英語民間試験の延期、問題の本質は「地域格差」だけ? 貧富の差を浮き彫りにする「行政の悪手」に物申す
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文部科学大臣の失言も事態を悪化させた
2020年度から始まる新大学入試制度の目玉のひとつだった、英語の民間試験の導入が延期となり、その余波は12月17日(火)に正式発表となった国語と数学の記述式延期にまで及びました。
延期に大きく舵を切った発端は、大手メディアによって連日報道された萩生田光一文部科学大臣の「身の丈」発言だったことは間違いありません。

民間の英語試験利用に関する萩生田氏への批判の根底には、東京などの大都市圏の高校生と地方の高校生の「地域格差」があるわけですが、果たして「東京だから有利」「地方だから不利」という考えは正しいのでしょうか。また、制度の問題の本質はそれだけなのでしょうか。
試験導入に向け、民間団体は準備を進めていた
センター試験に代わる大学入試共通テストで多くの国立大で採用される予定だった民間試験について、英検を運営する日本英語検定協会は新たな試験を本格運用の開始を進めていました。
2019年度に高校2年生以上の学生を対象にした試験「英検2020 1day S-CBT」を開始。2020年度からは吃音(きつおん)のほか配慮の必要な障害などのある学生を対象にした「英検2020 2days S-Interview」も新たにスタートさせて、大学入試を控える学生に特化した成績提供試験の準備をしてきました。
1次試験の合否が判明してから別の日に2次試験を受ける従来型の英検とは異なり、英語4技能、すなわち「聞く、話す、読む、書く」を1日または2日で受験できる新試験は、何かと忙しい学生にとってメリットの多い試験と言えるでしょう。

2019年度は毎月、2020年度からは3級から2級までは毎週土日に実施され、準1級は各地方の中枢都市だけでなく県庁所在地でも毎月1回試験が行われます。
これまでのところ従来の英検の試験のように塾や学校といった準会場は想定されていませんが、2019年12月14日現在、来年度実施は全国112エリアでの受験予定となっています。
47都道府県の中で、県内の会場がひとつしかないのは14県。鹿児島では奄美大島が、沖縄では石垣島や宮古島が2020年度からの試験会場に加わっています。東京都の離島には今のところ会場はありませんが、こうした現状を踏まえると、東京と地方といった場所による「機会格差」は、決してゼロではありませんがそれだけが問題の本質だとは言い切れません。
家庭の経済状況に左右されない入試制度の設計を
民間試験の導入延期という混乱の影響もあり、日本英語検定協会は「英検2020 1day S-CBT」に予約申し込みをした学生に対し、このままキャンセルせずに試験を受けた場合には特別料金で提供すると発表しています。
準1級では9800円が6900円に、2級の検定料は7500円が5900円に、準2級は6900円から5400円にするという特別料金となっています。
正規の検定料に比べれば3割近い値引きではありますが、大半の学生や保護者は頻繁に受けるのを躊躇する金額ではないでしょうか。
今回、新たな大学入試テストでの民間試験の導入は延期されましたが、私立大を中心に入試での英検利用は拡大しています。しかし、大学入試に必要なのは英語だけ、という学生は少数派ですし、英語だけにお金をかけることはできません。
たとえ会場数全国最多の東京に住んでいても、毎月・毎週のように「英検2020 1day S-CBT」を受けられるのは経済的に余裕のある家庭の学生に限られます。東京と地方関係なく、家庭が裕福なら何回でもチャレンジし、一番成績の良かった回を受験する大学側に提出することができます。一方、経済的に不利な学生は回数を絞って受けるしかありません。

大学入試共通テストでの導入は2024年度まで見送られたものの、大学受験で英検を利用する場合、地域差より経済差の影響が大きいといえます。経済状況を理由にした機会の不平等が2024年度までに解消されるのか、現状では不透明のままです。
大学入試は学生の将来を左右します。「お金持ちだから有利」「貧乏だから不利」で話が片づけられないよう、国が主導して対策を講じていくことが最も求められるのではないでしょうか。
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