「電気代が安くなるなら乗り換えたいけど、市場連動型プランがどういうものかよくわからない」という人が多いのではないでしょうか。
この記事では、電気会社選びが初めての人でもわかりやすいように市場連動型プランについて徹底解説していきます。
そもそも市場連動型プランとはなにか、ほかのプランとの違いはなにか、わかりやすく説明します。
市場連動型プランのメリット・デメリットも紹介するので、この記事を読めば市場連動型プランがあなたに合うプランかどうかがわかりますよ。
市場連動型プランの特徴を活用して電気代を節約するアイディアについても触れているので、ぜひ参考にしてくださいね。
新電力会社のランキングが気になる方は以下記事もご覧ください。

市場連動型プランの電気会社一覧
まずは、一般家庭向けに市場連動型プランを提供している主な新電力会社を一覧にしてみました。
2024年1月12日現在、資源エネルギー庁の登録小売電気事業者一覧には728社が登録されていることを考慮すれば、市場連動型プランを採用している新電力会社はごく少数と言えます。
電力会社名 | プラン名 | 特徴 | 提供エリア | 解約金 |
---|---|---|---|---|
Looopでんき | スマートタイムONE | ・基本料金0円 ・スマホアプリで単価の変動がわかる(通知機能あり) | 沖縄県以外 | なし |
アストでんき | フリープラン | ・固定単価への切り替え可能 ・単価の上限価格設定あり | 沖縄県以外 | なし |
サニックスでんき | スポットバリュープラン | ・かけつけサービスあり(東京エリアのみ) | 沖縄県以外 | なし |
テラエナジーでんき | 市場連動プラン | ・応援する団体に寄付ができる | 東北、東京、中部、関西、 中国、四国、九州 | なし |
リミックスでんき | Styleプラス Styleプラスeco | ・基本料金0円 ・スマホアプリで単価の変動がわかる | 沖縄県以外 | なし |
市場連動型プランとは?ほかのプランと何が違う?

ここでは、市場連動型プランの特徴と、ほかのプランと何が違うのかを解説します。
市場連動型プラン|電力量料金の単価が変動する
市場連動型プランとは、日本卸電力取引所(JEPX)の市場価格に応じて、短時間(30分ごと)に電力量料金の単価が変わるプランです。
詳しくは後述しますが、JEPXは日本で唯一、電力を売り買いできる取引所です。
一般的に、市場連動型プランの電気代は以下の項目の合計で決まります。
【計算式】
電気代=基本料金+電力量料金(単価が変動)+再エネ賦課金
上記の項目のうち、市場価格に応じて単価が変わるのは「電力量料金」です。
電力量料金は電気の使用量に応じて支払うもので、「単価(円/kWh)×1ヶ月の電気使用量(kWh)」の計算式で求められます。
通常の従量電灯プランでは、電力量料金の単価は一定ですが、市場連動型プランでは市場価格に応じて変動>します。
そのため、使った電気の量が同じでも市場価格が安くなればその分電気代も安くなります。
反対に、市場価格が高騰していれば、電気をあまり使わなくても電気代が高騰する可能性もあります。
なお、「基本料金」は電気使用量に関係なく毎月固定で発生する料金で、市場価格の影響は受けません。
「再エネ賦課金」(正式名称:再生可能エネルギー発電促進賦課金)は再生可能エネルギー普及のために支払う料金ですが、単価は国が決めるため、こちらも市場価格の影響は受けません。
ほかの料金プランとの違いを知っておこう
実は、ほかの料金プランでも料金の一部がJEPXの市場価格に応じて変わるプランがあります。
ここでは、市場連動型プランとどのような点が違うのか解説します。
下記の2種類のプランと比べてみましょう。
従量電灯プラン|燃料費調整額の単価が変わる
現在もっとも契約者が多い一般的なプランが従量電灯プランです。
市場連動型プランと異なるのは主に以下の3点です。
従量電灯プランでは…
- 電力量料金の単価が固定されている
- 燃料費調整額の支払いが発生する
- 燃料費調整額の単価は月ごとに変わる
基本的に、従量電灯プランの電気代は下記の計算式で算出されています。
【計算式】
電気代=基本料金+電力量料金+再エネ賦課金±燃料費調整額(単価が変動)
まず、従量電灯プランでは電力量料金の単価は変動しません。
電力量料金は「単価(円/kWh)×1ヶ月の電気使用量(kWh)」で計算するので、電気を使用した量に応じて段階的に電気代が高くなっていきます。
一方、市場連動型プランでは単価が変わるので、たとえ電気の使用量が同じだとしても単価が安ければ電気代も安くなる点が大きな違いと言えるでしょう。
また、従量電灯プランでは「燃料費調整額」を徴収している点も異なります。
