原価率は45%以上 東池袋大勝軒に心底惚れた「元ミュージシャン店主」が作る極上の中華そば
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少年時に受けた「東池袋大勝軒」の衝撃
東武東上線「上板橋駅」南口に、行列必至のラーメン屋「魂の中華そば」(板橋区上板橋)があります。2015年12月11日のオープンから約6年。開店当初は来客が少なかったものの、おいしいという口コミが徐々に広がり、沿線で注目される人気店となりました。
「魂の中華そば」のラーメンは、動物ガラと魚の乾物が合わさったWスープと言われるジャンルです。スープは双方のうま味成分、イノシン酸とグルタミン酸が重なり、力強い味わいに変化します。そんなスープを飲むと、ガラのうま味を後追いするように魚の乾物の風味が包み込んでいく心地よいおいしさを感じます。

店主の武藤さんはラーメン店での修業経験はありません。
ただ子どものころから料理好きで、おいしい食べ物に出合うと、それを再現しなければ気が済まない性格でした。また小学生のころから「東池袋大勝軒」に通いつめ、「いつかこんなラーメン屋を開きたい」という夢を抱いていました。
ステージミューシャンを経て開業
そんな武藤さんですが、大学在学中にステージミューシャンのベーシストとしてプロデビューします。つのだ☆ひろさんのバックバンドを努め、その仕事柄、コンサートツアーで全国を訪れ、ご当地ラーメンや名物料理を食べ続けてきました。この経験が現在の仕事の礎となりました。
その後、諸事情で実家の家業を継ぐため、ミュージシャンを引退。経営者としての道を歩み始めます。
新しい仕事に慣れてきたころ、子どものころからの夢だったラーメン屋を開業したいという思いが沸々と込み上げてきた武藤さん。その思いを抱きながらおよそ1年間、納得のラーメン作りを追求する日々が続きました。
試行錯誤を繰り返し、試食に試食を重ね、そして待望の店をオープンさせました。

スープが短時間で仕上がるメリットから、開店当初は圧力釜で使っていました。しかし、スープが完全に乳化(水と油が決着する状態)する状態に納得がいかず、時間がかかるものの、通常のずんどう炊きに変更。その結果、軽やかながら深みのある現在のラーメンが生まれました。
自家製麺は中太ストレート
スープは大量のゲンコツ(豚のひざ間接)、豚足、モミジ(鶏の足先)などを長時間炊き、サバ節などの乾物を時間差で加えて、うま味を抽出。ほんの少しだけ乳化させています。
自家製麺はややストロークの長い中太ストレート。ツルツルの歯ざわりとともに滑らかさが表現されています。
このスープと麺から紡がれるラーメンは、かつての東池袋大勝軒の味わいをほうふつとさせながら、「魂の中華そば」ならではの力強さがさらに加わった一杯となっています。

また、つけ麺は「丸長中華そば店」(杉並区荻窪)に敬意を込めたもので、東池袋大勝軒同様、本家より輪郭のハッキリとした味わいに仕上がっています。
1年続いた原価率との戦い
基本のラーメン作りは、武藤さんが開店当初からすべてこなしていますが、本業の傍らで店を切り盛りするのは難しいため、本業の従業員だった若林さんを店長に抜てき。現在も彼とともに、納得のラーメン作りに励んでいます。
「魂の中華そば」は良質の素材を惜しみなく使用しているため、一般的には25~35%と言われるラーメン一杯の原価率が45%以上と高く、開店から1年ばかりは認知度も低かったこともあり、採算がなかなか取れませんでした。武藤さんは他店と似たような食材でラーメンを作ると、納得の一杯には程遠いと感じていたのです。
しかし口コミでうわさが広まり、やがて行列店に。その結果、ラーメンの杯数が増えたため、高コストでもある程度は採算が取れるようになりました。
前述の通り、武藤さんはおいしいと思ったものを再現したくなる性格なので、成人の日といった祝日や開店記念日などに、全国にある他店のラーメンに店なりのアレンジを加えた特別限定ラーメンを提供しています。

他店のラーメンとは具体的に、鐘ヶ淵にある「ラーメンみんみん」(墨田区墨田)の名物・塩パーコー麺、「ラーメン二郎 目黒店」(目黒区目黒)のラーメン、「てんぐ食堂」(京都市)のカレー中華。学習院下にあったそば屋「栄家」の醤油ラーメン。「飯田商店」(神奈川県湯河原町)の昆布水つけ麺などで、このイベントは同店ファンにとってひそかな楽しみとなっています。
今後、移転予定あり
私(小野員裕、フードライター)は特別限定ラーメンをすべて味わいましたが、どれも優れており、本家の味わいを昇華させているものもあるほどでした。
それに対して、武藤さんは
「現在のラーメンにまだ納得しているわけではありません。さらに素材を吟味して、僕自身が心の底から納得のいくものを完成させたいと思っています」
「まだ出合ったことのないラーメンに、今後巡り合う可能性もあります。それがビックリするようなものだとしたら、またそれも楽しみですね。それよりさらにおいしいものを作ってやろうって、意欲がかき立てられます」
と語ります。
通常のラーメン、つけ麺ともに誰もが納得する一杯ですが、おいしいラーメンを追求する武藤さんは、それ以上のものを求めてやまないのでしょう。

店はカウンター8人席ながら製麺機も置いているので、かなり手狭。武藤さんはもう少し大きなスペースの物件が見つかれば、移転したいと考えています。
通常のラーメンはもちろんのこと、全国のラーメンに敬意を込めた一杯を食べられる日が今後も待ち遠しくて仕方ありません。
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