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実はほぼ「乗れない」!? クロスシートが売りの京急1000形1890番台 そのワケとは

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  • 乗りものニュース
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京急新1000形のうち20次車にあたる最新の1890番台は、ロングシートとクロスシートを変換できる「L/C腰掛」を装備します。しかし自慢のクロスシートを体験できる列車は実はわずか。このたび“狙って”乗車してみました。

確実に乗れるのは早朝の1本のみ

 大手私鉄の現役車両で、京急電鉄1000形(かつての1000形と区別するために新1000形とも呼ばれる)は、最もバリエーション豊富な形式です。1次車は2002(平成14)年の登場ですが、2021年になっても20次車(1890番台)が登場しているのです。

Large 221230 fkcym 01京急新1000形電車1890番台(20次車)「Le Ciel」(2021年4月、伊藤真悟撮影)。

 数ある新1000形の中で特に異彩を放つのは、最新の1890番台「Le Ciel」(ル・シエル)でしょう。「Le Ciel」は京急電鉄で初めて、ロング/クロスシートを自動変換する「L/C腰掛」と車内トイレ設備を備えた車両であり、通勤・通学だけでなく観光やイベントでも使えることが評価され、2021年度には鉄道友の会からブルーリボン賞を受賞しました。

 乗務員室の後ろにも固定式クロスシート、いわゆる「展望席」を備えるなど、意欲的な設計なのですが、ひとつだけ悩ましいことがあります。それは、最大の特徴である「L/C腰掛」をクロスシートモードで運用する列車がほとんどないということです。

 特にクロスシートが確実に進行方向を向いている列車となると、三浦海岸駅(神奈川県三浦市)を平日の朝6時9分に出発する有料座席指定列車「モーニングウィング3号」1本だけです(2022年12月現在)。始発の三浦海岸駅にこの時刻より前に到着できるのは、金沢文庫駅(横浜市金沢区)を5時2分に出発する三崎口行き特急(556H)だけですから、始発駅から乗車したい場合は、金沢文庫~三浦海岸間のどこかで宿泊するしかありません。

発車までに車内散策

 なお「モーニングウィング3号」は横須賀中央駅(神奈川県横須賀市)に6時26分に停車するので、途中駅からの乗車でよいなら条件はやや緩和されます。ただその場合でも、神奈川新町5時38分発の特急(570H)三崎口行きより遅い列車では間に合いません。地元の人以外で「モーニングウィング3号」に乗車することは、実はなかなか困難なようです。

「モーニングウィング3号」は横須賀中央駅を出ると、金沢文庫駅、上大岡駅にも停車しますが、この両駅では増結される2100形電車に乗車することになり、「Le Ciel」には乗車できません。

Large 221230 fkcym 02「モーニングウィング3号」品川行き(安藤昌季撮影)。

 そうした理由で筆者(安藤昌季:乗りものライター)は前泊し、早朝の三浦海岸駅にやって来ました。

始発の三浦海岸駅から乗ってみた

 京急久里浜方面から回送された「Le Ciel」は一旦、三浦海岸駅を通り過ぎた後に折り返して上りホームに入ります。

 同駅では係員が、乗客のスマートフォンの予約乗車票を確認します。側扉が開いたのは4号車の1か所のみでした。乗車したのは10人ほど。1~3号車は横須賀中央駅からの乗車用で、誰も乗っていません。ほかの乗客に迷惑をかけない車内散策には最適の時間です。

 4号車でオススメなのは、座席の位置と窓の配置が合っている1・3・6番の列です。埋まっている場合は、4・7番の列でも眺望は悪くありません。

 9番の列は運転席後ろの「展望席」ですが、前面展望が楽しめるのは9番AB席だけで、CD席からだとあまり前は見えません。また、金沢文庫駅で前に2100形が増結されるため、前面展望を楽しめるのはそこまでです。

車端部もクロスシート 京急ならでは?

 座席は「L/C腰掛」のクロスシートモードで、座席間隔が広くゆったりしています。同じクロスシート車の2100形(2扉、座席定員62名)と比較して、先頭車両の場合、「Le Ciel」は3扉とはいえ座席定員が35名ですから、座席間隔は異なります。

 2100形の座席間隔は850mmです。「Le Ciel」は不明ですが、「L/C腰掛」を採用した京王新5000系が座席間隔1000mmですから、2100形より広いことは間違いありません。座席幅も2100形の1人450mmに対して、「Le Ciel」は460mmに拡大されています。側窓側に肘掛けがあるのも嬉しいです。

 座席背面にはドリンクホルダーが設置されており、側窓の下縁にもペットボトル程度なら置ける幅があります。

Large 221230 fkcym 03車端部もクロスシートが備わる(安藤昌季撮影)。

「Le Ciel」は、2号車にユニバーサルデザインの車いす対応トイレ、3号車に男性用トイレが設けられています。「Le Ciel」のためだけにトイレの処理施設を設けるとは考えにくいので、2100形などクロスシートの後継車両が登場したら、トイレ付きになるのかもしれません。

 車端部は優先席として座席の色が青です。他社の「L/C腰掛」車両ではロングシートの車両が多い中、ここもクロスシートなのは京急のこだわりなのでしょう。

 車内散策が済んだ頃、「モーニングウィング3号」が発車。速度を上げていき、列車は多くの快特が発着する京急久里浜駅を通過します。「モーニングウィング3号」の始発駅が、京急久里浜線の終点である三崎口駅(神奈川県三浦市)でなかったり、前出の京急久里浜のほか横浜や京急川崎といった主要駅を通過したりするのは、この列車の醍醐味でしょう。

品川折返しでもクロスシート ただ、進行方向とは逆

 6時26分、列車は横須賀中央駅に停車。大量の乗車があり、4両編成の「モーニングウィング3号」はほぼ満席となりました。品川7時27分着と、到着が早い列車でもかなりの需要があるのは、快適性ゆえなのでしょう。

 金沢文庫駅の手前で、進行方向右側に増結する2100形8両編成の姿が見えました。なおこの日は別の「Le Ciel」も留置されており、行先表示は「快特 品川」でしたがロングシートモード。やはりクロスシートモードなのは「モーニングウィング3号」と、その折り返しの特急だけのようです。

 金沢文庫駅で「モーニングウィング3号」は12両編成となりました。ただし、「Le Ciel」の側扉は開きません。6時52分発の上大岡駅(横浜市港南区)には4分ほど停車しましたが、やはり側扉は開きませんでした。

 朝ラッシュ時であり、停車駅は少ないものの都心に近づくと速度は上がりません。横浜駅を通過した後はJRと並走しますが、昼間では悠々と抜き去る京浜東北線や貨物列車と競走していました。それでも京急川崎、京急蒲田といった快特停車駅を全て通過し、7時27分の定刻に「モーニングウィング3号」は品川駅に到着しました。

「Le Ciel」は、折り返し品川7時35分発の特急(702C)三崎口行きに連結されます。増結車の扱いで、京急川崎駅までしか乗車できませんが、慣れている乗客は、進行方向と反対に向いている「L/C腰掛」を回転させ、進行方向に向けて座っていました。

 京急川崎到着は7時48分着。現状「Le Ciel」がクロスシートで走るのは、以上の2本のみです。

 土休日に昼間の快特で、クロスシートでの運用を期待したいところですが、座席数の少なさがネックなのでしょうか。素晴らしい新型車両だけに、乗車機会の増加を期待したいものです。

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