火力発電に用いられる化石燃料は日々市場価格が変動していますが、燃料の調達にかかる費用を料金プランに反映させるための項目が燃料費調整額です。
燃料費調整額は「単価(円/kWh)×1ヶ月の電気使用量(kWh)」で計算されます。
燃料調整額の単価は市場価格によって変わるため、プラスになるときもマイナスになるときもあります。
ただし、変動は月単位なので、30分単位で単価が変わることはありません。
ちなみに、市場連動型プランでは燃料の調達にかかる費用は市場価格に含まれていると言えるので、燃料調整費額を改めて徴収することは一般的にはありません。
独自燃調が徴収されるプラン|電源調達調整費の単価が変わる
独自燃調とは、市場価格が高騰した場合に電気会社が独自に徴収する費用です。
一部の電気会社のみが採用しているプランですが、市場連動型プランとは以下の3点が異なります。
独自燃調が徴収されるプランでは…
- 電力量料金の単価が固定されている
- 電源調達調整費の支払いが発生する
- 電源調達調整費の単価は月ごとに変わる
基本的に、独自燃調が設定されているプランの電気代は下記の計算式で算出されています。
【計算式】
電気代=基本料金+電力量料金+再エネ賦課金±電源調達調整費(単価が変動)
東京電力などの大手電気会社と異なり、電力自由化以降に誕生した新電力会社の多くは自社で発電所を所有していません。
そのため、電気の調達コストがかかります。
これまでは燃料費調整額を徴収して利益を確保してきましたが、昨今の市場価格の高騰により調達コストが増え、上限設定がある燃料費調整額ではカバーできなくなってきました。
そこで新たに設定されたのが電源調達調整費です。
電源調達調整費は「単価(円/kWh)×1ヶ月の電気使用量(kWh)」で計算されますが、変動は月単位なので、30分単位で単価が変わることはありません。
なお、独自燃調費用の名称は電気会社によってさまざまで、「電源調達調整費」のほか、「調達調整額」「市場価格調整額」「電力市場連動額」などと呼ばれることもあります。
自分が気になっているプランで独自燃調が徴収されるかどうかは約款で確認してみるとよいでしょう。
日本卸電力取引所(JEPX)とは?

ここでは、JEPXの役割や特徴を簡単に説明します。
どんな状況で市場価格が変わるのかも知っておくと、価格の高騰を予測する際に役立つかもしれません。
ぜひ参考にしてくださいね。
JEPXの役割は電気の売買の仲介
日本卸電力取引所(JEPX)とは、その名のとおり電気の売買ができる取引所です。
発電業者が作った電気をJEPXが仕入れ、JEPXが取引価格を決定、電気会社がJEPXから購入することで契約者のもとへ電気が届けられています。
JEPXは2003年、電力の小売販売自由化のために設立されました。
電力自由化をきっかけに多くの新電力会社が誕生しましたが、新電力会社の多くは自社で発電所を保有していません。
そのため、販売するための電気をJPEXから購入しているケースがほとんどです。
東京電力や関西電力などの大手電気会社でも一部の電気をJEPXから仕入れています。
なお、電気の取引価格は需要と供給のバランスで決まりますが、この取引価格のことを一般的に「市場価格」と呼んでいます。
JEPXの2つの特徴
JPEXが決める市場価格には2つの特徴があります。
- 30分ごとに価格が変わる
- エリアごとに価格が異なる
JPEXにはいくつか市場がありますが、メインの市場は「一日前市場(スポット市場)」です。
翌日に販売する電気の取引をおこなうための市場で、1日を30分単位に区切って48コマに分けて取引を実施しています。
そのため、市場連動型プランを採用している料金プランの場合、単価が30分ごとに変わるのです。
なぜ30分単位で区切るかというと、なるべく公平な取引を行うためと言えるでしょう。
詳しくは後述しますが、電気の需要と供給はさまざまな要因によって常に変動しています。
価格を固定してしまうと、特定の業者が損をしたり得をしたり…と偏った状況になる可能性があるためです。
また、市場価格はエリアごとに金額が異なるという特徴もあります。
JPEXの取引は、北海道エリア、東北エリア、関東エリア…など、全国を9エリアに分けて実施しています。
そのため、同じ時間に電気を使ったとしても、エリアが異なれば電気代も異なります。
ちなみに、JPEXの公式ホームページを見れば翌日の取引価格(システムプライス)を確認できますよ。
実際は、取引価格に各種費用などが加算された金額が市場連動型プランの単価になります。
公式ホームページに記載されている取引価格がそのまま市場連動型プランの単価になるわけではない点には注意してくださいね。
どんな理由で市場価格は変動するの?
