2022年以降、電気代の値上げが相次いでいます。
なかでも、市場連動型プランを採用しているLooopでんきの値上げは最悪なのでは?というウワサを聞いたので、徹底的に調べてみました。
この記事ではLooopでんき・大手電力会社の値上げ状況や、値上げ後の電気代の比較など、気になるポイントをまとめています。
Looopでんき唯一のプランである「スマートタイムONE」の特徴や節電アイディアについても紹介しているので、電気代を節約したいという方はチェックしてみてください。
※この記事で紹介している電気料金は基本料金と電力量料金で比較検討しています(燃料費調整額および再生可能エネルギー発電促進賦課金をのぞく)。
燃料費調整額の上限が設定されていない場合は、燃料価格の市場状況によっては電気料金が高騰する可能性がある点に注意してください。
総合ランキングを知りたい!という方は以下の記事がおすすめです。

Looopでんきの値上げの推移を調べてみた

まずは、これまでLooopでんきで行われた料金の改定を調べてみました。
世界的な燃料価格の高騰を受け、Looopでんきでは2022年の間に4度にわたる料金体系の見直しが行われました。
時期 | 内容 |
---|---|
2022年6月、8月 | 旧料金プランの値上げ |
2022年9月 | 燃料費調整単価の算定方法を変更 |
2022年12月 | 市場連動型プラン「スマートタイムONE」を導入 |
参考:今後の電力サービス方針ならびに約款改定に関するお知らせ|Looopでんき
旧料金プランの値上げ
現在は廃止されている料金プランですが、全国規模で電力量料金(1kWhあたりの料金単価)の値上げが実施されました。
プランやエリアによって値上げ幅は異なりますが、もっともスタンダードな料金プランの「おうちプラン」では5.6%〜19.7%の値上げとなりました。
19.7%がどれくらいの値上げ幅になったのかを試算したところ、4人家族では年間で2万円以上も負担が増えるという結果になりました(電力量料金のみ計算)。
- 1人暮らし(30A、150kWh):630円/月、7,560円/年
- 2人家族(40A、250kW):1,050円/月、12,600円/年
- 4人家族(50A、450kWh):1,890円/月、22,680円/年
参考:「Looopでんき」料金改定のお知らせ
「Looopでんき」料金改定のお知らせ 動力プラン・スマートタイムプラン
Looopでんきの値上げ・料金改定情報まとめ
燃料費調整単価の算定方法を変更
燃料費調整単価は変更前まで燃料価格をベースに算出していましたが、変更後は日本卸電力取引所(JEPX)の取引価格をベースに算定されるようになりました。
変更前後で10円近く単価が上がったエリアもあったため、旧料金プランの値上げと合わせて大幅な値上がりを実感した家庭も多かったのではないでしょうか。
市場連動型プラン「スマートタイムONE」プランを導入
2022年12月に新たに「スマートタイムONE」プランが導入され、ほかの料金プランは廃止となりました。
「スマートタイムONE」プランでは日本卸電力取引所(JEPX)で決められた取引価格に応じて電力量単価が変動します。
取引価格は30分ごとに変動するため、単価が安い時間帯を狙って電気を使えば電気代を抑えることが可能です(ピークシフト)。
ですが、単価が高い時間帯に電気を使わざるを得ない家庭では、電気代が大幅に高騰する大きな要因になります。
世界的に燃料価格が高騰するなかでも工夫次第で電気代を安く抑えられるようにと導入されたプランですが、それまで電気を使う時間帯をあまり意識してこなかった家庭では適応しづらい料金プランだったと思われます。
そのため、電気代の値上げにつながった家庭が多かったのではないでしょうか。
Looopでんきだけじゃない!他社も値上げ・燃料費調整額の上限を撤廃している

ここまでの経緯だけを見ると「Looopでんきの値上げはやっぱり最悪!」と思われるかもしれませんが、各エリアの旧一般電気事業者(東京電力や関西電力など)や新電力会社も同様に値上げを実施しています。
実は、値上げの可能性自体はどの料金プランにも、どの電力会社にもあります。
ここでは、料金プラン別の値上げの仕組みと、全国規模の影響を与えることになった旧一般電気事業者の値上げ状況について説明します。
参考:経済産業省 電気料金の改定について(2023年6月実施)
料金プラン別の値上げの仕組みを知っておこう
