「峠の向こうも同じ“道の駅”です」市すら違う!? 珍奇「3つで一つの道の駅」攻略法 超人気おでんはどこで食える?
- 乗りものニュース |

全国でも珍しい“三位一体”の道の駅
今や全国で1200か所以上を数える道の駅。その多くは、道路の片側に駐車場と物販施設や休憩所を備えた建屋が配置された構造になっていますが、中にはエリアが1か所ではなく“分散”されているケースもあります。
国道1号。「道の駅 宇津ノ谷峠」の上り線静岡市側から飲食、物販施設のある下り線側へは、奥の歩道橋を使ってアクセスする(植村祐介撮影)
たとえば沖縄県名護市の「道の駅 許田」のように、国道58号をはさんだ反対側にも独立した駐車場があり、歩道橋で行き来できるようになっているところや、福島県二本松市の「道の駅 安達 智恵子の里」のように、国道4号の上下線それぞれに駐車場と飲食施設などが配置されたところも。
なかでも変わった構造なのが、静岡県の「道の駅 宇津ノ谷峠」です。市境のトンネルを挟んで3か所に分かれており、場所の異なる3つの施設を一つの道の駅としています。
宇津ノ谷峠は、静岡市を流れる丸子川と藤枝市を流れる木和田川、それぞれの上流部の谷が山に分け入った鞍部をつなぐ峠です。
現在は「国道1号」がトンネルで、過去には「旧東海道」もこの峠を越えていましたが、峠道そのものの歴史はさらに古く、平安時代以前にさかのぼります。
そして道の駅 宇津ノ谷峠は、この峠をトンネルで貫く国道1号に沿い、静岡市側は上り線と下り線に、藤枝市側は上り線に、それぞれ駐車場と建屋が配置された珍しい構造となっているのです。
3つの施設それぞれの特徴と“難点”
道の駅宇津ノ谷峠の「上り線 静岡市側」は、国道1号が「新宇津ノ谷トンネル」を出てすぐ左手にあります。設備自体は3か所のなかでもっともシンプルで、駐車場のほかはトイレがあるのみです。ただ駐車場台数は大型12台、普通25台、障がい者スペース2台と、ゆとりがあります。
しかし難点は、売店や飲食施設がある「下り線 静岡市側」までのアクセスが悪いことです。
この間を走る国道1号は交通量が非常に多く、道路の反対側に渡る横断歩道はありません。歩いて移動するには、駐車場の端からトンネル側に100mほどのところにある歩道橋を渡り、大回りするしかないのです。
一方、反対側の「下り線 静岡市側」は、前述のように売店、飲食施設があり、また広い休憩スペースも用意されています。さらに24時間利用可能なEV充電器も設置されています。
ただしこちらにも難点があります。駐車場の台数が大型車12台、普通車18台、障がい者スペース2台と手狭なことです。
これは「苦肉の策」か…?
「下り線 静岡市側」の飲食施設には静岡おでんの有名店「天神屋」が入居していることもあり、平日のお昼どきや休日など、利用客が多い時間帯は駐車場が満車になり、丸子川沿いの車路に縦列駐車するクルマも見受けられます。駐車場の収容台数は需要に対し明らかに少ないと言えるでしょう。
またこの道の駅は、古道「蔦の細道」へのアクセスが容易で、館内にも案内パンフレットがありますが、そうしたトレッキングを楽しむ人に向けて「駐車場利用を控えるよう」お願いする掲示もあり、ややちぐはぐな印象です。
もうひとつの「上り線 藤枝市側」は、新宇津ノ谷トンネルの手前にあり、駐車場は大型車5台、普通車38台、障がい者スペース2台で、普通車については最も規模が大きくなっています。
ただその反面、施設はやや“地味”です。建屋内には休憩スペースがありますが、古めかしさのある雰囲気です。また産直の野菜などを扱う物販スペースは、農家の軒先にあるような規模で、“大規模産直コーナー”を設けた今風の道の駅とは趣がかなり異なると言えるでしょう。
どう使い分ける? 課題は“連携不足”
このように、3か所でそれぞれ個性のある道の駅ゆえ、利用にはちょっとした心構えが必要です。
上り線藤枝市側の「道の駅 宇津ノ谷峠」は、左カーブの左側にある。手前のバス停への誤進入に要注意だ(植村祐介撮影)
まずクルマを止めて仮眠する、トイレ休憩するといった用途であれば、「上り線 藤枝市側」「上り線 静岡市側」で十分です。
もし国道1号下り、静岡市方面からのアプローチで、「下り線 静岡市側」に駐車場の空きがない場合も、「上り線 静岡市側」への入場は可能です。まず、いったん道の駅内の車路を通り抜けて静岡県道208号に出ましょう。トンネルの手前で国道1号をいったんオーバーパスし、つぎの丁字路を右折すれば、国道1号の上り線を経由して「上り線 静岡市側」の駐車場入口となります。
休憩だけでなく、名物の静岡おでんを食べたい、また周辺の観光情報のパンフレットをもらいたいという用途なら、「下り線 静岡市側」一択です。国道1号上り、藤枝市方面からのアプローチでは、いったん道の駅を通りすぎて「逆川」交差点でUターンすればOKです。このときもし駐車場が満車なら、前述のルートで「上り線 静岡市側」に入り直しましょう。
ただこの道の駅 宇津ノ谷峠は、たとえば静岡市側の上下線の施設間の歩行者の順路や、満車だったときの反対側駐車場への誘導などの案内がないなど、連携に不足を感じるところがあるのは否めません。
そうした不便を解消した上で、「国道1号沿い」「徒歩圏での歴史的遺産」という立地をもっと活かせば、単なる休憩施設ではなく、“平安時代から続く歴史の道を訪ねる”という道の駅になるのではないでしょうか。今後のそうした発展を期待したいと思います。
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