市場価格は電気の需要と供給によって変動します。
需要と供給に影響を与える要因としては、おもに以下が挙げられます。
- 時間帯
- 季節
- 天気
- 自然災害
- 燃料の調達費用
- 発電所などの稼働状況
- 国のエネルギー施策
- 国際情勢
少し詳しく解説します。
- 時間帯
-
一般家庭では朝方・夕方では電気の使用量が多いので、需要が増え市場価格は高くなります。
一方、平日の日中や深夜では電気の需要が少ないため、価格は安くなります。
また、時間帯は電気の供給量にも影響しています。
晴天の日の日中は太陽光発電による電力供給量が多くなるため、市場価格が安くなるケースが多いです。 - 季節
-
夏・冬は春・秋に比べエアコンなどの稼働率が高いため、電気の需要が増え市場価格が高くなります。
とくに、猛暑日や寒波の日にその傾向が強いです。 - 天気
-
再生可能エネルギーによる発電量は天気の影響を強く受ける傾向にあります。
たとえば、風が弱い日は風力発電、曇りや雨の日は太陽光発電の発電量が減少するため、電気の供給量が減って市場価格が高くなります。 - 自然災害
-
地震や台風などで電気関連の設備が損傷することで電気の供給量が減ります。
たとえば、2019年には台風15号の影響で発電所や送電線への被害が生じ、一部地域で電力供給量が激減しました。
強風により太陽光パネル約200枚が破損したという事例もあります。 - 燃料の調達費用
-
火力発電など発電に使用される化石燃料(石油・液化天然ガスなど)の価格が市場価格にも大きく影響します。
日本は火力発電への依存度が高いため、化石燃料の価格が高騰すれば市場価格も高くなります。 - 国際情勢
-
燃料の調達費用とも関連しますが、国際情勢が市場価格に大きな影響を与えるケースがあります。
たとえば、2022年2月に発生したロシアによるウクライナ侵攻も燃料の調達費用が高騰する大きな要因になりました。 - 発電所などの稼働状況
-
発電所の設備メンテナンスや故障などで稼働しない場合、電気の供給量が減ってしまうので市場価格が上昇することがあります。
実際は、上記で説明した要因が単独で市場価格変動の理由になるというよりは、複数の要因が互いに影響し合い市場価格の変動を引き起こすケースが多いようです。
たとえば、2021年1月に電力がひっ迫した理由としてはおもに以下の要因が挙げられています。
- 強い寒波が日本を襲った→電力需要量が増えた
- 石炭火力発電所がトラブルにより停止した→電力供給量が減った
- 産出国のトラブルにより化石燃料の調達量が少なくなった→電力供給量が減った
- 冬季のため太陽光発電量が少なかった→電力供給量が減った
- 秋からの降水量が少なかったため水力発電量が少なかった→電力供給量が減った
2021年1月以前、一日前市場(スポット市場)の1日平均価格は最高価格が26.2円/kWhでしたが、2021年1月13日には過去最高の154.6円/kWhを記録しました。
要因が多岐にわたるほど、市場価格への影響が大きいと言えるでしょう。
市場連動型プランにすれば電気代は安くなる?Looopでんきの料金比較表を紹介

市場連動型プランはさまざまな要因によって単価が変動するため、「結局のところ市場連動型プラン乗り換えて電気代が安くなるのかどうかがよくわからない」という人が多いのではないでしょうか。
実際、市場連動型プランは事前に電気代を試算することが難しいです。
そこで、Looopでんきが公表している電気料金比較表(2023年1月〜9月)を紹介します。
ただし、電力量料金の単価は電気会社によって異なります。
必ずLooopでんきと同程度の金額になるというわけではないので、参考程度にしてください。
Looopでんきは基本料金や燃料調整費が0円で、実際に電気を使った分だけ支払う料金体系を採用しています。
下記のサイトではエリアごとにLooopでんきの「スマートタイムONEプラン」と大手電気会社の一般的な料金プランを比較できるので、自分のお住まいのエリアをチェックしてみてください。