「Looopでんきは市場連動型プランを採用しているから値上げのリスクが大きい」と思われるかもしれませんが、実は値上げの可能性自体はどの料金プランでもあります。
電力自由化以降、一般家庭が契約できる料金プランは以下のいずれかです。
- 旧一般電気事業者が提供する従来型の「規制料金プラン」
- 旧一般電気事業者が提供する「自由料金プラン」
- 新電力会社が提供する「自由料金プラン」
料金プラン別の特徴と値上げの仕組みについて解説するので、自分が契約しているプランをチェックしてみてください。
規制料金プラン
電力自由化前からある、もっとも一般的な料金プランです。
東京電力などの大手電力会社の「従量電灯プラン」などが該当します。
基本料金や電力量料金は、電力会社が決めた単価で固定されています。
単価を変更する場合は値上げ・値下げに関わらず国への申請・許可が必要なので、突然電気代が高騰することはありません。
燃料価格の変動を電気代に反映させるため燃料費調整額が徴収されていますが、規制料金プランでは上限の設定があります。
そのため、燃料価格が高騰していても影響が限定的な点が大きなメリットです。
【計算式】
電気代=基本料金+電力量料金+再エネ賦課金±燃料費調整額(上限設定あり)
自由料金プラン
電力自由化にともなって誕生した料金プランです。
大手電力会社の規制料金以外のプランや、新電力会社のプランが該当します。
基本料金や電力量料金の単価は電力会社が決めた単価で固定されていますが、自由料金プランではこれらの料金を国の許可なしに自由に変更できます。
そのため、市場の燃料価格が安くなれば、規制料金プランよりも電気代を安く抑えることが可能です。
ですが、燃料費調整額の上限設定がないケースが多いので、燃料価格の高騰に合わせて電気代も高騰する可能性があります。
そのため、本来は規制料金プランより安価になるはずの自由料金プランのほうが電気代が高くなる、ということが起こりえます。
電気代=基本料金+電力量料金+再エネ賦課金±燃料費調整額(上限設定なし)
市場連動型プラン
市場連動型のプランでは基本料金は電力会社が決めた単価で固定されていますが、電力量料金の単価が日本卸電力取引所(JEPX)の取引価格と連動します。
取引価格が30分ごとに変動するのに合わせ、電力量料金単価も30分ごとに変わります。
取引価格は電力の需要と供給のバランスによって決まるため、単価が安い時間帯に電気を使えばそれだけで節約につながります。
ですが反対に、世界情勢が不安定で燃料価格が高騰している状況では予想以上の値上がりになるリスクもあります。
【計算式】
電気代=基本料金+電力量料金+再エネ賦課金
旧一般電気事業者の値上げ状況も調べてみた
旧一般電気事業者の料金プランには、規制料金プランと自由料金プランの2つがあります。
どちらのプランも燃料価格の高騰を電気代に反映させるために燃料費調整額を導入しています。
規制料金プランの燃料費調整額は上限が設定されており増額が難しいので、2023年6月から基本料金や電力量料金部分の値上げが実施されました。
その後も値上げが行われ、2023年10月の電気代は平均的な使用量の家庭で下記の表のようになりました(カッコ内は前月比)。
一方、自由料金プランでは燃料費調整額の上限撤廃がおこなわれ、旧一般電気事業者が独自に電気料金を上乗せ請求できるようになっています。
このように、社会全体で燃料価格の高騰が続いている間は、どの電力会社・どの料金プランを選んでも値上げを避けられない状況にあります。
旧一般電気事業者 | 規制料金 2023年10月(前月比) | 自由料金 燃料費調整額の上限 |
---|---|---|
北海道電力 | 8,373円(+674円) | 撤廃 |
東北電力 | 7,641円(+741円) | 撤廃 |
東京電力EP | 7,573円(+777円) | 撤廃 |
中部電力 | 7,181円(+782円) | 撤廃 |
北陸電力 | 6,763円(+642円) | 撤廃 |
関西電力 | 6,146円(+910円) | 撤廃 |
中国電力 | 7,434円(+684円) | 撤廃 |
四国電力 | 7,425円(+748円) | 撤廃 |
九州電力 | 6,126円(+875円) | 撤廃 |
沖縄電力 | 8,204円(+1,024円) | 撤廃 |
※参考:10月の電気代、全社が642〜1024円値上げ 政府補助縮小|日本経済新聞
Looopでんきvs旧一般電気事業者!トータルではLooopでんきが安かった

