでんき|信頼度◎の大手エネルギー会社
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基本料 | 1,476円 | ![]() | |
200kWh | △ | ||
300kWh | △ | ||
500kWh | 〇 | ||
800kWh | 〇 | ||
1000kWh | 〇 | ||
提供エリア | |||
---|---|---|---|
沖縄以外の全国 | |||
ガスセット割 | オール電化 | コラボ割 | ポイント |
× | 〇 | × | 〇 |
最低契約期間 | 解約手数料 | 支払方法 | |
1年 | 0円 | クレカ・口座・振込用紙 | |
契約件数 | 上場 | 会社規模(資本金) | 運営期間(電気) |
非公開 | 〇 | 70億円 | 13年 |
沿革 | |||
1886年 設立 1953年 石油、ガス製品の取り扱い開始 2001~2007年 風力発電所完成 2010年 新電力事業へ参入 |
- 運用期間23年の大手企業
- グリーンエネルギー発電所を所有
- 電気を多く使うほどお得
- Pontaポイントプレゼントあり
- 24時間365日かけつけサービスが無料で付帯
ちびまる子ちゃんのテレビCMでミツウロコでんきを知っている方も多いでしょう。
運営期間が23年と長く、石炭や石油、再生エネルギーなど幅広いエネルギー事業を展開している信頼度の高い会社です。
契約者の多い東北電力の「従量電灯Bプラン」と比べると、基本料金部分では差はありませんが、従量料金部分が電気を多く使うほどお得になるよう設定されています。
そのため、使用量の多いファミリー世帯におすすめです。
さらに、2年間の契約で最大5,000Pontaポイントももらえますよ。
電気がつかない、ブレーカーが落ちるなどの電気関連のトラブルに対応してくれる「ミツウロコでんき安心サポート」も24時間365日無料で利用できるので、乗り換え後も安心です。
契約期間は原則1年間ですが、途中で解約しても解約金は発生しません。
気になる方は、料金シミュレーションをしてみましょう。
6位:おうちでんき|ソフトバンク・Y!mobileユーザーにおすすめ
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基本料 | 1,476円 | ![]() | |
200kWh | △ | ||
300kWh | △ | ||
500kWh | △ | ||
800kWh | △ | ||
1000kWh | △ | ||
提供エリア | |||
---|---|---|---|
全国(北陸、九州は外部リンクから) | |||
ガスセット割 | オール電化 | コラボ割 | ポイント |
× | × | 〇 | 〇 |
最低契約期間 | 解約手数料 | 支払方法 | |
1年 | 0~550円 | クレカ・口座・機種代一括 | |
契約件数 | 上場 | 会社規模(資本金) | 運営期間(電気) |
200万 | 〇 | 2,387億円 | 9年 |
沿革 | |||
2014年 法人向けに電力販売開始 2016年 関西、関東エリアへ電力販売開始 |
- 運営元がソフトバンクなので信頼度◎
- スマホ・インターネットとのセット割あり
- かけつけサービスが無料で付帯(2年間)
- PayPayポイントがたまる
- エコ電気アプリで楽しく節約
おうちでんきはソフトバンクグループのSBパワー株式会社が運営する新電力会社です。
電気代だけで見れば1人暮らし・ファミリー世帯ともに割引率がそれほど大きいわけではありませんが、ソフトバンク・Y!mobileユーザーなら「おうち割(でんきセット)」が適用になるので節約できますよ。
おうち割では、でんきとスマホ・インターネットの契約で通信費が永年割引(1回線ごとに2年間110円、3年目以降55円割引)になります。
10回線まで割引対象になるので、家族でまとめてスマホ契約をしている方ほどお得です。
累計では、1年間で1,320円×回線数、2年間で2,640円×回線数、3年間で3,300円×回線数も節約できますよ。
また、「おうちレスキュー」というかけつけサービスが2年間無料で利用できる点も見逃せません。
水漏れ、配管のつまり、鍵の紛失、ガラスの破損などのトラブルに対応してもらえますよ。
ほかにも、おうちでんきではPayPayポイントがたまります。
スマホアプリの「エコ電気アプリ」ではゲーム感覚でポイントをためられるので、上手く活用しましょう。
7位:ONEでんき|使った分だけ支払うシンプルプラン
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基本料 | 0円 | ![]() | |
200kWh | ◎ | ||
300kWh | ◎ | ||
500kWh | ◎ | ||
800kWh | ◎ | ||
1000kWh | ◎ | ||
提供エリア | |||
---|---|---|---|
沖縄以外の全国 | |||
ガスセット割 | オール電化 | コラボ割 | ポイント |
× | × | × | × |
最低契約期間 | 解約手数料 | 支払方法 | |
1年 | 0円 | クレカ・口座 | |
契約件数 | 上場 | 会社規模(資本金) | 運営期間(電気) |
25万以上 | 〇 | 5.8億円 | 5年 |
沿革 | |||
2018年 設立 2019年 電力販売開始 |
- 基本料金0円
- どの世帯でも節約が期待できる
- 最低契約期間・解約料の設定なし
ONEでんきは、IT企業の株式会社グランデータが運営している新電力会社です。
基本料金が0円で、実際に使った分だけ電気代を支払うシンプルな料金プランが特徴的です。
基本料金が0円の電力会社では従量部分の単価が高めに設定されているケースもありますが、ONEでんきではかなり安く設定されています。
そのため、1人暮らしでもファミリー世帯でも電気代の節約を期待できますよ。
ONEでんきには特典やキャンペーンなどはありませんが、面倒な申請手続きなどもないので、乗り換えるだけで電気代の節約につながるシンプルプランを探している方におすすめです。
最低契約期間の設定がなく、解約料もないので、自分に合わなければ他社に乗り換えることもできますよ。
8位:楽天エナジー|楽天経済圏の方におすすめ
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基本料 | 0円 | ![]() | |
200kWh | △ | ||
300kWh | △ | ||
500kWh | △ | ||
800kWh | △ | ||
1000kWh | △ | ||
提供エリア | |||
---|---|---|---|
全国 | |||
ガスセット割 | オール電化 | コラボ割 | ポイント |
× | × | × | 〇 |
最低契約期間 | 解約手数料 | 支払方法 | |
なし | 0円 | クレカ・楽天ポイント | |
契約件数 | 上場 | 会社規模(資本金) | 運営期間(電気) |
非公開 | 〇 | 2,940億円 | 4年 |
沿革 | |||
企業は1997年に設立(三木谷浩史 現社長) 99年 マザーズ市場に上場 2000年 オークション開始 2001年 楽天トラベル 他、野球チーム、楽天ブックス、楽天モバイルなど多数立ち上げ |
- 基本料金0円、従量料金固定
- 電気代の支払いで楽天ポイントの二重どりが可能
- 電気代の支払いに楽天ポイントが使える
- 最低契約期間・解約料の設定なし
電気代を試算したところ、どの世帯においても楽天エナジーは東北電力よりも割高になるためランキングは低くなりました。
ただ、楽天経済圏でポイントをガンガンためている方が電気代に充当できるのであればメリットがありそうです。
楽天エナジーでは電気代の支払い200円(税抜)につき1ポイントがたまるうえ、楽天カードで支払うと100円につき1ポイントがもらえます。
毎月必ず支払う電気代でポイントの2重取りができるのはかなりオイシイので、ポイ活をしている方は楽天カードの利用を検討しましょう。
また、たまったポイントは 50ポイント(50円相当)から電気代の支払いに充当できます。
ショッピングなどでたまったポイントや使い道が限定されている期間限定ポイントも充当できますし、ポイントで支払った分にもポイントがつくので、とにかく楽天ポイントの使い勝手が良いです。
楽天経済圏の方はぜひ検討してみてください。
【使用量】1人暮らし、ファミリー向けのランキング
新電力会社は電気代を自由に設定できるため、電気の使用量が少ない方が単価が割安だったり、逆に使用量が多い方が割安だったり、お得感は会社によってさまざまです。
そこでここでは、電気の使用量ごとにお得な電力会社が一目でわかるように一覧表を作成しました。
大手電力会社の料金プランに比べ、とても安い◎、安い〇、少し安い△とわかりやすくまとめているので参考にしてください。
基本料金 | 200kWh | 300kWh | 500kWh | 800kWh | 1000kWh | |
---|---|---|---|---|---|---|
1位 Looopでんき | 0円 | ◎ | ◎ | 〇 | 〇 | 〇 |
2位 ネット電力 | 0円 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
3位 ONEでんき | 0円 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
4位 HTBエナジー | 550円 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
5位 新日本エネルギー | 1,287円 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
6位 ミツウロコでんき | 1,476円 | △ | △ | 〇 | 〇 | 〇 |
7位 おうちでんき | 1,476円 | △ | △ | △ | △ | △ |
8位 楽天エナジー | 0円 | △ | △ | △ | △ | △ |
1人暮らしでおすすめしたい新電力会社

