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“二刀流”どころじゃない! 最低でも三刀流以上!? 現代戦闘機は超万能マシンだった なぜ“何でも屋”になる必要が?

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  • 乗りものニュース
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現代戦闘機で純粋に「戦闘機」としての任務だけをこなすものは少なくなっています。そのかわり、さまざまな任務をこなせる「マルチロール機」が主流となっています。なぜでしょうか。

「F/A」って文字の表記が示すものとは?

 2025年6月17日のパドレス戦で、ドジャースの大谷翔平選手が663日ぶりに二刀流として復帰し、大きな話題を呼びました。野手と投手を兼ねる彼のような選手は「二刀流」と称されますが、戦闘機の世界ではそれどころではなく、三刀流や四刀流をこなす機体がすでに主流となっています。こうした機体は「マルチロール機」または「マルチロールファイター」と呼ばれます。

Large figure1 gallery10代表的なマルチロール機のひとつであるF/A-18E/F「スーパーホーネット(画像:アメリカ海軍)

 「マルチロール」とは日本語で「多用途」を意味します。プロスポーツでも複数のポジションをこなす選手を「マルチプレイヤー」よびますが、その言葉と意味は同じです、要するに“なんでもできる戦闘機”という意味合いになります。

 代表例として1機あげるとするならば、2022年5月末に公開された映画『トップガン マーヴェリック』において、俳優のトム・クルーズが演じる主人公ピート・“マーヴェリック”・ミッチェル たちが搭乗したF/A-18E/F「スーパーホーネット」になります。

 同機は「F/A」とあるように、F(ファイター)の制空戦闘とA(アタッカー)、つまり対地対艦攻撃を1機で行える機体です。ほかにもマルチロール機は偵察機や爆撃機のような任務も行います。

 こうした多用途機の構想は、実は第二次世界大戦中からありました。当初は空母に搭載する艦載機に関する課題が出発点でした。

 太平洋で対峙した日本とアメリカは、それぞれ攻撃機、雷撃機、急降下爆撃機といった任務別の機体を運用していましたが、機体が異なれば整備や装備も異なり、限られた艦内スペースでの運用は大変でした。そこで、複数任務を1機で担える機体を開発し、艦上機の種類を統合するという方針が打ち出されました。同一機種が多ければ多いほど、整備や補給が容易になり、戦術的な柔軟性も高まるからです。

 その第一歩として試みられたのが、雷撃機と艦上爆撃機の統合です。これにより、日本は「流星」、アメリカはA-1「スカイレイダー」を開発しました。

 一方、陸上でもアメリカ陸軍、イギリス空軍、ドイツ空軍などが、旧式化した戦闘機に爆弾やロケット弾を搭載し、戦闘攻撃機(あるいは戦闘爆撃機)へと転用する動きを見せました。

 これらの機体は戦闘機と攻撃機の双方の装備を搭載可能で、地上攻撃後に空中戦を行うことも想定されていました。加えて、戦争後期には2000馬力超の大出力エンジンを搭載した機体も登場します。

 その中でもP-47「サンダーボルト」は、最新鋭戦闘機でありながら強力な対地攻撃能力を持ち、マルチロール機の先駆けともいえる存在です。

ジェット機時代に移行してから本格的に考えられるように

 この流れは、戦後のジェット機時代に入り、本格的に加速します。ジェットエンジンの搭載によって性能が飛躍的に向上し、ペイロードが増加しても速度や機動性を維持できたため、多用途の運用が可能になりました。

Large figure2 gallery10爆弾を投下するF-4「ファントムII」。同機は最初のマルチロール機ともいえる特徴を持っている(画像:アメリカ空軍)

 ただし、1950年代のジェット戦闘機は依然として制空任務に重点が置かれており、真の意味でのマルチロール機はまだ登場していません。1960年代に入ってようやく戦闘爆撃機の開発が進み、F-105「サンダーチーフ」やF-111「アードヴァーク」が登場しますが、これらはどちらかというと爆撃性能に偏り、ベトナム戦争では空戦能力が不十分とされました。

 この時期に開発された機体のなかで、唯一成功例に近いのが、当初は艦上戦闘機として開発されたF-4「ファントムII」です。艦上機としての機動性が求められた結果、MiG-21のような小型機にも対応できる高い空戦能力と、優れた対地攻撃性能を併せ持ち、事実上のマルチロール機として機能しました。

 その後、ベトナム戦争の戦訓を活かして開発されたF-16「ファイティング・ファルコン」やF/A-18「ホーネット」は、本格的なマルチロール機として性能を備えることになり。後の時代のスタンダードになります。

マルチな用途を求める傾向は今後も強くなっていく?

 F-16やF/A-18は1970年代に登場しましたが、同時期にアメリカ以外でもマルチロール機の開発が進みます。これは、軍用機の開発コストがジェット化以降に高騰し、任務別に複数機種を揃えるのが困難になっていた事情も背景にあります。

Large figure3 gallery9グリペンはスウェーデンのサーブ製マルチロール機(画像:サーブ)

 たとえばフランスの「ミラージュ2000」(1978年初飛行)は、1980年代に対地・対艦能力が追加され、マルチロール化されました。また、1974年にはイギリス、イタリア、ドイツの3か国が共同で「トーネード」を開発。これも多用途機として高い評価を得ました。

 さらに、これらの国にスペインを加えて開発されたユーロファイター「タイフーン」、フランスが独自に開発した「ラファール」は、2025年現在も第一線のマルチロール機です。

 スウェーデンのサーブが開発したJAS 39「グリペン」も、1996年に運用を開始。低価格ながら制空、対地、偵察など幅広い任務に対応可能なうえ、運用コストもほかの国の戦闘機よりもかからないとされています。そのため、スウェーデン国内のみならず多くの国に採用されています。日本の航空自衛隊が運用するF-2や、調達が進んでいるF-35も、マルチロール機として設計・配備されています。

 一方、旧ソ連を中心とする東側陣営でも同様の流れが見られました。1977年に初飛行し、1985年から運用されたSu-27は、公式には多用途を謳っていませんが、実質的にはマルチロール性能を備えていました。特に、ロシアが輸出用に開発したSu-30は、明確にマルチロール機として位置づけられています。

 こうしたマルチロール機の実戦投入が本格化した1980年代当初は、「なんでも屋」に対する懸念の声もありました。しかし、1990年の湾岸戦争では、制空、対地攻撃、偵察、爆撃など幅広い任務を問題なく遂行し、その有用性が実証されます。その後は各国とも金銭的な事情を考えると、コスト削減という観点から、運用・開発されている戦闘機のほとんどが、マルチロール機化していくことになりました。

 現在各国で開発中である、いわゆる第6世代戦闘機に関しては、これらの任務に加え、無人機の制御や命令などを行う必要性も出てきています。機体に乗るパイロットには、これまで以上にさらに“何でもできる”ジェネラリスト的なスキルが求められることになりそうです。

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