参考までに、Looopでんき「スマートタイムONEプラン」と東京電力「スタンダード Sプラン」でどれくらいの差が出たのかを世帯別に計算してみました(2023年1月〜9月分)。
料金比較 | ||||
---|---|---|---|---|
1人世帯 | 2人世帯 | 3人世帯 | 4人世帯 | |
差額 | -6,987円 | -12,173円 | -18,601円 | -20,551円 |
月によってはLooopでんきのほうが割高になったこともありましたが、2023年1月〜9月をトータルで見ると、どの世帯においてもLooopでんきのほうが電気代が安かったことがわかりました。
ほかのエリアを見ても、大手電力会社よりLooopでんきのほうが電気代が安いエリアが多くありました。
市場連動型プランの場合、電気代は季節によって上下する傾向が強いので、節約につながるかどうかは年間を通して検討してみるとよいでしょう。
Looopでんき 公式サイト
Looopでんきが気になる方は以下記事を参考にしてください。

市場連動型と従量電灯プラン、結局どっちがおすすめなの?

市場連動型プランと従量電灯プランは結局どちらがおすすめなのか、気になっている方が多いと思います。
結論を言えば、各家庭における電気の使用状況やライフスタイルによって答えは異なります。
そこでここでは、従量電灯プランと比較したときの市場連動型プランのメリットとデメリットを紹介します。
市場連動型プランがおすすめな人の特徴も紹介するので、どちらのプランが自分に合っているか判断してみてくださいね。
市場連動型プランの3つのメリット
メリットとしては、以下のポイントが挙げられます。
- 市場価格が安くなれば電気代も安くなる
- 電気を使う時間帯を工夫するだけで節約につながる
- 節電への意識が高まる
ひとつずつ紹介します。
市場価格が安くなれば電気代も安くなる
繰り返しになりますが、市場連動型プランの最大の特徴は、JEPXの市場価格と連動していることです。
そのため、普段と変わらない生活をしていても、市場価格が安くなればそれだけで電気代も安くなるのが大きなメリットと言えます。
電気を使う時間帯を工夫するだけで節約につながる
市場価格は1日のなかでも変動するので、単価が安くなる平日の日中や深夜〜早朝の時間帯に電気を使うことを心がけるだけで節約につながるでしょう。
市場連動型プランは電気代が高いというイメージを持っている人もいると思いますが、2022年以降、東京電力などの大手電気会社を始め、多くの電気会社が値上げに踏み切っています。
従量電灯プランのように単価が固定されている場合、電気代を節約したければ「電気の使用量を減らす」以外の方法はありません。
ですが、市場連動型プランなら「電気の使用量を減らす」以外に「電気を使う時間帯を工夫する」ことでも節電につながります。
電気代が値上がりしている状況でも、自分の工夫次第で電気代を節約できる方法が複数あるのは大きなメリットと言えるでしょう。
節電への意識が高まる
市場連動型プランは自分の取り組み次第で電気代を安くできる可能性があるため、節電への意識が高まるのもメリットと言えます。
たとえば、テレビをBGM代わりにするのをやめた、早寝早起きを心がけるようになった、などです。
また、市場価格はさまざまな要因で変動するため、国際情勢や自然災害などのニュースにも関心を持つようになるでしょう。
市場連動型プランの4つのデメリット
次に、デメリットとしては以下のポイントが挙げられます。
- さまざまな要因で電気代が高くなる可能性がある
- ファミリー世帯で節約するなら家族の協力が必要
- 予想価格をこまめにチェックするのが手間
- 電気を使うことがストレスになることも
ひとつずつ見ていきましょう。
さまざまな要因で電気代が高くなる可能性がある
JPEXの市場価格次第で電気代が高騰する可能性があるのが一番のデメリットでしょう。
本来であれば電気代は固定費なのに、電気代が高騰してしまうと家計に大きなダメージを与える可能性があります。