1人暮らしの方は、200〜500kWhの電気代が安く設定されている電力会社に注目しましょう。
東北エリアなら、総合ランキング1位のLooopでんきがおすすめです。
Looopでんきは基本料金がかかりませんし、電気代が高い時間帯を避けて電気を使えば無理なく電気代を抑えられます(ピークシフト)。
1人暮らしの方なら都合を付けやすいと思うので、電気代が高い時間帯は外出したり、電気代が安い時間帯にまとめて家事をしたり、いろいろ工夫しやすいでしょう。
ただし、Looopでんきは市場連動型プランなので、急激な電気代の高騰が不安という方はネット電力を検討してみましょう。
電気代を安くしたうえでコラボ特典も利用したい方ならHTBエナジーがおすすめです。
自宅のトラブルに対応してくれるかけつけサービスがついてくるので、1人暮らしの心強い味方になるでしょう。
2人暮らしでおすすめしたい新電力会社

2人暮らしの場合は、300〜500kWhの電気代が安く設定されている電力会社に注目しましょう。
2人暮らしでも電気使用量がそれほど多くない場合は、1人暮らしの場合と同様に総合ランキング上位のLooopでんきがおすすめです。
電気使用量が多くなる可能性があるならネット電力がおすすめです。
コラボ特典を利用したいなら、HTBエナジーを検討してみましょう。
HTBエナジーは何度でも使える旅行代金割引やグルメ・レジャー用のクーポンなども利用できるので、2人のおでかけにも最適ですよ。
ファミリーにおすすめの新電力会社

ファミリー世帯の場合は、500〜1,000kWhの電気代が安く設定されている電力会社に注目しましょう。
HTBエナジーや新日本エネルギー
、ネット電力
あたりがねらい目です。
HTBエナジーは毎日従量料金が2時間無料の「ママとくプラン」があるので、日中の家事をまとめて片づけるご家庭であれば賢く電気代を節約できるでしょう。
電気設備や水回り、ガス設備などのトラブルに対応してくれるかけつけサービス「あんしんサポート365」も無料で付いてくるので、お得感もありますよ。
新日本エネルギーは30A、300kWh以上使う家庭であればお得に利用できます。
ただし最低契約期間が3年と長いので、途中解約の可能性がある方はネット電力も候補にいれてみましょう。
ネット電力は特典などはありませんが、基本料金が無料で従量料金は東北電力よりも5.8%〜32%安く設定されているので、乗り換えるだけで電気代を安くできる可能性がありますよ。
【信頼度】新電力会社の信頼度を比較表にしてみた
燃料調整費の高騰が原因で新電力会社が倒産した、事業を撤退したなどのニュースを聞いたことがある方もいるかもしれません。
契約している新電力会社が倒産しても電気が急に止まることはありませんが、なるべくなら経営の安定した会社を選びたいですよね。
そこで、ここでは新電力会社の信頼度を比較表にしてみました。
このランキングは、契約件数、上場の有無、資本金や運営期間を考慮して作成しているので、参考にしてください。
契約件数 | 上場 | 資本金 | 運営期間 | ||
---|---|---|---|---|---|
1位 | ミツウロコでんき | 非公開 | 〇 | 70億円 | 23年 |
2位 | Looopでんき | 35万以上 | × | 40.94億円 | 12年 |
3位 | 楽天エナジー | 非公開 | 〇 | 2,940億円 | 4年 |
4位 | HTBエナジー | 26万以上 | × | 9,500万円 | 9年 |
5位 | 新日本エネルギー | 非公開 | 〇 | 9,000万円 | 4年 |
6位 | おうちでんき | 200万 | 〇 | 2,387億円 | 9年 |
7位 | ONEでんき | 25万以上 | 〇 | 5.8億円 | 5年 |
8位 | ネット電力 | 非公開 | 〇 | 3,000万円 | 2年 |
ミツウロコでんき|エネルギー業界での実績が豊富!自社発電所も保有

