「次世代ロマンスカー」はかなり変わる? ついに“デザイナー交代”のワケ 小田急に聞いた
- 乗りものニュース |
小田急が新型ロマンスカーの設計に着手。今回からデザイナーも交代します。どのような背景があるのでしょうか。
「次の100年」を牽引するフラッグシップに
小田急電鉄は2024年9月9日、新型ロマンスカーの設計に着手したと発表し、2029年3月の運行開始を目指して検討を進める方針を明らかにしました。今回からデザイナーも交代します。どのような背景があるのでしょうか。
ロマンスカーVSE。「岡部憲明アーキテクチャーネットワーク」がデザインを担当した(画像:写真AC)。
新型車両は、これまで培ってきたロマンスカーブランドを継承し、2027年度に開業100周年を迎える同社の「次の100年」を牽引するような車両になるようです。リニューアル工事が実施されていない30000形「EXE」2編成を置き換えつつ、2023年に引退した観光輸送向けの50000形「VSE」の後継としても位置付けられています。設計は歴代ロマンスカーを製造してきた日本車両製造が担当します。
現時点では「車両の概要は決まっておらず、今後検討していきます」(広報部)とのこと。先頭車の展望席や、ロマンスカーの伝統色である「バーミリオンオレンジ」といった特徴は、果たして受け継がれるのか注目されます。
2000年代以降に登場したVSE、MSE、GSEやEXEのリニューアル車両(EXEα)は、建築家の岡部憲明さんが代表を務める「岡部憲明アーキテクチャーネットワーク」がデザインを担当しましたが、新型車両はCOA(コア)一級建築士事務所に変わります。なぜ今回からデザイナーが変わったのでしょうか。
ロマンスカーに「新しい息吹」
小田急電鉄は新型ロマンスカーの開発にあたり、「複数のデザイナーにお声がけし、次世代ロマンスカーについて考察していただきました」と話します。今回は最初から岡部さんにデザインを依頼することは想定していなかったそうです。
「岡部さんの実績は評価していますが、依頼し続けることは不可能なため、どこかで世代交代が必要でした。当社が100周年を迎えることもあり、次世代ロマンスカーからデザイナーが交代することになりました」(広報部)
その中で、小田急が重視している「地域特性を大切にする姿勢」や「利用者を思う設計実績」などを評価し、COA一級建築士事務所を選定したと話します。
選定されたCOA一級建築士事務所は、学校や集合住宅などを手掛けてきた設計事務所です。今回、「伝統を継承しながら進化を続けてきたロマンスカーに、新しい息吹を吹き込み、多くの人々に愛される車両デザインを目指します」とコメントを発表しています。
小田急電鉄は今後、約1年間をかけて新型ロマンスカーのコンセプトやデザインの検討を深度化し、特設サイトなどでの情報発信も検討するとしています。
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