Looopでんきもほかの電力会社も値上げが続いていることがわかりましたが、「結局どこの電力会社が安いのか?」が気になりますよね。
市場連動型プランは試算が難しいので、ここではLooopでんきが公表している直近の電気料金比較表をベースに比較してみました(2023年1月~8月)。
下記は、Looopでんき「スマートタイムONE」プランを基準に、旧一般電気事業者との差額をまとめた一覧表です。
1月~3月など冬季の間はLooopでんきのほうが割高なエリアもありましたが、1月~8月をトータルで見ると、どのエリアのどの世帯でもLooopでんきのほうが電気代が安かったことがわかりました。
8ヶ月間で4万円近く差がついたエリアがあったのは驚きです。
この表を見てわかるように、市場連動型プランを採用しているからといってLooopでんきが常に割高なわけではありません。
電力会社選びに悩んでいる方は、年間の電気代で判断してみるとよいでしょう。
利用月 | 北海道電力 | 東北電力 | 北陸電力 | 東京電力 | 中部電力 | 関西電力 | 中国電力 | 四国電力 | 九州電力 | 沖縄電力 | ||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1人世帯 | 2人世帯 | 4人世帯 | 1人世帯 | 2人世帯 | 4人世帯 | 1人世帯 | 2人世帯 | 4人世帯 | 1人世帯 | 2人世帯 | 4人世帯 | 1人世帯 | 2人世帯 | 4人世帯 | 1人世帯 | 2人世帯 | 4人世帯 | 1人世帯 | 2人世帯 | 4人世帯 | 1人世帯 | 2人世帯 | 4人世帯 | 1人世帯 | 2人世帯 | 4人世帯 | 1人世帯 | 2人世帯 | 4人世帯 | |
2023年1月 | -2,473円 | -100円 | -687円 | 8円 | 638円 | 198円 | 1,293円 | 2,549円 | 3,187円 | -203円 | -663円 | -1,493円 | 4円 | 137円 | -247円 | 1,037円 | 942円 | 796円 | -155円 | -1,277円 | -2,155円 | 2,856円 | 4,774円 | 6,436円 | 964円 | 1,904円 | 2,132円 | 1,491円 | 2,582円 | 3,372円 |
2023年2月 | -3,847円 | -1,389円 | -2,414円 | -1,124円 | -1,170円 | -2,077円 | -5円 | 98円 | -212円 | -1,013円 | -1,840円 | -3,008円 | -902円 | -1,250円 | -2,124円 | -140円 | -990円 | -1,649円 | -989円 | -2,541円 | -3,789円 | 1,486円 | 2,198円 | 2,846円 | -135円 | -45円 | –410 | 637円 | 988円 | 1,115円 |
2023年3月 | -4,906円 | -3,145円 | -4,880円 | -2,057円 | -3,090円 | -4,259円 | -1,040円 | -1,857円 | -2,093円 | -1,423円 | -2,497円 | -3,786円 | -1,430円 | -2,205円 | -3,300円 | -975円 | -2,046円 | -3,149円 | -1,469円 | -3,210円 | -4,649円 | 387円 | 209円 | -43円 | -831円 | -1,386円 | -2,141円 | 5円 | -392円 | -439円 |
2023年4月 | -5,104円 | -2,994円 | -4,095円 | -1,779円 | -2,522円 | -3,417円 | -1,878円 | -3,485円 | -5,249円 | -1,250円 | -2,081円 | -3,032円 | -1,384円 | -2,055円 | -3,014円 | -1,374円 | -2,162円 | -3,026円 | -1,182円 | -2,808円 | -4,077円 | 52円 | -398円 | -824円 | -1,069円 | -1,696円 | -2,441円 | -2,130円 | -4,167円 | -4,891円 |
