世界初「バッテリーハイブリッドLNG自動車運搬船」竣工 3661台積載の巨体 どう動かす?
- 乗りものニュース |
プリウスとはちょっと違うみたいです。
電気の力で何を動かす?
日本郵船は2021年12月2日(木)、世界初となるバッテリーハイブリッドLNG(液化天然ガス)燃料自動車専用船が竣工したと発表しました。中国の造船所で建造されたもので、今後は「AUTO ADVANCE」(オート・アドバンス)と命名され欧州域内の完成車輸送に従事します。
バッテリーハイブリッドLNG船オート・アドバンス(画像:日本郵船)。
この「オート・アドバンス」は、日本郵船とWallenius Lines(ワレニウス・ラインズ)が50%ずつ出資する欧州域内完成車輸送事業会社United European Car Carriers(以下「UECC」)の船で、UECCとしては3隻目のLNG自動車専用船になります。全長169.10m、全幅28m、総トン数3万5667トン、最大積載自動車台数3661台の大型船です。
日本郵船によると、バッテリーハイブリッドシステムは直接的な動力源になるものではなく、主に船内電力の供給を補助するといいます。
大型船は、エンジンの力でプロペラを回して航行しますが、そのエンジンとプロペラをつなぐシャフトに発電機(軸発電機)を介し、プロペラの回転力を利用して発電した電気で船内電力を供給しているそう。しかし、荒れた海域などではエンジンに負荷がかかるそうです。
そこで、軸発電機とバッテリーを組み合わせることにより船内電力の供給を効率化し、環境負荷を低減させるとのこと。発電不具合の際にはバッテリーからの給電に切り替え電源喪失を回避するといいます。LNG船で軸発電機とバッテリーを組み合わせたハイブリッドシステムを採用している点が、世界初だということです。
LNG焚きのエンジンとバッテリーハイブリッドシステムの組み合わせにより、従来の重油焚き船に比べて硫黄酸化物(SOx)は約90%、窒素酸化物(NOx)は約85%、二酸化炭素(CO2)は約25%の排出削減を見込めるといいます。
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