ミツウロコでんきは、ミツウロコグリーンエネルギー株式会社が運営する新電力サービスです。
ミツウロコグリーンエネルギー株式会社はエネルギーを総合的に取り扱うミツウロコグループの一員で、石炭や石油、LPガス、自然エネルギーなど幅広いジャンルでの実績があります。
また、バイオマス発電やソーラー発電など、国内5カ所にグリーンエネルギー発電所を所有している点も評価が高いです。
一般家庭への電力販売を開始する前にすでに事業向けでの販売実績があるので、信頼度はとても高いと言えるでしょう。
Looopでんき|運営期間12年の実績あり

Looopでんきは東日本大震災のボランティア活動をきっかけに誕生した電力会社です。
2022年にはオリコン顧客満足度調査「電力会社小売」ランキングで総合第1位、経済産業省が公表している「電力需要実績」(※1)においても独立系新電力各社(※2)の中で実績第1位を受賞しています。
上場はしていませんが、運営期間は12年と長期にわたる点においても信頼度が高い会社と言えるでしょう。
※1:電力調査統計|経済産業省資源エネルギー庁
※2:大手ガス/通信関連会社/電力会社などの子会社以外
楽天エナジー|誰もが知っている大手企業が運営

楽天エナジーは楽天グループが展開している新電力会社です。
運用期間は短めですが、誰もが知っている大手企業が運営しているという点で安心感があります。
2021年の新電力切り替え満足度調査で全5エリアで総合満足度第1位を受賞するなどの実績もあることから、楽天エナジーは信頼度が高い会社と言えるでしょう(※)。
【ガス割】ガスとセットで契約したい電力会社
ここでは、電気とガスのセット割がある電力会社を紹介します。
電気とガスをセットにすると、支払いを1本化できるので家計管理が楽になりますよ。
また、引っ越しなどで解約するときに手続きが1度で済む点もメリットです。
ただし、電気やガスの使用状況によってはセットにしたほうが割高になるケースがあります。
必ず事前にシミュレーションをし、自分の使用状況で電気代が安くなるかどうか確認しましょう。
ガスセット割 | セット割の魅力 | 割引内容 | ||
---|---|---|---|---|
1位 | ミツウロコでんき | 〇 | 4 | ガスセットで220円割引、インターネット回線セットで110円割引 |
ミツウロコでんき|ガス料金が毎月220円引き

ミツウロコでんきでは、ガスとのセットで月220円割引き、インターネット回線(ミツウロコ光)とのセットで月110円割引きが適用になります。
もちろん、でんき、ガス、インターネット回線をすべてセットにすることもできますよ。
ただし、ミツウロコ光は3年ごとの自動更新契約になるため、3年以内に解約した場合は解約金11,000円が発生する点に注意しましょう。
ミツウロコでんきでは電気を多く使うほど割引率がアップするので、使用量の多いファミリー世帯の方は検討してみてください。
【オール電化】で契約したいおすすめの電力会社
オール電化プラン | ||
---|---|---|
1位 | ミツウロコでんき | 〇 |
残念ながら、東北エリアではオール電化住宅向けの料金プランを提供している新電力会社はあまりありません。
この記事で紹介しているミツウロコでんきでは「とくとくナイト2」というオール電化住宅向けのプランがありますが、それほど安いわけでもないので、乗り換えても電気代の節約はあまり期待できません。
ミツウロコでんきのガスとのセット割引やポイント特典などが魅力的な場合は検討しても良いと思います。
ですが、そもそも電力自由化前から東北電力のオール電化住宅向けプラン(旧オール電化プラン)を契約している方は、電力会社を乗り換えると電気代が高くなる可能性があります。
旧オール電化プランより電気代が安くなるプランはほとんどないので、乗り換えはせずに節電方法を工夫したほうがよいでしょう。
【コラボ割】セットで契約するとお得なる電力会社
ここでは、セットで契約するとお得になるコラボ割を実施している電力会社を紹介します。
もし乗り換えで電気代がそれほど安くならなくても、コラボ先のサービスを多く利用する方であればお得に利用できるでしょう。
コラボ割 | コラボ割の魅力 | 割引内容 | ||
---|---|---|---|---|
1位 | HTBエナジー | 〇 | 5 | セゾンカード申込みで5000円バック、HIS旅行代金が3,000円引きなど |
2位 | おうちでんき | 〇 | 4 | スマホとセット契約で月110円引き(3年めから55円)1回線ごとに適用される |
HTBエナジー|回数制限なしの旅行代金割引きあり

HTBエナジーでは下記のような特典を利用できます。
- HIS旅行代金が3,000円引き(利用回数制限なし)
- セゾンカード申込みで5,000円キャッシュバック
- グルメ、ショッピング、レジャーなどで利用できるクーポン配布
- ネットスーパーでの買い物優待サービス
旅行代金が割引になる電力会社はほかにはありません。
利用回数の制限がないので、旅行好きの方にはかなり大きなメリットになるでしょう。
おうちでんき|ソフトバンク・Y!mobileを家族割で契約している方におすすめ

ソフトバンク・Y!mobileのスマホを使っている方なら「おうち割(でんきセット)」が適用されます。
でんきとスマホまたはインターネットの契約で通信費が永年割引(1回線ごとに2年間110円、3年目以降55円割引)になります。
10回線まで割引対象になるので、家族割を利用している方ほどお得に利用できますよ。
- 1年間で1,320円×回線数
- 2年間で2,640円×回線数
- 3年間で3,300円×回線数
上記のように、かなりの節約が期待できるので、ぜひ検討してみてください。
【ポイント】ポイントが貯まるお得な電力会社
新電力会社のなかにはポイントがたまる会社があります。
新電力会社を選ぶ際は電気代が実際に安くなるかどうかが重要なポイントではありますが、ポイント還元が良い新電力会社を選べばお得感があります。
ここでは、東北エリアでポイントをためられる新電力会社を紹介します。
ポイント制度 | 制度の魅力 | 制度内容 | ||
---|---|---|---|---|
1位 | 楽天エナジー | 〇 | 5 | 200円利用ごとに1P、楽天カード払いで更に100円1P |
2位 | ミツウロコでんき | 〇 | 5 | 2年間で最大5,000ポンタポイント |
3位 | おうちでんき | 〇 | 4 | アプリでゲーム感覚でポイントが貯まる。ポイントはPayPay交換可能 |
楽天エナジー|楽天カード支払いでポイントの2重取りが可能