2023年5月 | -4,974円 | -2,866円 | -2,938円 | -1,460円 | -1,865円 | -2,523円 | -1,695円 | -3,067円 | -4,724円 | -961円 | -1,516円 | -2,288円 | -1,382円 | -1,997円 | -2,908円 | -1,430円 | -2,064円 | -2,821円 | -1,008円 | -2,513円 | -3,558円 | -1,004円 | -2,110円 | -3,330円 | -1,122円 | -1,752円 | -2,525円 | -2,403円 | -4,835円 | -5,199円 |
2023年6月 | -7,983円 | -6,040円 | -6,050円 | -1,515円 | -1,839円 | -2,462円 | -1,689円 | -3,161円 | -4,886円 | -909円 | -1,453円 | -2,195円 | -1,198円 | -1,678円 | -2,468円 | -1,534円 | -2,336円 | -3,237円 | -1,161円 | -2,579円 | -3,536円 | -2,766円 | -4,876円 | -7,312円 | -1,256円 | -2,029円 | -2,935円 | -2,934円 | -5,515円 | -6,118円 |
2023年7月 | -6,185円 | -2,715円 | -3,987円 | -1,382円 | -1,592円 | -2,100円 | -1,700円 | -2,885円 | -4,372円 | -844円 | -1,509円 | -1,658円 | -805円 | -1,021円 | -1,879円 | -1,163円 | -2,481円 | -3,790円 | -1,294円 | -2,830円 | -4,109円 | -1,550円 | -2,686円 | -4,268円 | -1,090円 | -1,704円 | -2,711円 | -2,819円 | -5,386円 | -6,383円 |
2023年8月 | -5,016円 | -2,261円 | -3,655円 | -903円 | -676円 | -1,228円 | -1,294円 | -2,120円 | -3,306円 | -489円 | -975円 | -1,959円 | -308円 | -280円 | -880円 | -438円 | -1,353円 | -2,270円 | -802円 | -2,024円 | -3,040円 | -1,271円 | -2,299円 | -3,640円 | -551円 | -798円 | -1,441円 | -1,806円 | -3,017円 | -3,856円 |
差額合計 | -40,488円 | -21,510円 | -28,706円 | -10,212円 | -12,116円 | -17,868円 | -8,008円 | -13,928円 | -21,655円 | -7,092円 | -12,534円 | -19,419円 | -7,405円 | -10,349円 | -16,820円 | -6,017円 | -12,490円 | -19,146円 | -8,060円 | -19,782円 | -28,913円 | -1,810円 | -5,188円 | -10,135円 | -5,090円 | -7,506円 | -12,062円 | -9,959円 | -19,742円 | -22,399円 |
※参考:電気料金比較表|Looopでんき公式サイト
※北海道電力(エネとくMプラン)、東北電力(よりそう+ファミリーバリュー)、東京電力(スタンダードS)、北陸電力(従量電灯NEXT)、中部電力(ポイントプラン+おとくプラン)、関西電力(e おとくプラン)、中国電力(スマートコース)、四国電力(おトクeプラン)、九州電力(スマートファミリープラン)、沖縄電力(グッドバリュープラン)と比較。
※基本料金と電力量料金のみで比較。燃料費調整額および再生可能エネルギー発電促進賦課金はのぞく。
スマートタイムONEプランの特徴を知っておこう

Looopでんきは他社よりも電気代を節約できる可能性があることがわかりましたが、ここで「スマートタイムONE」プランの重要ポイントを整理しておきましょう。
メリットだけではなくデメリットについてもしっかり把握しておけば、本当に自分に合うプランなのかどうかがわかりますよ。
メリット①市場価格が安くなれば電気代も安くなる!最安値は0.01円/kWh?
