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「エンジン二刀流のビジネス機」ってマジ…? 中国民間航空界の最新事情がスゴイ! 日本とはレベチだ

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  • 乗りものニュース
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中国国際航空宇宙ショー、「中国航展」では現在、目覚ましい急成長を遂げている中国国内の民間航空産業の最新状況を見ることができました。

「Cシリーズ」以外の新型機も

 2024年11月12日から17日までの5日間にかけて中国国際航空宇宙ショー、「中国航展」が開催されました。ここでは現在、目覚ましい急成長を遂げている中国国内の民間航空産業の最新状況を見ることができました。

Large 01C919(画像:COMAC)。

 この航空ショーでは、多数の新型軍用機が展示されただけではなく、民間機も多数の企業が参加しました。

毎日デモフライトを実施した中国製旅客機C919は受注総数が1000機に達し現在欧州航空安全機関(EASA)の「型式認証」取得に向けた作業を行っていることを公表しました。これが取得できれば、欧州圏内でC919を実用化でき、それらの国にセールスもかけやすくなります。

 この機の製造メーカーであるCOMAC(中国商用飛機)はC919に続いて、より大型で、ボーイング787クラスの機体規模となる C929も開発中であると発表しています。

 そして、新型機を開発しているのはCOMACだけではありません。

大連市に拠点を置く九成通用航空も複数の機種を開発中で、会場にモックアップ(原寸大模型)を展示しています。同社では8~10人乗りのビジネス機兼コミューター機のJC-900はターボプロップ双発で巡航速度はマッハ0.4。JC-900Jetは同じ胴体と翼を使用してジェットエンジンを装備し、マッハ0.6で巡航できます。

 同じ機体でプロペラエンジンとジェットエンジンの二種類を製品化するというこのユニークな設計コンセプトは、過去にはドルニエ Do328でも採用されましたが、ジェット機の方は開発中止となってしまいました。そのため、九成通用航空の試みは注目されるでしょう。

 同社ではさらに横3列配置の客室を持つリージョナルジェットを開発中。同ショーでは、胴体部分のモックアップが展示されています。この機の詳細は発表されていませんがCOMAC製C909よりも小規模な機体マーケットを対象にしているようです。

 中国が旅客機だけでもこうした複数のプロジェクトを同時に進めることを可能にしている大きな要因として豊富な人材の存在があります。これは国策として航空産業従事者を増やしてきた成果です。

日本差つけられるぞ?中国の民間航空の現状

 その基礎となるパイロット免許保有者を増やすために中国政府は10年以上前に大きな政策転換を断行しました。パイロットの養成費用が圧倒的に低い軽量スポーツ航空機(LSA)を導入したのです。

 現在では中国におけるパイロット免許保有者数は約8万人。その60%が航空会社のパイロットです。小型機の数は3300機でおよそ900の企業もしくは団体により運航されています。運航コストが低廉なLSAはパイロットの養成に広く使用されていて、事業用操縦士免許取得に必要な飛行訓練の70%をLSAで行うことが認められています。

 これはパイロット養成という高付加価値産業において圧倒的なコスト競争力を持つことを意味します。今や全世界が取り入れているLSAですが、残念ながら日本では飛行訓練どころか実用機としての運航が認められていません。

 つまり、航空の分野で日本だけが世界から取り残されているわけですが、LSAが日本でだけ認められていない状況には合理的な理由を見つけることができません。

 ここでC919の欧州型式認証の話に戻りましょう。EASA(欧州航空安全機関)と中国政府は航空機の相互認証に関する合意を2019年に締結し2020年から発効しました。C919はこの合意が適用される最初の機種になる見込みです。EASAがC919の型式認証を認めることは、機体そのものが安全である証明だけでなく、中国の航空当局には欧州基準で機体の型式認証を行う能力があると認定することを意味します。これは中国の航空機産業と航空当局にとって大きな一歩となることでしょう。

 一方日本では、三菱航空機がMRJ/MSJの開発に失敗したことは記憶に新しいところです。つまり民間航空の分野では、さまざまな点で中国に差をつけられてしまっていると言わざるを得ないでしょう。こうした諸外国の状況を冷静に直視して、この原因について考え直してみる必要があると筆者(細谷泰正・航空評論家/元AOPA JAPAN理事)は考えています。

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