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大部屋「今も健在!」豪華個室人気の裏で… 東北-北海道むすぶ「太平洋フェリー」その利用実態とは

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  • 乗りものニュース
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名古屋港―仙台港―苫小牧港を結ぶ国内最長の定期航路を運航する太平洋フェリー。このうち需要の高い仙台-苫小牧間は、太平洋側で本州と北海道を結ぶ競合2航路のちょうど“中間”の距離です。何が強味なのでしょうか。

観光地のホテルのように利用できる時間設定

 名古屋港―仙台港―苫小牧港(北海道)を結ぶ国内最長約1330kmの定期航路を運航する「太平洋フェリー」。全室個室の新鋭船「きたかみ」が仙台―苫小牧間に、スイートルームやライブショーを行うシアターラウンジなど豪華な設備を持つ「いしかり」「きそ」が名古屋―仙台―苫小牧間に投入されています。

Large figure1 gallery60苫小牧港の「いしかり」(深水千翔撮影)

 太平洋フェリー東北支店東日本旅客担当の榎本圭祐リーダーは「フェリーは他の交通手段に比べて時間がかかりますが、そこを逆手にとって船に乗ること自体が目的になれば、楽しい時間をたっぷりと堪能できてお得という話になります。そのために充実した設備を付けたり、お客様に対応するスタッフを増やすなど、快適に過ごしてもらえるよう工夫しています」と話します。

 なかでも旅客・貨物ともに多いのが、距離の短い仙台―苫小牧間です。その距離は560km、約15時間20分かかります。

 参考までに、同じ太平洋側で東北から苫小牧を結ぶシルバーフェリー(川崎近海汽船)の八戸(青森)-苫小牧航路は242km、約9時間。関東と苫小牧を結ぶ商船三井さんふらわあの大洗(茨城)-苫小牧航路は754km、約19時間で結んでいます。

 一般的に内航フェリーの長距離航路は貨物輸送の比率が高く、トラックの配送スケジュールに合わせて動くため、夜遅く出発し、朝早く到着するようになっています。

 しかし太平洋フェリーの場合、仙台を出港するのは19時40分で、苫小牧に入港するのは翌午前11時。反対に苫小牧を出港するのは19時で、仙台に入港するのは翌午前10時です。夕方に乗船して十分な休息を取り、午前遅くに目的地へ到着できるため、フェリーを観光地のホテルのように利用するにはうってつけのダイヤとなっています。

「貨物の面で見ると、仙台は東北だけではなく関東から来るクルマもあり、そういったことを考えると、(出港時間は)もう少し遅い方が良いかもしれません。しかし、旅客との兼ね合いを考慮するとバランスのとれたダイヤではないかと思います」と榎本さんは話します。

「仙台」はやっぱり強い

 太平洋フェリーの貨物と旅客の比率はおおむね7対3で推移していましたが、近年は旅客需要も増えてきているようです。

Large figure2 gallery61仙台港の「いしかり」(深水千翔撮影)

 仙台―苫小牧航路の競合としては新千歳空港を発着する飛行機のほか、前出したシルバーフェリーと商船三井さんふらわあの2航路が選択肢となりますが、太平洋フェリーが安定的に利用されている理由として、仙台発着という立地の良さと、苫小牧港の到着時間が関係しています。

「東京からだと、それほど苦痛にならない距離に仙台港があり、仙台周辺は宿泊できるところも多く、観光と合わせて乗船する方も多くいらっしゃいます。また、仙台まで来ると(大洗発と比べて)乗船時間も短くなるため、移動コストや港までの移動を含めた所要時間を総合的に考えるとバランスが良いのではないでしょうか」(榎本さん)

 これに加えて「北海道へクルマと一緒に行けるというのが大きい」と、カーフェリーならではのメリットを強調します。

「ここ2年くらいで北海道のレンタカーが取りづらいという話や、団体旅行においては現地のバスの手配がつかないという状況が増えているとききます。そのため、部活動などで移動するため、本州からバスを積んで行くことも以前に比べて多く感じます」(榎本さん)。

 さらに、「仙台のお客様は仕事が終わってからでも乗れるくらいの時間に仙台港からフェリーが出ます。例えば土日で北海道へ行く用事があったとして、土曜朝の飛行機で仙台空港から新千歳空港まで行っても、到着時間はだいたい9時から11時くらいになってしまう。そうしたら苫小牧港11時着でもそこまで大きな差はありません」と、飛行機に対しても競争力を持っていると胸を張ります。

個室人気、でも大部屋「今も健在!」

 太平洋フェリーの2024年度の旅客数は、コロナ前の2018年度比でほぼ100%まで回復。収入は120%と大幅に増加しました。収入が増えた要因として旅客運賃を2020年1月に約7%、2023年に約5%改定したことに加えて、個室の稼働率の高さがあげられるでしょう。

Large figure3 gallery62苫小牧港へ入る「いしかり」(深水千翔撮影)

 榎本さんは「以前は、個室の空室が目立つ便も多かったが、今はどちらかと言えば、個室から埋まっていくようなイメージ。大部屋は空席があっても個室は満室ということもしばしばあります。」と話します。

 実際、「さんふらわあ」や「新日本海フェリー」など他社の状況を見ると個室指向が高まっており、新造船が就航するごとに、従来のような大部屋が無くなってきています。太平洋フェリーでも仙台―苫小牧専用の「きたかみ」では2等大部屋を廃止しており、トラックドライバー区画へも個室タイプを導入しています。

 では、今後建造される新造船もこうしたトレンドに沿って大部屋を廃止するかというと、榎本さんは今後については未定と前置きしつつ、「弊社は団体のお客様にも多くご利用いただいております。特に学生団体には比較的安価に乗れる大部屋の人気は根強く、そういった需要や時代のトレンドを踏まえつつ、より快適な船になれば」と話します。

 たとえば仙台の大学と北海道の大学は昔から定期交流戦が盛んで、太平洋フェリーの仙台―苫小牧航路は移動手段としてよく利用されています。これはカーフェリーが持つ移動用のバスの積載ができるという強みに加え、名古屋-仙台―苫小牧航路の「いしかり」や「きそ」が1度にたくさん人を乗せられるスペースを備えているためで、定期的な団体需要が存在することもこの航路の強みの一つであり、現状では大部屋の完全な廃止には至ってないようです。 

サンライズに勝るとも劣らない“魅力”

 最後に榎本さんにフェリーの魅力について聞いたところ「キーワードで言うとやっぱり『旅情』ですね」と話します。

「今や夜行の定期列車は『サンライズ瀬戸・出雲』くらいしか残っていません。そうしたなか、夜の港で出発前に船が止まっている姿を見ながら、『これから旅に出るんだ』っていう高揚感が味わえるのが、まさにフェリーだと思います」

 豪華フェリーの先駆けとして快適な船内空間を提供し続けている太平洋フェリーは、名古屋や仙台だけでなく、関西圏や関東圏からの利用者も多くいます。その中には毎年夏になるとフェリーで北海道へ行くという人や、旅行会社のツアーで乗ったら気に入って今度は個人で乗船しに来たという人もたくさんおり、高い人気のほどが伺えます。

 太平洋フェリーは仙台―苫小牧間だけでなく、名古屋―苫小牧などの長距離需要も伸びているといいます。別稿でお伝えします(つづく)。

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