市場連動型プランの最大の特徴は、電気代の単価が日本卸電力取引所(JEPX)の取引価格と連動していることです。
そのため、市場の取引価格が安くなればそれだけで電気代も安くなるのが大きなメリットです。
公式ホームページによれば、電源料金の最安値は0.01円/kWh。
looopでんきの1kWhあたりの電気料金は以下のように計算します。
電源料金+固定従量料金=1kWhあたり電気料金
もし電源料金が0.01円の場合
0.01円+15.28円※=15.29円/kWh
となります。
※東京電力管内(2024年2月時点)
東京電力エナジーパートナーの電力量料金は1kWhあたり30円〜40.69円(※)なので、Looopでんきの安さを実感できるでしょう。
また市場の取引価格は電気の需要と供給のバランスによって決まります。
一般的に、取引価格は電力需要の多い朝や夕方に高くなり、需要が少ない日中や深夜では安くなるケースが多いです。
Looopでんきは太陽光発電に力を入れているので、太陽光発電量が最も多い日中は料金単価が安くなる傾向にあります。
年間を通して考えれば春や秋も電力需要が落ち着くので、比較的割安価格で電気を使えるでしょう。
※規制料金プラン、自由料金プラン(スタンダードS)
メリット②自分の工夫次第で電気代を安くできる
「スマートタイムONE」プランの燃料取引価格は30分ごとに更新され電気代に反映されるので、取引価格が安い時間帯に電気を使えばそれだけで節約につながります(ピークシフト)。
一般的な電気代の節約方法としては省エネ家電への切り替えや待機電力の減少などがありますが、少し手間に感じてしまう方もいるかもしれません。
Looopでんきなら電気を使う時間帯を工夫するだけでいいので、節電方法として取り組みやすいでしょう。
仮に今後も電気代の高騰が続いたとしても、自分の工夫次第で電気代を安く抑えられる可能性があるのはLooopでんきの大きな強みと言えます。
メリット③スマホアプリが優秀!電気単価の確認や予測機能も
Looopでんきではスマホアプリを利用できますが、機能がとても優秀です。
まず、30分ごとに変動する電力量料金の単価を簡単に確認できます。
忙しくてそんなに頻繁に単価をチェックできないという方は、「でんき予報」機能が便利です。
翌日までの電力量料金単価の予想を確認できるので、電気の使用計画に活用できますよ。
翌日の単価が更新されたタイミングと、「でんき予報」が変化する時間の30分前にリマインドが届くよう設定もできます。
電気を賢く使うためのアドバイスも受けられるので、市場連動型プランの利用が初めてという方も安心ですね。
利用明細の確認や、当月の電気代予測表示など電気代を把握できるサポートもあるので、上手く活用すれば使い過ぎも防げるでしょう。
メリット④電気・ガスセット割がある
関東エリア限定ですが、Looopでんきではガスとのセットプランを利用できます。
セットにすると電力量料金単価が1円引きになるので、さらなる節約が期待できます。
ただし、電気・ガスセットを利用できるエリアは、東京電力と東京ガス(都市ガス)の供給エリアのみである点には注意しましょう。
メリット⑤基本料金0円、手数料や解約金もなし
Looopでんきの「スマートタイムONE」では基本料金がかかりません。
基本料金は電気を使わなくても毎月固定で支払う必要があるので、年単位で考えるとかなりの金額になります。
一般的な規制料金プランでは基本料金は契約アンペア数が大きくなるほど高額になるので、電気使用量が多い世帯ほど基本料金0円の恩恵を受けられるでしょう。
また、Looopでんきは契約手数料や解約金が発生しない点も大きなメリットです。
もちろんLooopでんきの契約期間の制限もありません。
「Looopでんきに乗り換えたけどやっぱり市場連動型プランは合わなかった」という場合でも、安心して解約できますよ。
参考:Looopでんき よくあるご質問
デメリット①月ごとの電気代の差が大きい
市場連動型プランにはもちろんデメリットもあります。
