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技術力に絶対の自信! 筑波精工があえて「プロ市場」に上場したワケ

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  • J-CAST ニュース
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ポー社長は「プロ市場はタイムリーな資金調達が可能」と語る。
ポー社長は「プロ市場はタイムリーな資金調達が可能」と語る。

2018年11月28日、栃木県三川町で静電吸着システムの開発、製造を手がける半導体機器メーカーの筑波精工が、東京証券取引所の「プロ市場」に上場した。

上場の「鐘」を鳴らした傅寶莱(ポー・フォライ)社長は、中国系マレーシア人。「第二の創業みたいな感じです」と感慨深げだ。

アベノミクスで株式を上場(IPO)する企業が増えるなか、プロ市場で資金調達を伴う上場は、およそ6年半ぶり。1985年6月に設立された無名の中小企業が、機関投資家などが集まる、一般の個人投資家にはなじみの薄いプロ市場に、あえて上場するにはワケがあった。

8億円超を資金調達 東証も期待する上場

東証プロ市場への上場にあたり、筑波精工が募集で集めた資金は、69万5000株、8億6875万円(1株当たり1250円、2018年11月27日現在)にのぼる。東証によると、プロ市場への上場は2017年に7社。今年は筑波精工の上場を含め8社(12月に1社)が上場する。

東証や証券会社を驚かせたのは、調達した資金額とその手法だ。市場第1部や東証マザーズなどの一般市場で株式を上場する場合、通常は証券会社が幹事証券や株式の引受証券となって投資家を募る。しかし、筑波精工の場合はアイ・アールジャパンが上場を希望する企業の上場適格性を評価(調査・確認)するとともに、上場までの過程で助言・指導する、東証から資格を受けた「J-adoviser」としてついた。

つまり、証券会社の引き受けなしで資金を調達したわけだ。研究開発型ベンチャー企業を発掘し、支援・育成してきたTNPパートナーズ副社長の新堀洋二さんは「証券会社さんはみんな断ってきましたからね」と、振り返る。

企業が株式を上場する目的は知名度の向上もあるが、なんといっても資金調達にある。とはいえ、プロ市場は機関投資家が集まりやすいものの、これまでは世界的に競争力があって、資金調達に強いベンチャー企業の上場がなかったのが弱点。筑波精工は、そんなプロ市場で8億6000万円超を集めた。通常、東証マザーズ市場の資金調達規模が平均11億円。8億円規模はジャスダック市場並みにあたる。

新堀さんは、「引き受け証券会社なしでこれだけの金額が集まることに、証券会社がビックリしていると思いますね」と話す。

もう一つの驚きは、6社の出資企業にまじって、17人もの個人投資家が申し込んだことだ。「プロ市場」というネーミングもあって、個人投資家にはなじみが薄いのだが、東証では「プロ」の定義を、事業会社であること、3億円以上の金融資産で1年以上の経験を有することとしている。じつは個人が投資してはいけない市場ではないのだ。

TNPパートナーズの子会社で、リードベンチャーキャピタルとしてポー社長をサポートしてきたTNPオンザロードの山下勝博社長は、「金融資産3億円超の資産家の方はいます。ただ、『プロ市場』の認知度が低く、証券会社も売ろうとしないだけなんです。筑波精工のように技術力が高く成長が見込める研究開発型のテクノベンチャー企業は多くあります。そういう企業の資金調達に資する市場になってほしい」と意気込む。

また、東証も「マザーズも6、7割が個人投資家で占めています。個人が参加する市場でないと活性化していきません。その意味で(筑波精工の上場は)プロ市場に個人が参加できることを印象付けました。これが起爆剤になってくれればいいのですが」と期待を寄せる。

上場まで1年、タイムリーな資金調達で成長チャンスをつかむ

筑波精工のポー・フォライ社長は、プロ市場に上場した理由をこう説明する。

「最先端技術は日々発展していますし、お客様からのニーズも多くあります。しかし、自分が研究した技術を生かしてビジネスに踏み出そうとしたときに、まとまった資金がなければ波に乗っていけません。東証マザーズは上場するまで2年かかります。また、第三者割当増資で資金調達しようとすると、せいぜい1億円です。これでは正直、成長するチャンスがありません。そこで上場審査に1年しかかからない『プロ市場』を選んだのです」

さらに、

「高い技術力がありながら、資金調達に腐心するベンチャーや中小企業は少なくありません。(プロ市場への上場は)そんな企業の先達になれればと思っています」

と語り、「これはチャレンジです」と胸を張る。

ポー社長は東京大学の博士課程で「静電界を用いた吸着技術」を研究してきた。半導体のシリコンウエハーはいまや、さまざまな場面に使われているが、今後さらに役立てていくにはウエハーを薄く、大口径化する必要がある。薄いウエハーを吸着補強するため、これまで接着剤で貼り合わせていたウエハーを、ポー社長が研究してきた技術を生かして、一度ウエハーを吸着すると無外部給電で半永久的にウエハーを吸着維持できる新商品「サポーター」を開発した。

貼り合わせたウエハーは、ずらそうとしてもずれない。無理やりはずそうとすれば、割れてしまう。はがすときは、電圧かけて解除するだけで離れる仕組み。これにより接着剤を使っていたときよりも、より薄いウエハーの生産プロセスを可能にしつつ、コストダウンを実現した。

この「サポーター」を使ったウエハーで、たとえば電気自動車を長距離、高速にするためのインバーターのスイッチング抵抗を小さくしたり、自動運転のクルマの周りあるセンサーを迅速、かつ高速でも作動したりするようにするわけだ。

日本は知財をもつ研究開発型ベンチャーへの投資が遅れている

研究・開発がはじまったのは2007年。ポー社長は、「ほんとに、みるみるうちに半導体が薄くなってくのが見えるんです。これが本物なんだと思って。そこから生産速度が変わって、1枚のウエハーの1枚1枚がいっしょにくっついて、生産、加工補強されるのでウエハーの枚数分だけ、つまり何百万枚が必要になるわけです。これは従来のビジネスモデルではない、数千億円の市場であることがわかりました」という。

この市場のトップランナーになれるチャンスが到来したわけだ。

「電気自動車や自動運転車、太陽電池にカメラのSIMセンサーなどには、薄型ウエハーがどんどん要求されてきて、この1年間でうちに多くの案件が集まりました」と、ポー社長。 半導体デバイスの薄型化、大口径化は確実に進む。「たとえば、韓国では新たなテクノロジーがあれば、そこにベンチャーキャピタルの資金が集まります。しかし、日本はそれが成り立たないんです。モノは壊れないかどうかが大事だし、トラブルが起きたときの保証は? などという。それは商慣習なのでしょうが、日本は遅れています」と指摘。「なので、自分が先陣を切って、突破口を開いていきたい」と、力を込める。

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