楽天エナジーでは電気代の支払い200円(税抜)につき1ポイントがたまりますが、楽天カードで支払うと100円につき1ポイントがもらえます。
ポイントの2重取りができる点は楽天エナジーの強みなので、ポイ活している方は要チェックです。
さらに、楽天エナジーはたまったポイントを電気代に充当できる点も大きなメリットです。
楽天市場などのショッピングでたまったポイントも使えるので、まとめて充当すれば電気代の節約につながるでしょう。
ミツウロコでんき|2年間で最大5,000Pontaポイントもらえる

ミツウロコでんきでは、新規契約限定でPontaポイントがもらえます。
- 供給開始月から3カ月後に3,000Pontaポイントを付与
- 契約継続半年ごとに500Pontaポイントを付与
段階的にポイントが付与されるので少し複雑ですが、2年間で最大5,000Pontaポイントがもらえますよ。
対象は標準プランで、低圧電力やシングル応援プランなどは対象外になるので注意してください。
ファミリー世帯など電気使用量が多く、かつ長期契約を検討している方向けと言えるでしょう。
おうちでんき|ゲーム感覚でPayPayポイントがたまる

おうちでんきでは、スマホ向けの「エコ電気アプリ」を使えばPayPayポイントをためられます。
初回登録で100円相当のポイントがもらえるほか、節電チャレンジ成功でもポイントがもらえますよ。
ポイントがザクザクたまるというわけではありませんが、「エコ電気アプリ」は1ヵ月分の電気料金を予測できるので、普段から節電を心がけている方の助けになるでしょう。
【比較サイト】電力会社を比較できるサービス一覧
ここまで見てきたとおり、新電力会社はとても数が多く、料金プランもさまざまな種類があります。
基本的にこの記事で紹介しているランキングを参考にしてもらえばOKですが、「一度に複数の電力会社を比較したい」という方は下記の比較サイトを利用してみましょう。
それぞれのサイトの特徴を紹介します。
エネチェンジ

エネチェンジでは、郵便番号や世帯人数、在宅状況、現在契約している料金プランや電気の使用量などを入力するだけで、即座におすすめの電力会社と料金プランを比較できます。
さらに、こだわり条件として以下のような項目の検索も可能なので、自分の希望に合うプランを見つけやすいでしょう。
- 電力会社の実績
- 解約料・加入条件・特典の有無
- 発電手段の割合
- 支払い方法
- ポイント対応
また、エネチェンジでは電気代だけではなく、ガス代のシミュレーションもできます。
セット割引やキャンペーンなどの特典情報も比較できるのが嬉しいポイントです。
実際に電力会社を乗り換えた方の口コミや電気料金プラン比較体験談なども掲載されているので、気になる方はチェックしてみましょう。
価格.com

価格.comではエネチェンジ同様、ネット上で料金プランの比較シミュレーションができます。
セット割引やキャンペーンなどの特典情報も比較できます。
基本的な情報入力項目はエネチェンジとほぼ同じですが、価格.comでは最低契約期間の有無やオール電化向けプランなどの条件でも絞り込みが可能です。
オール電化住宅にお住いで深夜に電気給湯器を利用している方は深夜の電気使用量の割合を増やして試算する機能もあるので、より正確な電気代のシミュレーションができるでしょう。
電気チョイス

電気チョイスは申し込みフォームに必要情報を入力すると、電力会社の乗り換えに精通したスタッフが電話でおすすめの料金プランを提案してくれるサービスです。
見積もりや相談、乗り換えまでをサポートしてもらえます。
エネチェンジのようにその場ですぐに電力会社を比較できない点はネックですが、スタッフと直接電話で相談しながら乗り換え先を決めたい方には向いているでしょう。
これで失敗しない!新電力会社の選び方