そのひとつは、月ごとの電気代の差が大きいことです。
市場連動型プランは電気の需要と供給によって単価が決まるため、電気の使用量が多い夏と冬では電気代が高く、春と秋では安くなる傾向にあります。
規制料金プランでも月によって電気代は変動しますが、Looopでんきはそれ以上の変動幅なので、初めて利用する方は驚くかもしれません。
そのため、なるべく毎月決まった金額の電気代を支払いたいという方には向かないでしょう。
「毎月いくら支払うことになるかわからないのは不安」という方は、スマホアプリを活用すれば当月の電気代を予測できますよ。
家計管理に活用してみましょう。
デメリット②ファミリー世帯で節約するなら家族の協力が必要
Looopでんきは30分ごとに電力量料金単価が変動します。
1人暮らしや共働きの世帯では電気を使うタイミングをコントロールしやすいため、単価が安い時間帯を狙って電気を使えば節約を期待できます。
ですが、家族が多いファミリー世帯の場合、電気を使う時間がバラバラだとあまり節約にならないかもしれません。
調理家電や洗濯機など、予約機能がある家電は単価が安い時間帯に使えるように調整してみましょう。
また、単価が高い時間帯はどのように過ごすかをあらかじめ家族で相談しておくとよいかもしれません。
デメリット③特典がない
新電力会社のなかには、ポイント還元や割引サービス、クーポン配布などの特典を設けている会社が多くあります。
スマホ料金が安くなったり旅行代金が割引になったり、各社ユニークな特典を展開しています。
Looopでんきには特典がないので物足りなく感じてしまう方もいるかもしれません。
ですが、特典を利用する際は電気契約のほかに申請が必要になることが多く、手間がかかるという側面もあります。
また、いくら特典が魅力的でも、電気代が実際に安くならなければ意味がありません。
電力会社を乗り換えてシンプルに電気代が安くなればOK、面倒な手間は増やしたくない、という方であれば特典がなくても特に問題にはならないでしょう。
デメリット④オール電化住宅向けのプランではない
2022年の料金プラン変更前まではLooopでんきにもオール電化住宅向けのプランがありましたが、プラン集約にともない廃止になりました。
オール電化住宅では電気の使用量が一般家庭よりも多いため、現在の「スマートタイムONE」プランを契約すると電気代が高くなってしまうリスクがあります。
オール電化住宅向けプランを探している方は、ほかの電力会社を検討してみましょう。
市場連動型プランでさらに電気代を節約する方法はある?

Looopでんきへの乗り換えで電気代を安くできる可能性があることがわかりましたが、夏や冬など電力需要が高い月は電気代が高めになる点を不安に思っている方も多いのではないでしょうか。
ですが、Looopでんきは電気の使い方を工夫すれば電気代を抑えられる可能性があります。
市場連動型プランのメリットを活かして電気代を節約するアイディアを紹介するので、ぜひ参考にしてください。
電気を使う時間帯を工夫する
市場連動型プランのメリットは、時間帯によって電力量料金の単価が変動することです。
一般的に、単価は朝と夕方に高く、日中や深夜では安くなる傾向にあります。
まずは、単価が安い時間帯を狙って電気を使うことを心がけてみましょう。
①電力量料金の単価が安いタイミングにまとめて家事をする
1人暮らしの方だと掃除や洗濯は週に数回まとめて行う方も多いでしょう。
ファミリー世帯では洗濯物の量が多いと思いますが、どちらの場合も休日の午前中にまとめて片づけるだけで電気代の節約につながりますよ。
②夕方~夜に行っている家事をできるだけ日中に行う
日中は仕事で忙しくて家事は夜に集中しているという方であれば、タイマー付き家電のフル活用をおすすめします。
炊飯器や洗濯乾燥機、食器洗浄機など、できるものから取り入れてみましょう。
おかずの作り置きをする場合も、休日の日中に調理すれば電気代の節約になるだけではなく平日の夜の家事が減って楽になりますよ。
