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謎のまま消滅 東京の「環6地下鉄」計画とは? “交通貧弱地帯”池袋~渋谷に群がった鉄道新線構想

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  • 乗りものニュース
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東京の地下鉄整備計画の中には、かつて短命に終わった「環6地下鉄」の構想がありました。どんな計画で、なぜこんな計画が立ち上がり、消えていったのでしょうか。

「東京の地下鉄」計画の試行錯誤

 東京の地下鉄の歴史はいよいよもうすぐ100年。その間さまざまな地下鉄が計画され、実現した路線がある一方で、看板倒れに終わった路線もあります。そのひとつが「環6地下鉄」でした。

Large sかつて山手線を走っていた205系・103系電車(1987年、伊藤真悟撮影)。

 東京をはじめとする大都市の地下鉄整備計画は、各社の利害を調整し大局的な観点から進める必要があることから、国土交通大臣(省庁再編以前は運輸大臣)の諮問機関である審議会が各社、各自治体にヒアリングを行った上で「答申」を取りまとめ、これに従って行われます。

 これまで歴代の都市交通審議会、運輸政策審議会、交通政策審議会は様々な路線を答申してきました。例えば昨年に整備が正式決定した地下鉄新線「有楽町線 豊洲~半蔵門線 住吉」区間は元々、1972(昭和47)年の都市交通審議会答申第15号で始めて登場した路線であり、実に半世紀もの時間を経て動き出したことが分かります。

夢にあふれた「1968年審議会答申」の構想路線

 1968(昭和43)年の都市交通審議会答申第10号では、現在整備済みの地下鉄路線にくわえて、丸ノ内線の「池袋~成増間延伸」、銀座線の「浅草~南千住間延伸」が掲げられましたが、後の答申で他路線に振り替えられるなどして、結局実現しませんでした。

 その中でも最も謎に満ちた存在は、答申第15号に「検討路線」として登場したものの、以降はまったく具体化しないまま消えた「主として環状6号道路を経由して、板橋付近より五反田、品川に至る路線」です。ここでは便宜上「環6地下鉄」としておきましょう。

一切が謎の「環6地下鉄」構想の”裏側”

 東京都道317号環状六号線、通称「山手通り」は、品川区東品川2丁目(天王洲アイル駅付近)を起点に目黒区、渋谷区、中野区、新宿区、豊島区を経由し、板橋区仲宿(板橋区役所付近)に至る全長約20kmの道路で、現在はほとんどの区間の地下を首都高速道路中央環状線が通っています。

Large ss山手線の西側に並行する環状六号線(山手通り)(画像:Google Earth)。

 山手線の一回り外側を通る環6に地下鉄を整備する理由について、答申は「環状6号道路沿いの業務地の発展等を考慮」としか説明していません。根拠のない計画は答申に含まれないので、東京都など誰かしらからの要望があったものと思われますが、ヒアリング内容や審議の過程は非公開なので詳細は不明です。

 それだけで話が終わってしまっては意味がないので、なぜ1972(昭和47)年という時期にこのような構想が浮上したのか、背景を探ってみましょう。

 鉄道を中心に東京を見たときに基準となるのが山手線です。古くから都市部の内外を示す境界線で、時に「万里の長城」にも例えられる存在でしたが、道路を基準に見ると、環6がその境界にあたります。

 現代の私たちにはピンと来ないかもしれませんが、それを裏付けるように1950~70年代の都市計画関係の記事には、環6の内側を都市整備が概成した既成市街地、その外側を開発途上の郊外と分類する記述が目立ちます。

南北の鉄道構想に「環7モノレール」も!?

 この頃、東京都市圏が拡大し続けたことで、千代田区・中央区・港区からなる都心への一極集中が問題化していました。そこで東京都は1958(昭和33)年、戦前から郊外電車のターミナルとして栄え、都心と郊外の結節点だった新宿、渋谷、池袋の3地区を「副都心」に定め、都市機能の分散を図ります。

 しかし、副都心3地区を育成する上でネックとなるのが交通問題でした。都心側では山手線、京浜東北線、地下鉄銀座線、浅草線、日比谷線など数多くの路線が縦断しているのに対し、当時の副都心側では山手線が南北の移動を一手に担っており、激しい混雑が問題になっていたのです。

 それを補完するため、新宿付近には当時、平行する山手線貨物線の旅客化(現在の埼京線)、地下鉄12号線(現在の大江戸線)、明治通りへの地下鉄13号線(現在の副都心線)および国鉄の通勤新線「東北・東海道開発線」など複数の路線計画・構想があり、飽和状態のような様相でした。

 ですが都心並みの鉄道網を構築する前提であれば、複数の並行路線を整備しても多すぎるということはありません。既成市街地と郊外の境界線上にあたり、かつ「3副都心の外側」を結ぶ環6への地下鉄計画は、「新たな東京像」への模索だったのでしょう。

 さらに、環6に整備が検討されていたのは地下鉄だけではありませんでした。東京都が1969(昭和44)年に設置した「モノレールに関する調査研究会」では、鉄道網を補完する環状モノレールの整備を調査しており、その中で西半分は環6・環7・環8のいずれに設置するかルートの比較検討を行っていました。

 ところがこれら構想は答申翌年のオイルショックで高度成長が終焉。国や自治体の財政が悪化し、公共投資が削減されたことから、大規模な新線建設計画は歴史の表舞台から儚く消えていきました。

 結局、山手線に併行する路線は1986(昭和61)年から2002(平成14)年にかけて開業したJR埼京線(湘南新宿ライン)、完全な新線としては2008(平成20)年開業の副都心線まで待たねばなりませんでした。

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