ここでは、新電力会社の失敗しない選び方を紹介します。
電気代の安さは重要な判断基準ですが、それ以外にも注目してほしいポイントがあるのでぜひ参考にしてくださいね。
まずは現在の契約状況を把握しよう
新電力会社の料金プランは多種多様なので、ただやみくもに乗り換えるだけでは電気代が安くなるとは限りません。
現在の契約状況と新電力会社を比較し、確実に安くなる料金プランを選ぶ必要があります。
そのためにも、まずは現在の自分の契約状況をしっかり把握しておきましょう。
契約アンペア数を確認
契約アンペア数は、一度に使える電気の最大量を表しています。
検針票や電力会社のマイページなどで現在契約している容量を確認しましょう。
その際、実際に自分が使っている電気量よりも多いアンペア数で契約していないかチェックすることをおすすめします。
使用量に対しアンペア数が少ない場合はブレーカーが頻繁に落ちるので気が付きますが、多い場合は料金を多く支払っているだけなので気が付きにくいです。
一般的に、世帯人数によるアンペア数の目安は以下のようになります。
- 1人暮らし:20A~30A
- 2~3人家族:30A~50A
- 4人家族:50A~60A
ですが、オール電化の場合は4人家族でも60A以上が推奨されるなど、状況によって最適なアンペア数は異なります。
新電力会社に乗り換えた後に困らないよう、現在使用している家電から本当に必要なアンペア数を計算しておくとよいでしょう。
電気使用量を確認
電気使用量も検針票や電力会社のマイページなどで確認できます。
その際、可能であれば電気を使用した時間帯も合わせて確認しておきましょう。
どの時間帯に電力を多く使っているかがわかれば、新電力会社で料金プランを選ぶ際の参考にできます。
たとえば、日中の電気使用量が多い方はピークシフト型プラン、反対に夜間の電気使用量が多い方はオール電化プランを選ぶ、などです。
ぜひチェックしてみてください。
ライフスタイルに合った料金プランを選ぼう
新電力会社に乗り換えるうえで大切なのは、自分のライフスタイルに合った料金プランを選ぶことです。
このポイントを間違うと、せっかく新電力に乗り換えても電気が安くならない可能性があるので注意しましょう。
ここでは新電力会社が展開している各種プランの特徴を紹介するので、自分のライフスタイルに最も合ったプランはどれか探してみてください。
※下記で紹介している電気料金の計算式では、燃料費等調整額、再生可能エネルギー発電促進賦課金、その他の費用などは除外しています。
①一般的な料金プラン(従量電灯)
従量電灯プランは大手電力会社・新電力会社において最も一般的な料金プランです。
一般的に、「基本料金(または最低料金)+従量料金」の計算式で電気代が決まります。
基本料金(または最低料金)部分は毎月固定ですが、従量料金部分は2〜3段階に分かれていることが多く、電気の使用量によって料金が高くなります。
たとえば、おすすめ第4位のおうちでんきの料金設定は以下のとおりです(税込)。
- 第1段階料金(~120kWh):35.44円/1kWh
- 第2段階料金(121~280kWh):41.73円/1kWh
- 第3段階料金(281kWh~):45.45円/1kWh
このタイプのプランは、電気の使用量が比較的少ない方向けと言えるでしょう。
使用量が増えすぎると電気代が高くなるので注意してください。
②時間帯で料金が変動するプラン
昼間や夜間などの時間帯によって料金が変動する料金プランです。
このプランは、夜間に電気を多く使う方やオール電化住宅にお住いの方におすすめです。
エコキュート(夜間蓄熱方式機器)を使っている方であれば夜間の電気料金が安い時間帯にお湯を作ってためておけるので、さらに電気代の節約が期待できますよ。
ただ、残念ながら東北エリアでこのタイプのプランを導入している新電力会社はあまりありません。
新電力会社のオール電化プランに乗り換えることで電気代が高くなるケースもあるので、しっかりシミュレーションをしてから検討してください。
③一定量まで定額利用できるプラン
決められた電気量までは一定の料金で利用できるプランです。
電気の使用量が上限を超えた場合は追加料金が発生しますが、通常のプランよりも単価が安く設定されていることが多くあります。
そのため、電気の使用量が多いファミリー世帯におすすめです。
④基本料金が無料のプラン
一般的に電気代は「基本料金+従量料金」の計算式で決まると説明しましたが、毎月固定でかかる基本料金が無料で、使用量に応じた従量料金分のみ支払うプランもあります。
基本料金が無料なので一見かなり電気代を安くできそうですが、従量料金の単価が少し高めに設定されていることがあるので注意が必要です。
出張などで家を空ける期間が長い方や、普段から電気の使用量がかなり少ない1人暮らしの方などであれば電気代を安くできるかもしれません。
ただ、電気の使用量次第では従量電灯プランのほうが安くなる可能性もあるので、しっかりシミュレーションしてから検討しましょう。
⑤特典付きのプラン
ポイント還元やクーポン付与などの特典を受けられるプランです。
新電力会社は電気小売事業のほかに専門の事業を持っていることが多く、両方の事業を合わせてさまざまな特典を展開しています。
たとえば、HTBエナジーではかつて旅行会社HISのグループ会社だったのでHIS旅行代金が3,000円引きなどの特典が受けられます。
ただし、特典ありきで申し込むのではなく、電気代をしっかり比較したうえで選びましょう。
⑥セット割引があるプラン
新電力会社のなかには、電気とほかのサービスを同時に契約すれば割引が受けられるケースがあります。
セット割のおもな対象は以下のとおりです。
- ガス
- スマホ
- インターネット回線
これらのサービスは日常生活で欠かせないものなので、セット割引をうまく活用すれば家計の節約につながる可能性があります。
残念ながら東北エリアでガスとのセット割を展開している新電力会社は多くないので、スマホやインターネットとのセット割引が狙い目です。
⑦長期割引があるプラン
長期にわたり継続して契約した場合に、電気代の割引が受けられるプランです。
1年、2年など年単位の契約になることが多いので、長期的に安定した契約をしたい方向けのプランと言えるでしょう。
ただし、期間の縛りがあるプランは契約途中で解約すると解約料が発生するケースがあるので、契約条件に注意しましょう。
料金高騰リスクがある料金プランには注意しよう
新電力会社が提供しているプランのうち、注意してほしいのが「市場連動型プラン」です。
市場連動型プランでは、日本で唯一電力の売買ができる市場「日本卸電力取引所(JEPX)」が提示する価格に連動して電気の単価が決まります。
市場連動型プランは市場価格が安い時は大手電力会社よりも電気代が安くなる点が最大のメリットですが、市場価格が高くなった場合は電気代も高くなってしまいます。
つまり、昨今の世界情勢のように突発的な出来事があると、予期せず電気代が高騰する可能性があるのです。
そのため、市場連動型プランを検討する際は、事前にどんなリスクがあるのかをしっかり確認してください。
希望する支払い方法があるか確認しよう
新電力会社を選ぶ際には、希望する支払い方法があるかも確認しましょう。
主な支払い方法は以下のとおりです。
- 口座振替
- 銀行振込
- クレジットカード
- コンビニ支払い
なかにはクレジットカード決済にしか対応していない会社もあるので、事前の確認は必須です。
サポート体制が整っているか確認しよう
新電力会社への乗り換えが不安という方は、サポート体制が整っているかどうかも確認しておきましょう。
24時間365日対応のコールセンターを設置している会社だと、電気設備にトラブルがあった際でも安心です。
さらに、電気以外の生活のトラブルにも対応してくれる会社もあります。
たとえば、おうちでんきでは水漏れや配管のつまり、鍵の紛失、ガラスの破損などのトラブル時に応急処置をしてくれます。
無料で利用できることが多い点も大きなメリットです。
お得なキャンペーンがあるか確認しよう
新電力会社では新規契約時に利用できるさまざまなキャンペーンを用意しています。
たとえば、基本料金の割引き、ギフト券プレゼント、ポイント付与などです。
電力会社を乗り換えることはそれほど多くないと思うので、せっかくならお得なキャンペーンがある会社を利用したいですよね。
ただし、多くのキャンペーンは契約時のみの適用になるので、キャンペーンだけで電力会社を決めないようにしましょう。
これまでも説明してきたとおり、自分のライフスタイルに合った料金プランを選ぶことが大切です。
解約料が発生するか確認しよう
新電力会社によっては最低契約期間が定められている場合があります。
最低契約期間内や更新月以外に解約してしまうと解約料がかかることが多いので注意しましょう。
新電力会社に乗り換えた後に合わなければすぐに解約する可能性を考慮すれば、はじめから解約料がかからない電力会社を選ぶと安心ですよ。
ただし、解約料が設定されている会社の方が電気代自体が安いケースもあるので、自分の使い方に合わせて選ぶようにしましょう。
そもそも新電力や電力自由化とは?