③電力量料金の単価が高い時間帯は外出する
単価が高い時間帯は思い切って外出してしまうのもひとつの方法です。
おでかけを楽しむのもいいですし、散歩やウォーキングの時間に充てるのもよいでしょう。
季節によって電気の使い方を工夫する
季節によっても電力需要が高まる時間帯は変わるので、季節に応じた節電方法を取り入れてみましょう。
夏は14時〜16時の日中、冬は朝の9時~10時や夕方の17時~19時で電力需要が高まる傾向にあります。
参考:平成30年度電力需給対策広報調査事業
①夏場の節電アイディア
夏はエアコン(冷房)の使用量が増えます。
室温を28度設定にし、扇風機やサーキュレーターと併用してみましょう。
窓にすだれをかけて直射日光を防ぐのも効果的ですよ。
エアコン内部が汚れていると冷房効率が落ち電気代に影響が出るので、本格的な夏が来る前にエアコンクリーニングを実施しておくと良いでしょう。
②冬場の節電アイディア
冬も暖房器具としてエアコンを利用する家庭が多いと思います。
まずは、重ね着をして設定温度を下げても暖を取れるよう工夫してみましょう。
冷気が室内に入るのを防ぐため、窓に厚手のカーテンをかけるのもおすすめです。
電気代よりもガス代の方が割安なのであれば、ガスファンヒーターなどとの併用も検討してみてください。
トイレの温水便座を利用している方も多いと思いますが、外出中や就寝中はオフにするなどタイマー節電機能を活用してみましょう。
③年間を通してできる節電アイディア
まず、24時間絶えず稼働している冷蔵庫は、設定温度を「強」から「中」に変えておきましょう。
食品を詰め込み過ぎると冷蔵効率が落ちるので注意してください。
扉を開ける時間を短く、回数をなるべく減らすことも節電につながりますよ。
次に、不要な照明があれば消しましょう。
電気の消費量が少ないLEDライトに切り替えるのもおすすめです。
テレビは省エネモードに設定するなど、画面の明るさを調整してみてください。
そのほか、待機電力を消費するものはなるべく主電源を切っておき、使うときだけ電源を入れるのがおすすめです。
長時間使わない家電がある場合はコンセントを抜いておきましょう。
Looopでんきの概要

ここでは、Looopでんきの概要について説明します。
料金プランの仕組みだけではなく、供給エリアや支払い方法なども自分に合うかどうかしっかり確認しましょう。
会社概要
Looopでんきは東日本大震災のボランティア活動をきっかけに誕生しました。
太陽光発電の設置事業から始まり、2016年の電力自由化に合わせて一般家庭への電気の小売業も始めました。
再生可能エネルギーの普及に力を入れており、脱炭素社会の実現を目標に掲げている環境に優しい電力会社です。
2022年にはオリコン顧客満足度調査「電力会社小売」ランキングで総合第1位を獲得、2023年7月末時点の契約者数は25万を突破するまでに規模を拡大しています。
日本マーケティングリサーチ機構によるブランドイメージ調査(2023年6月期)においても、「信頼・安心できると思う新電力会社」「手続きが簡単だと思う新電力会社」「節約に期待できる新電力」の3部門で第1位を獲得(※)。
電気代が安くなるだけではなく、信頼度が高い電力会社を選びたいという方にもおすすめですよ。
【設立】2011年4月4日
【資本金】4,094百万円(資本準備金3,773百万円)※2021年10月末現在
【売上高】66,063百万円 ※2022年3月期連結
- 調査会社:日本マーケティングリサーチ機構
- 調査期間:2023年5月31日~2023年6月13日
- 調査手法:Webアンケート
供給エリア
Looopでんきの電気は全国規模で利用できますが、ガスの供給エリアは関東に限定的である点に注意してください。
電気・ガスのセット契約を利用したい方は、自分の住まいが両サービスの供給エリアになっているか事前に確認しておきましょう。
【電気】
全国。
※マンション一括受電は対象外
※離島を除く
