ルーツは板橋区 「蒙古タンメン中本」に熱狂的ファンが集う3つの理由
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「中本」はラーメンにあらず?
見た目のインパクトや常習性のある味わいで、個性的なラーメンとして思い浮かぶのが「蒙古タンメン中本」です。食欲がかき立てられる真っ赤なみそスープ。そのジャンクなビジュアル通り、ニンニクの風味がバッチリ効いた鮮烈な辛味とうま味は、病みつきになります。

そのとりこになった人のなかには、毎日のように通い続ける「中本マニア」も数多くいます。辛いものが恋しくなったとき、お酒を飲み過ぎた翌日や体調のすぐれないときなど、中本のラーメンを食べると汗だくになり、体の芯から力が湧いてきます。
もはやラーメンというより「中本と言う食べ物」なのかもしれません。港区三田の「ラーメン二郎」が「二郎と言う食べ物」と称されるように、蒙古タンメン中本もラーメンのカテゴリーから逸脱していると言っても過言ではありません。
そんな蒙古タンメン中本の人気メニューは、極辛の真っ赤な「北極ラーメン」や「冷やし味噌(みそ)」、マーボー豆腐と野菜があしらわれた辛味の穏やかな「蒙古タンメン」などです。
社長の白根誠さんはかつて、「“中本通”は、最終的に味噌卵麺にたどり着きますね」と言っていました。ちなみに味噌卵麺とは、みそスープに極辛の北極スープを加え、ゆで卵をあしらったラーメンです。
学生でいつもにぎやかな店内
蒙古タンメン中本には「中本」という前身があります。私(小野員裕、フードライター)が中本にハマったのは高校生1年生の頃。店舗はかつて、東武東上線「上板橋駅」南口の線路脇にありました。
先代の店主・中本正さん、奥さんと、パートの女性ふたりが入れ替わりで店を切り盛りしていました。客層は、東上線沿線の高校、大学生が多く、特に上板橋にある都立大山高校(板橋区小茂根)、私立城北高校(同区東新町)の学生でいつもにぎわっていました。
当時から定番メニューは変わらず「北極ラーメン」「蒙古タンメン」「樺太ラーメン」などで、鮮烈な辛さやニンニクの風味、うま味の効いたみそスープ、独創的で奇抜なネーミングの面白さで人気でした。

たまに一般的なラーメン店と勘違いしてふらっと訪れる客に「うちのラーメンは辛いですけど、大丈夫ですか?」と、中本さんがたずねていた光景を記憶しています。
店がもらい火で全焼も見事復活
その当時、私は週1で通い、カウンターに座ってあの独特なラーメンの謎を探ろうと、使われている具材や中本さんの一挙手一投足を見逃さずに観察していました。
ラードを使って水で戻した乾燥ニンニクなどを炒め、スープ、合わせみそを入れ、そこに大量の一味唐辛子を加えてグツグツと煮込むスタイル。忙しいときは丼にゆで上げた麺がしばらく放置されるため、麺が伸びることが多々ありましたが、みんな中本さんをリスペクトしていたので、文句を言う人はいませんでした。
そんなある日、店が災厄に見舞われます。隣接していたレンタルビデオ屋からのもらい火で店が全焼し、しばらく閉店してしまったのです。

後に、立教グラウンド(現・城北中央公園)に近い板橋区桜川で、自宅兼店舗を再オープンしました。再建を待ち望んでいた中本ファンは、その復活に誰もが歓喜したのを覚えています。
やがて雑誌やテレビに紹介されるようになると、毎日絶え間ない行列で、入店するのに苦労したものでした。
閉店後、再び復活
会社員になってからも変わらず週1で通っていましたが、惜しまれつつ1998(平成10)年12月に閉店してしまいました。「ああ、あのみそラーメンがもう食べられないのか」と誰もが落胆しました。
私は店に長年通い続けて、ラーメンの作り方を頭にたたき込んでいたので「だったらいっそのこと自分で店を開こうか」と思ったほどでした。
そして2年後の2000年1月、私宛てに1通のハガキが届きました。文面は「中本復活!」でした。とても驚きました。中本から蒙古タンメン中本に店名を改め、社長には私と同様中本ファンだった白根誠さんが就任しました。

新店は旧店舗に近い城北公園通り沿いにありました。うわさを聞きつけたファンが殺到し、再び長蛇の列になったため、近隣からの苦情も多々あったようでした。
当時、私は『週刊朝日』のグラビアページ「魂のラーメン」の連載を始めた頃でした。早々取材を申し込み、中本正さんと社長の白根誠さんからいろいろなお話を聞くことができました。
社長の白根さんは当時から独特なファッションで、ちょっとクセのあるような印象を持っていました。しかし実際にお会いすると、誠実で穏やかな人柄に拍子抜け。蒙古タンメン中本の個性的なラーメンのビジュアルを体現するために、白根さんは自らを演出しているのではと、そのとき私は感じました。
蒙古タンメン中本のラーメンに魅了される理由
蒙古タンメン中本のラーメンに、なぜこれほどまで魅了されるのでしょうか。
その最大の理由は、
・見た目のインパクト
・メニューのネーミングの独創性
・旨辛の普遍的なおいしさ
です。
どの料理にも言えますが、辛味は常習性があり、またニンニクの風味をまとったラードも魅力的です。植物油にはクセがありませんが、ラードを使うと力強いおいしさが表現されます。
それと自家製の合わせみそのうま味とコク、またラーメンにかかったみそベースのマーボー豆腐や野菜などの合わせの妙技でしょうか。かみ応えのしっかりした中太麺と、辛味とうま味をまとったスープとのハーモニーは「明日もまた食べたい」と後を引く魅惑があります。

蒙古タンメン中本1号店誕生から21年――。現在は関東を中心に26店舗を展開しています。それにより、定番メニューから派生したラーメンの品数も増えました。
また独創的なネーミングを踏襲した各店オリジナルメニューも数多くあるため、「今日はどの店のメニューを食べに行こうか」と悩むほど、中本マニアを飽きさせない工夫がなされています。
私が高校生の頃に出合った中本の味わいを蒙古タンメン中本が継承しているのはうれしい限り。基本を忠実に、今後もさらなるメニューの挑戦を期待したいものです。
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