「JAL機とデルタ機の翼接触」事故、米で発生…見えた事実と背景とは? 空港設計に変化の可能性も
- 乗りものニュース |
シアトルの空港で発生したJAL機とデルタ航空機の接触事故。原因はこれから調査されるものの、概況が説明されています。どのような背景が考えられるのでしょうか。
実は除雪ゾーンは「当局の管轄外」
アメリカのシアトル・タコマ国際空港で2025年2月5日、ボーイング787-9で運航されていたJAL(日本航空)68便が着陸後の地上走行時、ボーイング737で運航さていたデルタ航空1921便に接触する事故が発生しました。これはFAA(アメリカ連邦航空局)で「航空事故」として認定され、これから調査が開始されます。
上が接触事故を起こしたJALの787-9「JA868J」。下がシアトル・タコマ空港に駐機するデルタ航空の737型(乗りものニュース編集部撮影/デルタ航空公式SNSより)。
双方の航空機にケガ人は発生していないと発表されているものの、事故の映像を見ると駐機中のデルタ航空機にJAL機が接触し、デルタ航空機の垂直尾翼にJAL機の主翼が突き刺さるような位置で停止しています。
そもそも、航空機の事故は天候や機体の故障が原因である場合を除くと、複数の要因が重なって発生することがあります。あくまで、今回の事故原因はこれから詳細が発表されるものです。
とはいえ、空港当局と航空管制を行っているFAA(連邦航空局)では、今後の調査次第で内容が変更される可能性があると前置きして今回の事故に関してコメントを出しています。
それによると、デルタ航空機は徐氷作業場で除氷の順番を待っており、そこへ地上走行してきたJAL機が接触した――となります。なお、除氷作業場は航空管制の管轄外であるということです。空港内にありながら管制の管轄外というのは意外といえます。
少なくとも写真を見る限りですが、デルタ機は除氷位置を示す黄色の四角形の中に駐機されているように見えます。一方、JAL機は着陸後、滑走路からターミナルに向かって地上走行していました。この時は「グラウンドコントロール」と呼ばれる地上担当管制官の指示に従って指定された経路上を走行していたものと考えられます。
通常の環境下であれば、固定翼機の地上走行は中心線から大きく外れて走ることは、あまり考えられません。
機体の設計トレンドに空港はついていけてる?
航空機は空港内を地上走行するときは「タキシーウェイ」と呼ばれる誘導路を走行する決まりがあります。この誘導路は舗装の上に黄色の実線で描かれ、線が見えない夜間は緑の照明により位置を表示する仕組みです。
シアトル・タコマ空港(乗りものニュース編集部撮影)。
パイロットはこの中心線に機体の中心をあわせ、駐機場と滑走路を行き来することで、センターラインをキープしたまま地上を走れるのです。
今回の接触事故では、この誘導路の上を走行していたにも関わらず、除氷中のデルタ航空機と接触したのであれば、舗装に描かれたマーキングに問題がある可能性も考えられます。
事故が起きたワシントン州・シアトルは、アメリカ北西海岸に位置し、上空は重度の着氷条件が発生することで有名です。世界初の超音速旅客機「コンコルド」も試験機がワシントン州に派遣され冬のシアトル上空で着氷状態での試験飛行を行いました。そんな場所に位置するシアトル・タコマ国際空港においては、除氷作業が極めて重要な作業といえ、仮にマーキングに問題があるのならば、早急に改善が必要です。
また、今回の事故のもう一つの背景として、航空機の翼幅が以前より大きくなっている傾向にあることも考えられるでしょう。翼幅を伸ばし、翼を大きくすることは燃料消費を減少させるため巡航中の空気抵抗を下げる効果があります。
今回事故を起こしたJAL機はボーイング787-9で全長62.8mであるものの、翼幅は60.12m。全長70.6 mの2階建て胴体で「ジャンボ機」と呼ばれ、かつて超大型機の象徴とされたボーイング747(在来型)よりも50cmも幅が広いのです。
現在ボーイングが開発を進めている大型機「777-9」でもそのトレンドが継続されており、全幅は71.8mにも及びます。そのため、主翼の先端が折り畳める機構が採用され、翼端を折り畳んだ状態で全幅64.8mまでサイズダウンすることで、既存の駐機場施設でも問題なく運用できるような設計となっています。
事故の原因はこれから調査が始まる状況下であるため、決して断定をすることはできません。ただ、こうした新型機の傾向も踏まえて、今回の地上接触事故の詳細が判明した時点で、除氷場の位置変更をする対策が講じられることもあり得るのではと筆者は考えています。
【動画】これがJAL機側から見た「接触の瞬間」です
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