「134年前の鉄道トンネル」40年後に「地すべり」で埋もれ、「76年後に発見」され、無料公開←イマココ……あまりに異空間すぎた!
- 乗りものニュース |

その名も「旧大阪鉄道亀瀬隧道」
かつて「地すべり」によって崩壊したとされた鉄道トンネルが発見され、一般に公開されています。そこに入ってきました。
亀の瀬で第四大和川橋梁を渡る大和路線の列車。下は国道25号(乗りものニュース編集部撮影)
場所は大阪府柏原市。JR大和路線(関西本線)の河内堅上駅から徒歩10数分の「亀の瀬地すべり」地帯にあります。国土交通省 大和川河川事務所が地すべり対策工事を進めている場所で、一般向けの見学施設として「亀の瀬地すべり歴史資料室」が立っています。
見つかったトンネルは、この大和路線が1892年(明治25年)に全通した際の経路にあった「亀の瀬トンネル」です。私鉄の大阪鉄道が建設したため「旧大阪鉄道亀瀬隧道」として、日本遺産「龍田古道・亀の瀬」を構成する物件の一つにもなっています。
大和路線は亀の瀬で、大和川の北岸から南岸へ渡っていますが、かつては北岸の山を亀の瀬トンネルで貫いていました。しかし、1931(昭和6)年から続いた大規模地すべりによって、32年2月に崩壊。戦後も地すべりは続いたため、1960年以降は国の直轄事業として、一帯の山中で地すべり対策工事が今も進められているのです。亀の瀬は地すべりの長さ、幅、深度などが日本で最大級なのだそう。
旧鉄道トンネルには、地すべり歴史資料室のガイドツアーに参加して入ることができます。そのガイド役で柏原市マイクロツーリズム協議会の松川哲也さんは、「地すべり起きると川がせき止められ、奈良盆地や大阪平野に大きな水害をもたらし、6兆円の被害が出ると想定されています」と説明しました。
地すべり工事の対策は大きく2つ、「土を止めること」「水を抜くこと」だと松川さん。前者の対策として、地すべり斜面に最大深さ約100m、直径3~6.5mの巨大な「深礎杭」が170本も施工されているといいます。松川さんは「通天閣に匹敵する高さの杭が、見えないですけど、この山には170本埋められています」と説明しました。
「水を抜く」対策が、集水井(しゅうすいせい)と排水トンネルの施工です。集水井は簡単に言えば井戸。これが54基あり、山の中からたくさんの管を通して水を集めているといいます。その水を最終的に山の外へ排出する排水トンネルは、全部で7本。トンネル総延長は7kmに達するそうです。
そして、その排水トンネルの最後の1本を掘っている際、「大きな空間にぶち当たった」というのが2008年のこと。昭和の地すべりによって、もう存在しないと思われていた旧鉄道トンネルが見つかったのでした。
レンガ積みのトンネルとご対面!「天井みてください」
ガイドツアーでその排水トンネルに入ると、途中で横穴が交差しています。これが旧鉄道トンネル。入口付近は発見当時にとりあえずの補強でモルタルが吹き付けられているものの、奥に行くとレンガ積みのトンネルが姿を現わしました。
亀の瀬地すべり歴史資料室。周辺一帯で地すべり対策工事が行われている(乗りものニュース編集部撮影)
134年前の姿がきれいに残っていたといい、「天井を見てください。汽車の煙ですすけた跡が残っているでしょう」と松川さん。確かに最上部付近は断続的に、灰色の何かがベットリと堆積しているように見えます。
ガイドツアーではここで、プロジェクションマッピングが披露されます。古来から交通の要衝だった亀の瀬および「龍田古道」の歴史を紹介する内容です。ところどころレンガ構造を強調するようなアニメーションが入るのが圧巻でした。
トンネルは約50m続いており、その端は土砂でふさがれています。この状態も「発見当時のまま」とのことですが、旧トンネルは約700mあったとされます。
松川さんに「その先を掘らないんですか?」と聞くと、「もう(トンネルが)動いてしまって存在しないと考えられている」と教えてくれました。
地すべりは長期的に大地が「動く」現象であり、この地では昭和以来、30mも動いているのだとか。トンネルの発見された部分は奇跡的に“すべり”を免れた箇所で、この地では他に、亀の瀬の由来になった大和川の奇岩「亀岩」と、竜王社と呼ばれる祠も元の位置から動いていないと言われているそう。
逆に言うと、かつて周辺に存在した家や田畑のほとんどが、元の位置から動いてしまったわけです。
「長いこと対策工事をしており、国は『もう亀の瀬では地すべりは起きない』と宣言をしています。しかし、この一帯は今でも“工事現場”です」と松川さん。90年近い歳月をかけた、「もう、すべらせない」という日本遺産のキャッチコピーの重みを改めて知ることとなりました。
一目見ようと「地すべり景気」に沸いた過去
1932年2月の地すべりで旧鉄道トンネルが圧壊すると、亀の瀬トンネルの西と東に乗降場が設けられ、乗客は2kmの山道を徒歩で連絡したそうです。その間、珍しい地すべりを見ようと2万人が詰めかけ、地域は「地すべり景気」に沸いたとか。
旧大阪鉄道亀瀬隧道のプロジェクションマッピング(乗りものニュース編集部撮影)
ちなみに、この当時には亀の瀬の状況を撮影して印刷した絵葉書も発行されましたが、これらは柏原市によって複製され、歴史資料室のグッズとして1枚100円で売られています。
鉄道の復旧工事が始まったのは同年の7月で、正月のお伊勢参りに間に合わせるべく急ピッチで工事を進め、1933年の元旦に、現在の大和路川南岸をゆく大和路線のルートが開通して復旧したそうです。資料館からも見える大和川と国道25号をまたぐ第四大和川橋梁は、「あの立派な橋を半年で……」と驚かずにはいられません。
歴史資料室から旧鉄道トンネル(排水トンネル)入口までの途中には、旧「亀の瀬地滑り資料館」が残っています。国土交通省 大和川河川事務所は以前から旧鉄道トンネルの見学を受け付けていましたが、“インフラツーリズム”の強化と、地域連携を目的に2024年、現在の「亀の瀬地すべり歴史資料室」としてリニューアルオープンしました。
施設のデザインには、奈良出身で数々の鉄道車両のデザインを手掛ける川西康之さん(株式会社イチバンセン)も携わり、官民連携で整備。ガイドツアーには柏原市マイクロツーリズム協議会もかかわることになりました。現在は土日を中心に午前と午後の1回ずつ、60分と45分のガイドツアーを行っています。
なお、歴史資料室の入場もガイドツアーの参加も、すべて無料です。ガイドツアーはウェブサイトから予約が必要ですが、満席のことが多い模様。ただ、現時点ではこのガイドツアーも「実証段階」だといい、今後変わっていく可能性もあります。
国が主導するインフラツーリズムで見学できる施設は、ダムや河川、道路など全国に多数ありますが、鉄道が絡んだ案件は貴重といえます。ただ、松川さんによると目下の課題は、お土産の「電車グッズが少ない」ことだとか。近くを走る近鉄のグッズは多数ありますが、「大和路線グッズ」も今後増え、資料室に並ぶ日が来るのでしょうか。
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