また、市場連動型プランの場合は夏と冬に電気代が高くなる傾向にあるので、年間を通してなるべく同じくらいの金額におさめたい人にも向きません。
すでに紹介したとおりJPEXの市場価格はさまざまな要因に左右される傾向にあるので、将来の単価を予測しにくい点もデメリットと言えるでしょう。
ファミリー世帯で節約するなら家族の協力が必要
市場連動型プランで節約をするためには、電力量料金の単価が安い時間帯に電気を使うことが必要になります。
1人暮らしなど電気の使用時間をコントロールしやすい場合は節約につながると思いますが、世帯人数が多いファミリー世帯で節約する場合は家族の協力なしには実現できないでしょう。
とくに、生活リズムが違う家族がいる場合は要注意です。
予想価格を頻繁にチェックするのが手間
市場連動型プランを採用している電力会社の多くは、公式ホームページなどで翌日の単価の予想価格を公開しています。
だいたいは平日の日中や深夜〜早朝に単価が安く、朝方や夕方に単価が高い傾向がありますが、実際のところは確認してみないとわかりません。
毎日仕事や家事で忙しいという人にとっては、予想価格をこまめにチェックするのは負担になるかもしれません。
電気を使うことがストレスになることも
普段は節電のためのアクションができていても、ずっと続けられるという人は少ないのではないかと思います。
たとえば、疲れていて電気をつけっぱなしにして寝てしまった、突然予定が入って単価が高い時間帯に家事をするしかない、などのケースが考えられます。
夏場の熱中症対策にエアコンは必須ですが、節約が気になるあまり、快適な温度で使うことをためらってしまう人もいるかもしれません。
このように、電気を使うことがストレスになる可能性がある点もデメリットと言えるでしょう。
ずばり!市場連動型プランがおすすめなのはこんな人
では、市場連動型プランがおすすめなのは具体的にどのような人なのでしょうか。
以下に特徴を挙げてみました。
- できる限り電気代を安くしたい人
- 節電意識が高い人
- 電気を使う時間帯を柔軟にコントロールできる人
- 節電に関して家族の協力を得られる人
- 深夜~早朝に電気を使うことが多い夜型の人
- 節電アクションがストレスにならない人
反対に、以下の特徴がある方は従量電灯プランのほうが合うでしょう。
- 電気を使う時間をコントロールするのが難しい人
- 単価が急に高騰するリスクを避けたい人
- 家族に節電の協力を頼むのは難しそうな人
- 季節ごとに電気代が上下するのをなるべく避けたい人
どちらのプランにも一長一短があるので、自分に合うほうを選ぶようにしましょう。
市場連動型プランに乗り換えるときはタイミングも重視しよう
Looopでんきの電気料金比較表では、多くのエリアにおいてLooopでんきのほうが電気代が安くなっていることがわかりました。
ですが、すでに説明したとおり、市場連動型プランではさまざまな要因で単価が変動します。
東京電力などの大手電気会社も値上げを実施してきましたが、市場連動型プランの場合は単価高騰の影響が顕著に出るため、注意が必要です。
とくに、昨今の化石燃料の高騰の引き金になったロシアのウクライナ侵攻などは、いつ収束するか見通しがたちません。
市場連動型プランは市場価格が安いときは電気代も安くなるのが魅力のプランです。
そのため、「電気の市場価格が高騰する心配があるうちは従量電灯プラン、市場価格が落ち着いて来たら市場連動型プラン」という方法もありですよ。
電気会社に乗り換えるタイミングも考慮して、自分に合うプランを選んでみてくださいね。
市場連動型プランで電気代を節約するアイディアを紹介

最後に、市場連動型プランで電気代を節約するときに試してほしいアイディアを紹介します。
市場連動型プランで節約するときは、以下の2点を意識してみましょう。
- 電気を使用する時間帯を工夫する
- 電気の使用量自体を減らす
それぞれの節電アイディアを紹介するので、市場連動型プランの利用を検討している方はぜひ試してみてくださいね。