【ガス】
東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、栃木県、群馬県の一部。
※東京ガス株式会社の供給エリアのうち「東京地区等」に位置付けられる区域のみ
電気・ガスセットの適用条件
電気・ガスのセット割を利用したい方は、以下の3つの条件をすべて満たしているか確認しておきましょう。
- Looopガスを契約している
- LooopでんきとLooopガスの使用場所が同じである
- LooopでんきとLooopガスの支払い方法が同じである
支払い方法
Looopでんきの支払い方法はクレジットカード払いです。
一部のデビットカード、プリペイドカードも利用できるので、希望する方は確認してみましょう。
銀行口座の引き落としに対応していない点には注意してください。
手数料・解約金など
Looopでんきでは電気もガスも契約の際の手数料は発生しません。
契約は1年間の自動更新ですが、途中で解約しても解約金の請求はないので安心してください。
Looopでんきへの申し込み方法

ここでは、Looopでんきへの申し込み方法について説明します。
今住んでいる家で乗り換える場合と引っ越し先で乗り換える場合で少し異なるので確認しておきましょう。
①現在契約中の電力会社・ガス会社に解約の連絡をする
今住んでいる家でLooopでんきに乗り換える場合は、現在契約中の電力会社・ガス会社への連絡は不要です。
Looopでんきが解約手続きを代行してくれます。
ですが、引っ越しを伴う場合は自分で解約手続きの連絡をする必要があります。
引越し日が確定したら早めに手続きをすませておきましょう。
②検針票を用意して公式ホームページから申し込む
申し込みに必要な情報は検針票に記載されています。
電気とガスのセット契約をする場合は両方の検針票を用意してください。
一緒に支払い方法も登録するので、クレジットカードも用意しておきましょう。
引っ越し先で初めてLooopでんきを契約する場合も同様です。
申し込み自体は5分程度で終わるので、忙しい方でも安心ですよ。
③未設置の場合はスマートメーターを設置する
スマートメーターとは、電気の使用量を自動計測する電力メーターです。
未設置の場合は設置工事が必要ですが、大がかりな工事ではありません。
立ち合い不要の場合も多く、工事の日程連絡がないまま工事が完了することもあります。
基本的に費用もかからないので安心してください。
工事の日程や所要時間など、詳しいことはLooopでんきに確認しましょう。
④利用開始
約1週間〜5週間で切り替え手続きが完了します。
原則的に検針日に切り替わります。
切り替え日当日に契約者がすることは特にないので、いつも通りの生活で問題ありません。
参考:Looopでんき よくあるご質問
実施中のキャンペーン
キャンペーン | |
---|---|
Looopでんき | 2024年2月5日(月)~3月31日(日)まで |
内容 | 6月の使用量に応じて割引最大8,000円もれなくもらえる!
|
結論:Looopでんきの値上げは最悪ではない!今後も節約できる可能性あり
Looopでんきの値上げは確かに家計を圧迫しましたが、ほかの電力会社でも同様に値上げが行われました。
直近の電気代を比較してみると、期間全体を通してみればLooopでんきの方が電気代が安かったこともわかりました。
今後、さまざまな電力会社の電気代が高くなっている状況でも、市場連動型プランを採用しているLooopでんきなら自分の工夫次第で電気代を安く抑えられる可能性があります。
今他社の電力会社を契約中の方で「節電に取り組んでいるけどいまいち効果がない」という方は、Looopでんきを検討してみてはどうでしょうか。
ただし、Looopでんきは月ごとの電気代の差が大きいので、節約効果を判定する際は1年ほど契約して様子を見ると良いでしょう。
ぜひこの記事を参考にして、Looopでんきが自分にあう電力会社かどうかを判断してみてくださいね。