V2以来の「歴史的出来事」ドイツ海軍の水上艦が“史上初めて”弾道ミサイルを発射 実験の映像を公開
- 乗りものニュース |

ドイツ海軍史上初の出来事
イスラエル・エアロスペース・インダストリーズ(IAI)は2026年9月2日、ドイツ海軍のフリゲート艦が同社の弾道ミサイル「LORA」の発射実験を行ったと発表しました。
弾道ミサイル発射実験に使われたF125型フリゲート艦「ザクセン=アンハルト」(画像:ドイツ連邦軍)
発射実験は北大西洋で実施され、ドイツ海軍の作戦実験(OPEX)プログラムの一環として行われたそうです。IAIによると、実戦を想定した2つの発射シナリオが実施され、ミサイルはいずれも計画された飛翔経路を正確にたどり、目標への命中に成功しました。
なお、弾道ミサイルを発射したのは、F125型フリゲート艦「ザクセン=アンハルト」です。同艦にはLORAを発射できる垂直発射システム(VLS)がないため、今回の実験では専用の発射機と指揮システムをコンテナに収容し、艦上に設置してテストを行いました。この方式を実証することで、ドイツ海軍は既存艦艇に大幅な改修を施すことなく、長距離打撃能力を導入できる可能性を示しました。
実は、ドイツ軍の水上艦から弾道ミサイルが発射されたのは、史上初の出来事になります。ドイツ海軍のトップであるヤン・クリスティアン・カーク海軍総監は、今回の発射成功について「海軍史に残る出来事」としています。
ドイツは第二次世界大戦中に「V2ロケット」を開発し、世界で初めて弾道ミサイルを実戦に投入した国ではありますが、戦後は敗戦国となり、東西分裂も経験しました。その後も、戦後ドイツを取り巻く政治・軍事・条約上の事情などから、長距離打撃能力となる弾道ミサイルを運用することはありませんでした。
今回の弾道ミサイル発射実験は、ドイツ海軍が掲げる「Marine 2035 and Beyond(2035年以降の目標)」の一環です。ロシアによるウクライナ侵攻以降、ドイツは数百km先の目標を攻撃する長距離精密打撃能力の不足を強く認識するようになっていました。今回のLORAは、ドイツ海軍にとって、その能力の不足を比較的短期間で補える兵器となる可能性があります。
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