驚愕のT-34戦車伝説「ギアチェンジでハンマー必須」は本当だった!? 動画で明らかに
- 乗りものニュース |
T-34といえば第二次世界大戦における傑作戦車として有名ですが、一方で「レバーが硬すぎて、特にバックに入れる際はハンマーで操作していた」と硬すぎるシフトレバーに関しての逸話があります。その話、あながち誇張でもないようです。
T-34とIV号戦車を比べてみた結果
第二次世界大戦中にソビエト連邦(現ロシア)で運用されたT-34は、同国を代表する傑作戦車のひとつに挙げられますが、一方で操縦が大変だったという逸話があります。
試走に使われたT-34と同じく初期に生産された76mm砲搭載タイプ。このタイプのレバーは特に硬いといわれている(画像:アメリカ国防総省)。
具体的には「シフトレバーが硬すぎて、特にバックに入れる際はハンマーで操作していた」「隣の無線手がギアチェンジのときに手を貸した」といった、ギアチェンジに関わるものです。どうもこの話、誇張ではなく本当であった可能性が高いことが、とある動画によって明らかになりました。
オーストラリア甲冑・砲兵博物館の公式YouTubeチャンネルは、博物館の職員で、一度も戦車を操縦したことのないカートさんが、動態保存されているソ連製T-34とドイツ製IV号戦車という、第二次世界大戦で死闘を繰り広げた2両に乗るという動画を2024年の12月に公開しています。
IV号に関しては、乗る前に「どうやら操縦しやすいようです」と言っていた通り、方向転換に使う2本のステアリング・レバーも、シフトレバーとクラッチも軽快に動いており、カートさんも終始笑顔。「大きくてうるさいのに、繊細な感じがします」と感想を述べ、教官として同乗していた博物館職員のスティーブさんも「10点満点中10点」と評価していました。
T-34は全てのレバーが硬てぇ!
一方、ソ連製のT-34に関しては、IV号のようにはいきませんでした。事前に「ステアリング・レバーの操作は恐らく最も難しいことのひとつです。なぜなら……、これを動かすにはかなりの力が必要だからです」とスティーブさんも注意点として、ステアリング・レバーが硬いことは伝えており、カートさんも渾身の力を込めて動かすことで、T-34はなんとか走り始めます。
IV号戦車は短砲身の初期型がこれまた使われていた(画像:連邦公文書館)。
ただ、事前に注意のなかったシフトレバーを握った際はそう簡単にはいきませんでした。かなり苦戦してようやくギアチェンジを成功させていました。
ステアリング・レバー操作中のシフトチェンジは、見守っていたスティーブさんがギアチェンジを代行するほどで、「隣の無線手がギアチェンジのときに手を貸した」というハナシが、不慣れな戦車兵だった場合は、あながち嘘でなかったことが分かります。
さらに、関門となったのがやはりバックギアに入れるときでした。カートさんはバックに入れようとするも、全く動かないギアに悪戦苦闘。結局動かず、スティーブさんがギアチェンジしていました。動かすにはかなりコツがいるそうです。急を要す実戦では、「ハンマーで操作していた」人がいてもおかしくないかもしれません。
また、ディーゼルエンジンはラバーマウントを介さず直接車体に固定されているため、振動と騒音がひどいというハナシも本当で、車内の狭さが不評だったという話も、映像などを見ると事実のようです。
ただ、博物館の文化財としては、T-34の方が全力で操縦しなければいけなかったので、変に気を遣う必要がなかったとカートさんは話していました。ちょっとやそっとでは壊れない同戦車の頑丈さを図らずも確認できたという意味で、当該動画は一見の価値があるかもしれません。
【動画】こりゃ大変だわ…、T-34のレバーが硬すぎて汗だくになる職員
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