ここでは、知っておきたい新電力・電力自由化の定義や仕組みについてわかりやすく解説します。
ぜひ参考にしてくださいね。
新電力とは?電力自由化との関係は?
新電力とは、「電力事業に新規参入した小売電気事業者」のことです。
一般的に、東京電力や東北電力など大手電力会社以外の事業者を指します。
電気事業は主に以下の3つの部門に分かれています。
- 電気をつくる「発電部門」
- つくった電気を送る「送配電部門」
- 消費者に電気を販売する「小売部門」
これらの部門のうち、2016年の電力自由化により「小売部門」が自由化され、これまで電気事業に携わっていなかった会社でも事業に参入できるようになりました。
たとえば、地域のガス会社や大手通信会社などでも自由に電力を販売できるようになったのです。
電力自由化の目的は、電気代の引き下げやサービスの多様化を生み出すことです。
事実、ライフスタイルに合わせたプランや、ガスなどとのセット割引きプランなど、さまざまな料金プランが誕生しています。
自分にぴったり合う電力会社や料金プランを選べば、お得に利用できること間違いなしです。
新電力の電気代が安い仕組みは?
新電力の電気代が安い仕組みとしては、以下の3つのポイントが挙げられます。
- 電気代を自由に設定できる
- 設備コストがあまりかからない
- 電力以外の事業で利益を出せている
ひとつずつ解説します。
1.電気代を自由に設定できる
大手電力会社が提供している電気代は「規制料金」といい、電気事業法に基づいて金額が設定されています。
「規制料金」を変更する際は、値上げ・値下げを問わず国への申請が必要です。
一方、新電力会社が提供している電気代は「自由料金」といい、国とのやりとりなしに自由に料金を設定できます。
たとえば、燃料調達費などのコストを安くできれば、すぐにでも電気代に反映して契約者に還元することが可能です。
そのため、大手電力会社よりも新電力会社の方が電気代を安く設定できる傾向にあります。
2.設備コストがあまりかからない
大手電力会社に比べ、設備コストがあまりかからない点も電気代を安くできる理由のひとつです。
大手電力会社は管轄エリアのすべての契約者が使用する電気を確保し安全に運用する必要があったため、大規模な設備が必要でした。
そして、設備を管理するために必要なコストは一部を契約者が負担していました。
一方、新電力会社はある程度供給ターゲットを絞って電力を供給できるので、大手電力会社ほど大がかりな設備を必要としません。
設備管理が少ない分、人件費もかからないので、さらに電気代を抑えられます。
「設備コストをかけてないなら電気の品質が悪いのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、電気をつくったり運ぶ事業者はこれまでと変わらないので品質に差はありません。
安心してくださいね。
3.電力以外の事業で利益を出せている
ほとんどの新電力会社は、電気の小売事業のほかに専門の事業を持っています。
たとえば、ガス事業や通信事業、旅行事業などです。
新電力会社はすでに専門事業で利益を出せているため、電力事業で無理に電気代を高くしてまで利益を追求する必要がありません。
さらに、多くの新電力会社では専門の事業と電力事業をセットで展開しています。
電気代とガス・インターネット回線・スマホ回線などを組み合わせたセット割引や、ポイント還元などの料金プランを見たことがある方も多いでしょう。
これらの付加価値の高い料金プランを設定することで、得られた利益を電気代に還元しています。
新電力会社に変えるメリット・デメリット