電気を使用する時間帯を工夫する
電力量料金の単価が安い時間帯に電気を集中して使うことで節電につながります。
一般的に単価は朝方と夕方に高く、日中や深夜〜早朝では安くなる傾向にあります。
単価が安い時間帯に電気を使えるよう、下記のアイディアを試してみましょう。
- 家電のタイマー機能をフル活用する
- 単価の安い時間帯にバッテリー充電する
- 電力量料金の単価が高い時間帯は外出する
「これならできそう!」と思えることから試してみてください。
家電のタイマー機能をフル活用する
電力量料金の単価が安い時間帯に稼働できるように、家電のタイマー機能を活用しましょう。
日中に家事をこなせる人はタイマー機能を使う機会は少ないかもしれませんが、仕事などで日中に家事をする余裕がない人はぜひ活用してみてください。
タイマー機能がある家電の例は以下のとおりです。
- 洗い物系
-
- 洗濯機
- 乾燥機
- 食器洗い機 など
- 調理系
-
- 炊飯器
- 電気調理器
- ホームベーカリー
- コーヒーメーカー など
たとえば、洗濯機のタイマーを使えば夜間〜早朝の単価が安い時間帯に洗い、朝起きてから洗濯物を干せます。
調理系の家電も同様です。
自分のライフスタイルに合うように時間を設定してみましょう。
単価の安い時間帯にバッテリー充電する
家電を使う時間をコントロールするのがなかなか難しいという人でも取り組みやすい方法でしょう。
夜寝る前に充電を始めて朝起きてから解除するなど、単価の安い時間帯を活用してください。
バッテリー充電式の家電の例は以下のとおりです。
- スマートフォン・携帯電話
- 携帯型充電器
- ノートパソコン
- タブレット
- デジタルカメラ・ビデオカメラ
- ワイヤレスイヤホン・ヘッドホン
- コードレス掃除機
電力量料金の単価が高い時間帯は外出する
単価が高い時間帯は外出するのもひとつの方法です。
夕方は単価が高くなりがちなのでスーパーで買い出しをして帰宅時間をずらしたり、散歩やウォーキングなどをするのもよいでしょう。
電気の使用量自体を減らす
次に、電気の使用量を減らすことに取り組んでみましょう。
電力消費量が多い家電や、毎日使う家電から取り組むのがコツです。
ここでは、一般家庭の電力消費量の5割程度を占めると言われているエアコンと冷蔵庫の節電方法を紹介します。
- エアコン
-
- 夏は室温28度、冬は室温20度に設定する。ただし自分の体調に合わせて調整する。
- 扇風機やサーキュレーターと併用する
- 夏はすだれやレースカーテン、冬は厚手のカーテンを使う
- 部屋の隙間風対策をする
- 室外機の前に物を置かない
- エアコンフィルターを掃除する(月に1~2回)
- 冷蔵庫
-
- 壁から離して設置する(5〜10cmほど)
- 冷蔵室に食品を詰め込み過ぎない
- 熱いものは冷ましてから保存する
- 設定温度を秋~春は「中」か「弱」にする
- 開け閉めの回数を減らす
- 開放時間を短くする
- カーテンをつけて冷気を外に逃がさない
掃除機ではなくほうきとちりとりを使うなど、電気を使わなくてもできる家事を取り入れてみるのもよいでしょう。
世帯人数が多い場合は、なるべく家族全員が同じ部屋で過ごして共有する家電を増やすだけでも節約につながりますよ。
自分のライフスタイルの中で、無理のないところから始めてみてください。
電気プランは自分のライフスタイルに合わせて選択するのが鉄則
今回は、市場連動型プランについて紹介しました。
市場連動型プランの特徴をはじめ、メリット・デメリットを紹介したので、自分に合うプランかどうかが判断できたかと思います。
昨今は電気代が高くなっている家庭が多いので、今より安くなる電力会社があるなら積極的に検討してみることをおすすめします。
ただし、自分のライフスタイルに合わない料金プランを選んでしまうと逆に電気代が高くなってしまうこともあるので、事前の検討はしっかり行いましょう。
市場連動型プランは国際情勢などによっても単価が変動するので、乗り換えるタイミングも注意してみてくださいね。