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ホンダ「ホライゾン」て何!? じつは傑作4WDの派生モデル 神奈川・藤沢が生んだ「百面相SUV」とは?

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  • 乗りものニュース
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日本語では「相手先ブランド製造」と訳されるOEMは、日本だけでなく世界中の自動車メーカーで行われています。そのようなOEM車の中で1981~2002年まで製造されたいすゞ「ビッグホーン」ほど多くのメーカーに供給したSUVはないでしょう。

相手先ブランドに自社製品を供給するOEMとは

 自動車業界では、俗に「マークII 3兄弟」と呼ばれる「マークII」「チェイサー」「クレスタ」や「カローラ」と「スプリンター」、ホンダ「アコード」と「アスコット」のように、自社の販売チャンネルごとに車名やエンブレム、内外装の意匠をわずかに変更して姉妹車を供給する「バッジエンジニアリング」または「リバッジ」と呼ばれる販売手法がかつては多用されていました。そのメーカーの間の垣根を超えた「バッジエンジニアリング」がOEM(original equipment manufacturer)というわけです。

Large figure1 gallery7いすゞからOEM供給されたホンダ「ホライゾン」。「ビッグホーン」搭載は専用フロントグリルとフルオートエアコンや6スピーカーの標準装備化。専用ボディカラーとアルミホイールの設定となる。「ビッグホーンに設定のあった「イルムシャー」の設定はなかった(画像:ホンダ)。

 日本語では「相手先ブランド製造」と訳されるOEMの目的は、大まかに言えば以下の3つとなります。

1、市場が黎明期もしくはニッチ(隙間)的な要素が強い場合において、特定のジャンルの商品や製造技術を持たないメーカーが他社からOEM供給を受けることで、自社のラインナップを補完できる。

2、市場が成長期、または自社の生産能力が追いつかない、あるいはラインナップを拡大する場合、他社に製品を移管することで自社のラインナップを補う。

3、市場の衰退期では、開発・製造コストなどの問題から自社生産から撤退し、低コストで市場への製品供給が可能となる。

 こうしたOEMは、日本のみならず世界中の自動車メーカーで行われています。なかでも1981年から2002年にかけて2世代に渡って生産されたいすゞ「ビッグホーン」は、国内メーカーだけでなく提携先のGM(ゼネラル・モータース)を通じて海外メーカーにもOEM供給されたことが知られています。

 国内向けの「ビッグホーン」とその姉妹車はいすゞの藤沢工場で生産されましたが、海外市場向けのOEMモデルは、韓国、インドネシア、フィリピン、ベトナム、インド、ベネズエラ、コロンビア、マレーシア、台湾などでも生産(ノックダウン生産を含む)されました。

世界中の自動車メーカーにOEM供給

「ビッグホーン」ファミリーは1981年から1991年(インドでは2002年)まで製造された初代モデルが8ブランド以上、1991年から2002年まで製造された2代目モデルが10ブランド以上を数えます。

Large figure2 gallery81992年に登場した2代目いすゞ「ビッグホーン」。当時、いすゞはGMグループの一員だったこともあり、シボレーやオペル、ホールデンなどのGM系のメーカーに同車をOEM供給したほか、SUVのランナップを持っていなかったGMグループ外のスバルやホンダにもこのクルマを供給した(画像:いすゞ)。

 OEM供給された「ビッグホーン」は、初代モデルがいすゞ「ビッグホーン」「トゥルーパー」「カリべ」(輸出用の車名)、スバル「ビッグホーン」(日本)、シボレー「トゥルーパー」(南米とアフリカ、インドネシア)、ホールデン「ジャッカロー」(オーストラリア)、双竜「コランドファミリー」(韓国)、メコン「スター4WD」(ベトナム)です。

 一方、2代目モデルは、上記に加えてホンダ「ホライゾン」(日本)、アキュラ「SLX」(北米)、HSV「ジャッカロー」(オーストラリア)、オペル「モントレー」(イギリスを除く欧州)、ボクスホール「モントレー」(イギリス)、サンジウ「トゥルーパー」(中国)などです(双竜とメコンは初代のみで生産を終了)。

 1981年に登場した初代「ビッグホーン」は、日本にクロカン4WDブームが到来する10年も昔に登場したSUVの草分け的な存在で、ピックアップトラックの「ロデオ」から派生した車両ということもあり、登場当初は「ロデオビッグホーン」と呼ばれていました。

 シャシーは「ロデオ」のラダーフレームを流用しており、パワートレインは2リッターと2.6リッター直列4気筒ガソリンエンジンのほか、いすゞのお家芸であるディーゼルエンジンも用意されていました。トランスミッションは当初は4速MTのみの設定で、駆動方式は副変速機付きのパートタイム4WDを採用していました。

 ボディバリエーションは、まずホイールベースの長さでショートとロングの2種類があり、それぞれの2ドア仕様であればソフトトップもしくはメタルトップが設定され、さらにロングホイールベースのメタルトップでは4ドアを選ぶことができました。

日本の知名度はイマイチだが世界的には知名度バツグン

 初期モデルは全車貨物車という硬派な仕様で、おまけにまだSUVというジャンルが確立していないこともあって、実用性を重視した簡素な装備でした。ただ、乗用車らしい快適性を備えた三菱「パジェロ」が登場すると、これが裏目に出てしまいます。「パジェロに」顧客の多くを奪われてしまった結果、このジャンルの国内におけるパイオニアでありながら商業的には成功しませんでした。

Large figure3 gallery92代目いすゞ「ビッグホーン」のインテリア。GMグループへのOEM供給の見返りに、GMからはグループ内のロータスがサスペンションセッテングに協力した「ビッグホーン ハンドリング・バイ・ロータス」、オペル専門のチューニングブランドのイルムシャーがチューニングを施した「ビッグホーン イルムシャー」などスポーツグレードの開発支援を受けている(画像:いすゞ)。

 その反省から1992年に登場した2代目では、これまでの実用性一辺倒なクルマ作りを改め、乗り心地や快適性、充実した装備もあって人気を回復。1990年代のクロカン4WDブームを背景に販売台数を伸ばしました。

 これにより、先代に引き続き提携関係にあったスバルにもOEM供給されたほか、SUVの自社モデルを持っていなかったホンダにも「ホライゾン」の名前で供給したのです。

 しかし、1990年代にいすゞが段階的に乗用車生産から撤退したことにより、最後まで残されていた「ビッグホーン」も2002年に惜しまれつつ生産を終了。それに伴い世界中に供給されていたOEMモデルも終焉を迎えました。

 国内市場では些か地味な存在の「ビッグホーン」でしたが、これほど世界の人々から愛され、ワールドワイドにOEM供給されたSUVはほかに存在しないでしょう。

 日本での知名度は低いが海外では有名人。例えるなら、二輪レーサーの故・加藤大二郎選手やメイクアップアーティストのスクリーミング・マッド・ジョージ氏、クエンティン・タランティーノ監督を熱狂させたアニメ監督の梅津泰臣氏のような存在。それが「ビッグホーン」だったのかもしれません。

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