ここでは、新電力に乗り換えるとどのようなメリットがあるのかについて解説します。
デメリットについても正直に解説しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
メリット①電気代が安くなる
新電力会社に乗り換える最大のメリットは、電気代が安くなることです。
新電力会社は大手電力会社よりも基本料金や電力量料金単価が安く設定されていることが多いので、「節電に取り組んでいるのになかなか電気代が安くならない」と悩んでいる方は思い切って乗り換えるのがおすすめです。
ただし、新電力会社やプランによって料金体系は異なるので、しっかりシミュレーションしてから乗り換え先をきめましょう。
電気を使う量や使う時間帯に合う料金プランを選べば、より効率的に節約できますよ。
メリット②特典がある(セット割・ポイント還元・キャンペーンなど)
新電力会社の料金プランには特典つきのものが多くあります。
たとえば、ガスやインターネット回線との同時契約によるセット割、ポイント還元、キャッシュバックなどです。
電気代は毎月支払うものなので、電気代に応じてポイント還元が適用される会社を選べばさらにお得感があります。
ほかにも、新規契約時にキャンペーン特典を用意している会社もあります。
乗り換え先の新電力会社を選ぶ際は、電気代だけでなく特典内容も比べてみましょう。
メリット③ライフスタイルに合ったプランを選べる
契約者のライフスタイルに合わせてプランを選べる点も新電力会社の大きなメリットです。
例としては、以下のようなものがあります。
- 夜間に電気を多く使う家庭向けのオール電化プラン
- 昼間に電気を多く使う家庭向けのピークシフト型プラン
- 電気使用量が少ないと割安になる単身者向けプラン
- 電気使用量が多いと割安になるファミリー世帯向けプラン
自分のライフスタイルに最適なプランを選ぶことで、電気代をかなり抑えられるかもしれません。
電気を多く使う時間帯や目的、世帯人数などを考慮してプランを選んでみるとよいでしょう。
メリット④乗り換え手続きが簡単
「電力会社の乗り換えは手続きが面倒そう」と思う方もいるかもしれませんが、ほとんどの新電力会社では公式ホームページで手続きが完了します。
必要な情報を入力するだけですし、手元に検針票があれば5分ほどで手続きは終わり
普段忙しい方でも簡単に乗り換えができますよ。
この記事でも乗り換え方法を紹介しているので、参考にしてください。
メリット⑤環境に配慮した発電方法を選べる
環境に配慮した発電方法とは、再生可能エネルギー(太陽光・風力・水力・バイオマスなど)を利用した発電のことです。
化石燃料に比べて二酸化炭素の排出量が少ないので、地球温暖化はもちろん、エネルギー資源の枯渇などに対する解決策として期待されています。
これまでは発電方法で料金プランを選ぶことは難しかったのですが、新電力会社は積極的に再生可能エネルギーを用いたプランを展開しています。
毎日の生活の中で簡単に取り組める環境保全方法のひとつとしても、新電力会社への乗り換えを検討してみてください。
デメリット①解約料が発生する場合がある
多くのメリットがある新電力会社への乗り換えですが、もちろんデメリットもあります。
まず、一部の新電力会社や料金プランにおいて、解約料が設定されている点に注意してください。
この場合、指定された最低契約期間中に契約を終了すると解約料
最低契約期間は1年〜数年程度が多いようですが、解約料は千円未満から1万円以上までかなり幅があります。
解約料が発生する料金プランは割引率が高いケースが多いので一概にデメリットばかりではありませんが、途中で解約する可能性がある方は解約料が発生しない電力会社を選ぶと安心ですよ。
デメリット②事業撤退・倒産する場合がある
新電力会社は燃料調達費用の高騰などが理由で経営が悪化することがあります。
実際、2022年度には事業撤退や倒産、新規申し込み停止に追い込まれた会社がありました。
現在は新規申し込みを再開した会社も増えてきましたが、会社の信頼度や事業の安定性を考慮して決めることが大切です。
なお、契約している新電力会社が事業撤退・倒産した場合でも、突然電気が止まることはありません。
自動的に大手電力会社に切り替わるので安心してください。
ただし、切り替えにともなって電気代が上がる可能性があるので、契約が終了する通知が届いた場合はなるべく早めに次の電力会社へ乗り換えた方がよいでしょう。
デメリット③絶対に電気代が安くなるわけではない
新電力会社ではさまざまな種類の料金プランを展開しています。
電気の使用量や利用が多い時間帯、契約期間などによって料金プランの特徴は異なります。
自分の使い方に合っていないプランを選んでしまうと逆に電気代が高くなってしまう可能性もあるので、事前にしっかり確認しましょう。
また、市場相場に合わせて電気料金が変動する市場連動型プランにも注意が必要です。
相場が落ち着いているときは電気代が安くなりますが、燃料調達費用などが高騰すると電気代も高額になる可能性があります。
自分に合ったプランをしっかり見極めるようにしましょう。
デメリット④紙の検針票が有料の場合がある
新電力会社では紙の検針票の発行を有料対応にしている場合があります。
発行手数料はそれぞれ異なりますが、110円〜220円のケースが多いようです。
ですが、紙の検針票の代わりに公式ホームページのマイページなどで検針結果を確認できるので安心してください。
その場合、毎月の電気代はもちろん、現時点の利用状況や時間帯別の使用量なども確認できることが多いです。
利便性が高いサービスなので活用してみましょう。
デメリット⑤一部のアパート・マンションでは利用できない場合がある
一部のアパートやマンションでは新電力会社への乗り換えができない場合がある点にも注意が必要です。
たとえば、電力会社と居住者が直接契約していない場合は乗り換えができません。
アパートやマンションが建物全体で一括で電力会社と契約していたり、居住者の代わりに大家さんが電気代を支払っていたりするケースが挙げられます。
新電力会社への乗り換えを検討する前に、一度自分の住まいが対応可能かどうか確認してみましょう。
新電力会社への乗り換え方法

新電力会社への乗り換えは、今住んでいる家で乗り換える場合と引っ越し先で乗り換える場合で方法が異なります。
どちらのケースでも、申し込みから数週間程度で新電力を利用できるようになります。
下記の手順方法を確認し、時間に余裕を持って申し込みをしましょう。
今住んでいる家で乗り換える場合
今住んでいる家で新電力に乗り換える場合の方法は以下のとおりです。
- 検針票を用意する
- 新電力会社へ申し込む
- スマートメーターの設置(未設置の場合)
- 利用開始
ひとつずつ詳しく解説します。
1.検針票を用意する
新電力会社へ申し込みをする際、下記の情報が必要になります。
- 現在契約している電力会社名
- 現在契約している料金プラン
- お客様番号(契約番号)
- 供給地点番号(22桁の番号)
すべて検針票に記載されているので、手元に用意しておきましょう。
紙の検針票の代わりにウェブ照会サービスを利用している方は、電力会社の公式ホームページで確認ができます。
現在契約している電力会社に直接問い合わせて確認することもできますよ。
なお、現在契約中の電力会社の解約手続きは乗り換え先の新電力会社が行うので、利用者は手続き不要です。
2.新電力会社へ申し込む
電力会社の公式ホームページなどから切り替えの申し込みをしましょう。
支払い方法の申請も必要になるので、銀行口座やクレジットカードの情報を用意しておきましょう。
なお、現在契約中の電力会社の解約手続きは乗り換え先の新電力会社が行うので、利用者は手続き不要です。
3.スマートメーターの設置(未設置の場合)
スマートメーターとは、電気の使用量を自動計測する、通信機能を備えた電力メーターです。
新電力に乗り換える際は、スマートメーターを設置する必要があります。
乗り換え先の新電力会社へ申し込んだ後、現在契約中の電力会社から交換作業についての連絡があるので対応してください。
基本的に、スマートメーターの交換には費用はかかりません。
交換の際に15分程度の停電になる場合もあるので、電力会社に確認しておきましょう。
4.利用開始
新電力会社へ申し込み後、使用開始日が通知されます。
スマートメーターへの交換が必要な場合は2週間程度、交換が不要な場合は4日程度で乗り換えが完了します。
新電力の使用開始にあたって当日すべきことは特にないので、通常通りの生活で問題ありません。
引っ越し先で乗り換える場合
引っ越し先の家で新電力に乗り換える場合の方法は以下のとおりです。
- 現在契約している電力会社を解約する
- 検針票を用意する
- 新電力会社へ申し込む
- スマートメーターの設置(未設置の場合)
- 利用開始
引っ越し先の家で新電力に乗り換える場合、基本的な方法は「今住んでいる家で新電力に乗り換える場合」とほぼ同じです。
ですが、いくつか注意点があるので解説します。
1.現在契約している電力会社を解約する
今住んでいる家で新電力に乗り換える場合は新電力会社が解約手続きを代行してくれますが、引っ越しを伴う場合は自分で解約手続きをする必要があります。
引っ越しの2〜3週間前までには手続きをすませておきましょう。
2.新居の供給地点特定番号の調べ方
新電力会社に乗り換える際には「供給地点番号」が必要です。
新居の供給地点番号は下記の方法で調べられるので参考にしてください。
- ①新築の場合
-
引っ越し先が新築の場合、工事の段階で工務店やハウスメーカーが電気の契約を行います。
電線の引込み工事が完了すると供給地点特定番号が発行されるので、ある程度工事が進んだら工務店やハウスメーカーに問い合わせてみましょう。 - ①新築の場合
-
引っ越し先のエリアを管轄している大手の電力会社(東北電力など)に問い合わせれば新居の供給地点番号を調べてもらえます。
なお、新電力会社によっては引っ越し先の供給地点番号が分からなくても手続き可能というところもあるので、一度確認してみるとよいでしょう。
新電力についてよくある質問

