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「ここ有料道路だったの!?」がやけに多い“千葉県”なぜ? 今やフツーに使ってる“実は神ルート”な道たち

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  • 乗りものニュース
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有料道路として開通し、長い年月をかけて無料開放された一般道が特に多いのが、千葉県です。一般道になるとその存在は埋もれがちですが、その道路がいかに恩恵をもたらしているか、改めてわかるかもしれません。

知ってた? あそこもここも「昔は有料」だった千葉の道路

 日本の道路インフラは税金で整備、維持されるのが原則ですが、予算の関係、もしくは緊急性を要する場合などは、例外的に有料道路として整備し、通行料金で建設費を償還することが認められています。

 こうした経緯から、現在無料で通行できる道路も、当初は「有料道路」だったところが少なくありません。とくに千葉県には、そうした“もともと有料だった道路”が数多く存在しています。ここでは、そのいくつかを紹介します。

市川松戸有料道路(2000年10月無料化)

 現在は東京外環道、およびその側道にあたる国道298号により短時間で結ばれている市川市と松戸市ですが、以前は道路事情が悪く、“近いけど遠い隣町”でした。

 その交通の一翼を担っていたのが1970年に開通した「市川松戸有料道路」です。ただ有料道路といっても地域交通を担う道路としての性格が色濃く、市川市の松戸市境近くに設けられた料金所を通過しなければ、利用は無料でした。

流山有料道路(2015年4月無料化)

 常磐道が通過する流山市には1992年に「流山IC」が設けられましたが、一般道とICを結ぶわずか500mの接続道路は、予算的な制約から有料道路として整備されました。

Large figure1 gallery17常磐道の流山IC。かつてはアクセス道路が「流山有料道路」で、この料金所にて有料道路の料金徴収も行っていた(乗りものニュース編集部撮影)。

 流山ICを利用するクルマは100%この有料道路を利用しなければならないという“関所”のような有料道路でしたが、江戸川を渡り三郷市と流山市を結ぶ「流山橋」が慢性的に渋滞していたことから“やむを得ず”常磐道を利用するクルマが多く、建設費の償還は順調に進み、当初予定を大幅に前倒しする形で無料開放されました。

千葉外房有料道路(2023年2月無料化)

 千葉市と九十九里地区を結ぶ道路の代表格は、東金市へと走る有料の千葉東金道路ですが、その南にほぼ並行して茂原市へ向かう道として整備されたのが「千葉外房有料道路」です。通行料金も安く、また京葉道路と直結していないため通行量も比較的少なく、千葉東金道路の混雑時の抜け道としても機能しました。

 当初は2013年の無料開放を予定していましたが、周囲の交通状況などから、北側の誉田区間が2007年にまず無料開放され、南側の茂原区間はいったん値下げした上で、2023年に無料開放となりました。

東総有料道路(2018年4月無料化)

 東関道大栄IC付近から東に走り、成田市と旭市を短絡するルートとして整備されたのが「東総有料道路」です。片側1車線の対面交通で、平面交差や信号もある道路ですが、付近の他の道路が丘陵地帯をうねうねと走る線形であったことから、十分な時短効果を持つ道路として機能しました。

房総スカイライン有料道路/鴨川有料道路(2019年4月無料化)

「房総スカイライン有料道路」「鴨川有料道路」は、山深い房総半島を一体としてほぼ南北に貫き、内房の君津市と外房の鴨川市を結ぶルートを形成していました。

Large figure2 gallery182019年無料化の房総スカイラインの鴨川側入口、君津市笹。左が旧房総スカイライン有料区間。君津IC方面と鴨川方面を結ぶルートとして今も重宝されている(乗りものニュース編集部撮影)。

 房総スカイライン有料道路は当初2008年に償還、無料開放を予定していましたが、利用者が想定よりも伸びなかったことから、鴨川有料道路との「プール制」が採用され、償還期限が延長され続けました。

 なお正式な無料化は2019年4月ですが、房総スカイライン有料道路は近隣道路のトンネル内崩落事故での通行規制による迂回路として、2013年2月からの暫定的な無料開放措置が続き、実質的にはこのときからの無料開放となっています。

勝浦有料道路(2008年4月無料化)

 南房総のリゾート地として名高い勝浦市の市街地を山側にバイパスする道路として1978年に開通した道路が「勝浦有料道路」です。

Large figure3 gallery19中央の高架が勝浦バイパス。海沿いから分岐して山側へ通じる(画像:PIXTA)。

 ただ実際の時間短縮効果はそれほどでもなく、多くのクルマが市街地を抜ける旧道を選んだため、収支は不調のまま償還期限の30年を迎え、無料開放されました。現在は国道128号「勝浦バイパス」となっています。

※ ※ ※

 千葉県にはこのほかにも多く無料開放された有料道路が存在し、また現在も料金徴収を続けている道路もあります。これの背景には、千葉県が“山がちの房総半島”“利根川、江戸川などの大河の流域”という特有の地勢から、時短効果を目指す道路が建設費のかかるトンネルや橋に頼らざるを得ないといった事情があると思われます。

 なおいくつかの有料道路は「料金所の迂回」により通行料金の支払いを免れることができますが、多くのドライバーがそうした行動を取った場合、収支の悪化から本来の利便性を発揮できないまま無料開放が遅れ、最終的に税金で尻拭いするという決着になりがちです。

 一方、流山道路のようになかば“強制的”に料金徴収ができる道路であれば、早期の無料開放が実現し、多くの人がその恩恵に預かることができます。

 これはいつの時代にも解決が困難な、難しい問題だと言えそうです。

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