目の前に「日本人が行けない日本」がある!“最果てのバス停”はどんな場所なのか 実際に訪れてみた
- 乗りものニュース |
![](https://trafficnews.jp/wp-content/uploads/2025/02/250205_nemuro_01.jpg)
日本最東端のバス停は北海道根室市にあります。最果てを感じさせる場所であると期待して訪れてみたところ、意外な光景が広がっていました。
新たな「日本最東端の駅」からバスに乗る
日本本土で最東端にあるバスの停留所は、北海道の東南部に位置する根室半島の先端・納沙布(のさっぷ)岬の最寄りである「納沙布岬」停留所です。納沙布岬のすぐ東側には歯舞(はぼまい)諸島、北側には国後(くなしり)島というロシアが実効支配している北方領土があります。本土の“最果ての地”は一体どんな場所なのか、実際に行ってみました。
納沙布線。平日は1日5往復、土日祝日4往復運行される(水野二千翔撮影)。
納沙布岬へ行く根室交通の納沙布線は、JR根室本線(花咲線)の終点・根室駅前のバスターミナル(駅前ターミナル)から発車します。ちなみに「日本最東端の駅」はひとつ手前の無人駅の東根室駅ですが、2025年3月ダイヤ改正で廃止が予定されているため、それ以降はここ根室が日本最東端の駅となります。
観光案内所や物産販売所を併設したバスターミナルには2番線まであり、納沙布線は1番線に発着。2025年1月の雲一つない晴天に恵まれた平日、8時20発のバスに乗車することにしました。
入線しているバスの行先表示器を見ると「太平洋まわり納沙布岬ゆき」という表記があります。根室半島は納沙布岬を境に南海岸が太平洋、北海岸が根室湾・オホーツク海に面しており、納沙布線は南海岸を走行することを表しています。北海岸側もぜひバスで行ってみたいところですが、残念ながら定期の路線バスはありません。
車内に入るとすでに8人の乗客が発車を待っていました。そのなかにはアジア系インバウンド観光客の姿もあり、運賃を支払う仕組みがわかりづらかった様子で、しばし運転手とやり取り。理解できたようですが、インバウンド観光客は日本の隅々にまで到達しているのだと実感できる一幕でした。
定刻に出発したバスは、市役所や市立病院がある根室市内の中心を進み、根室交通有磯営業所の前を右手に見て通過。市内唯一の根室高校を通過して市街地に別れを告げると、やがて目の前に北海道らしいまっすぐな道路が現れました。その奥には、太平洋が陽光をキラキラと反射させており眩しいほどです。
友知(ともしり)停留所を過ぎる頃になると、太平洋が右手の車窓にピタリと寄り添い納沙布岬までお供します。一方、左手には広大な大地を利用する牧場の看板が散見されました。
本土の「目と鼻の先」が不法占拠されていた
豊かな自然が感じられる納沙布線ですが、同線が通る道道35号線の沿線には約200人(2023年12月31日現在。以下同)が暮らす友知や双沖(ふたおき)、約400人が暮らす珸瑤瑁(ごようまい)といった町が点在しており、停留所もこまめに設置。最果ての地へ向かう路線のため、段々と人里離れた場所へ向かうのかと思いきや、車窓には漁港や郵便局、神社やお寺が次々と出現し、人々の生活が感じられます。
約600人が住む沿線最大の町である歯舞には8つの停留所が設置され、歯舞郵便局前停留所の近くには北海道ご当地コンビニ「セイコーマート」があり、買い物に困ることはなさそうです。ちなみに根室半島一帯は根室市ですが、1959年の合併までこの地は「歯舞村」で、北方領土の歯舞諸島は同村の一部でした。
さて、途中停留所で乗降がないまま走行したバスは、定刻9時4分に終点の納沙布岬停留所へ到着しました。
一帯には「根室市北方領土資料館」や「北方館」といった資料館や土産店、北方領土返還を願うモニュメントが点在し、やはり最果ての地、最東端といった雰囲気はやや薄い印象です。それでも海を見渡せるポイントに立てば国後島や歯舞諸島の水晶島が見え、想像以上に北方領土は北海道から近いのだということがわかります。
納沙布岬からわずか3.7kmの海域には、1937年に日本が建設した貝殻島灯台がありますが、この灯台までロシアが実効支配しており、ここが最も近い北方領土となっています。本土の「目と鼻の先」にある場所を、実質ロシアにされてしまっている状態が続いています。
ちなみに、2月7日は「北方領土の日」として定められています。この日は1855(安政元)年に静岡県の下田で日魯通好条約が調印され、平和的な話し合いのもとで北方4島(択捉〈えとろふ〉島、国後島、色丹〈しこたん〉島、歯舞諸島)が日本領であることが両国で確認された日となっています。
このように、日本最東端の停留所周辺は、人気のない自然に囲まれた場所ではなく、人々の生活を感じることができ、外国人も訪れる観光地ともなっていました。また、未だ復帰の目途が立たない国土に思いを馳せる場所でもあります。
なお、折り返しのバスは9時55分発。筆者は次の取材のため同便でバスターミナル方面に引き返しましたが、周囲を見て回るにはやや時間がたりないと感じました。その次の便は12時40分発なので、約3時間30分の滞在で、資料館の展示や納沙布岬灯台などをしっかり見学し、昼食を食べてから戻れるでしょう。
ちなみに9時55分発の便では、珸瑤瑁局前、双沖入口、友知の各停留所で1人ずつ乗車。根室の市街地へ行く地域の足としての役割をきちんと担っている姿も見て取れました。
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