ここでは、新電力についてよくある質問にお答えします。
電気代の計算方法は?
一般的に、電気代は以下の項目の合計になります。
- 1.基本料金
-
- 契約アンペア数に応じて毎月定額でかかる料金。
- 2.電力量料金
-
- 電気を使用した分だけかかる料金。「電力量料金単価×使用量」で算出。
- 「燃料費調整単価×使用量」で算出される燃料費調整額も含まれる。
- 3.再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課)
-
- 再生可能エネルギー普及のための負担金。「再エネ賦課金単価×使用量」で算出。
- 単価は全国共通。
このうち、燃料費調整単価と再エネ賦課単価はタイミングによって変動します。
そのため、この記事で電気代を検討する際は除外しています。
自分で電気代を計算するのはなかなか大変なので、新電力会社の公式ホームページでシミュレーション機能を利用してみるとよいでしょう。
燃料費調整額ってなに?
燃料費調整額とは、電気代に含まれる調整額のことです。
日本は火力発電への依存度が高い傾向にありますが、火力発電に使われる燃料の価格は常に変動しています。
そのため、燃料価格が高くなると燃料費調整額も高くなり、電気代も上がります。
燃料費調整額は「月々の燃料費調整単価×使用電力量」で計算されています。
ただし、燃料価格が急に高くなった場合、すぐに電気代に反映すると利用者の負担が大きくなってしまうので、2カ月後の電気代に反映させるという特徴があります。
再生可能エネルギー発電促進賦課金ってなに?
太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーで発電した電気は電力会社が一定価格で買い取っていますが、買い取りにかかる費用の一部は私たち電気契約者が負担しています。
この賦課金を「再生可能エネルギー発電促進賦課金」と言います。
単価は全国一律で、「再エネ賦課金単価×電気使用量」で計算されています。
毎月の電気代に上乗せされる形で支払っているのであまり実感はないかもしれませんが、この制度のおかげで再生可能エネルギーの普及と温室効果ガスの削減に貢献できています。
新電力にすると停電が増える?
新電力に乗り換えたからといって、停電が増えるということはありません。
実は、電力自由化によって利用者が選択自由になったのは電気の販売を担当している「小売電気事業者」(大手電力会社や新電力会社)だけです。
電気を作って送る役割である発電所や送電事業者はこれまでと変わりません。
そのため、新電力への乗り換えが理由で停電が増えることはないので安心してくださいね。
賃貸住宅でも新電力に乗り換えできる?
基本的に、賃貸住宅でも新電力会社に乗り換えができます。
ただし、賃貸住宅が高圧一括受電契約をしている場合は乗り換えができないことがあります。
また、賃貸住宅の管理人が電力会社と直接契約している場合も乗り換えできないケースが多いです。
まずは一度、管理会社に確認してみましょう。
新電力に乗り換える際に工事はある?初期費用はかかる?
新電力に乗り換える際、スマートメーターを未設置の場合は設置工事が必要です。
工事といってもメーターを交換するだけなので、大規模な工事ではありません。
基本的に工事費用は無料ですし、事務手数料のような初期費用を請求されることもほとんどありません。
新電力も料金の値上げはある?
新電力会社も大手電力会社のように電気代の値上げをすることがあります。
値上げをする主な理由としては、燃料調達費の高騰が挙げられます。
燃料費調整額は発電に必要な燃料の価格変動を電気代に反映させるためのもの。
燃料の調達コストが上がると、電気代も値上げされます。
2022年は世界情勢の変化により燃料が高騰し、燃料費調整額の上限を撤廃する電力会社が相次ぎました。
値上げに対する対応は電力会社によって異なるので、新電力に乗り換える前に確認してみましょう。
契約中に引っ越しをする場合はどうすればいい?
新電力会社との契約中に引っ越しをする場合は、引っ越しが決まった段階で一度電力会社に対応方法を確認するとよいでしょう。
引っ越し先でも継続利用する場合と、引っ越しに伴い解約する場合とで対応方法が異なる場合があるからです。
たとえば、おうちでんきの場合は以下のような対応になります。
継続利用の場合:引っ越し日の3日前までに連絡
解約する場合:引っ越し日の6日前までご連絡
手続きに必要なものも一緒に確認しておきましょう。
契約中の新電力が事業撤退・倒産したらどうなる?
万が一契約している新電力会社が事業撤退・倒産した場合は、各エリアの大手電力会社から電気が供給されます。
そのため、突然電気が止まるということはありません。
事実、過去に何社か新電力会社が事業撤退・倒産していますが、停電の発生はありませんでした。
この保障制度は電気最終保障供給約款に基づいています(最終保障供給)。
最終保障供給契約の有効期限は1年間なので、その間に新たに乗り換える電力会社を探しましょう。
もし契約満了までにほかの電力会社に乗り換えなかった場合でも、最終保障供給契約の更新が可能なので安心してくださいね。
東北エリアの電力会社を調べ続けて私が感じたこと
東北のような北国は冬場の電気代が高い傾向にありますが、近年は猛暑が続き、夏場の電気代も高くなっています。
普段から節電を心がけていても、燃料調達費の高騰もありなかなか節電の効果が出ていないのが現状ではないでしょうか。
新電力会社も電気代を値上げする可能性はありますが、コスト削減により基本料金を無料にしたり、ポイントやキャンペーンなどでお得に利用できるよう各社工夫しています。
この記事を参考にして、自分にぴったり合った電力会社を見つけてくださいね。