ANAから「日本一わかりにくいかもしれない特別外装機」登場…なぜ？ 今後は「世界初」の展開も

結構すごくね？

実装初号機は「JA771F」

　ANA（全日空）グループが、2024年9月2日の定期便から、新技術の「リブレット加工フィルム」を実装した初号機となるボーイング777貨物機（機番：JA771F）を就航させました。今後同社では、2025年春から同様の外装をまとった777旅客機も就航させる予定です。これにより同社は貨物・旅客機の両方への導入を決めた世界初の航空会社となるといいます。どのようなものなのでしょうか。

「リブレット加工フィルム」が貼られたANAのボーイング777貨物機（乗りものニュース編集部撮影）。

「リブレット加工フィルム」は「サメ肌」の摩擦抵抗を低減する構造に着想を得た機能性表面フィルムで、50マイクロメートル程度の微細加工が施されているとのこと。この外装の採用で空気抵抗減の効果が見込まれることから、1機あたり年間約250トンの燃料消費量と約800トンのCO2（二酸化炭素）排出量を削減できる効果が期待されており、これは年間1機あたりの燃料消費量とCO2排出量の最大1％にあたるといいます。フィルムはルフトハンザテクニック社とBASF社が共同開発した「AeroSHARK」フィルムを用います。

　この777貨物機に装着されたフィルムは約2000枚で、胴体の大部分にこのフィルムが貼付されています。装着に要した時間はおよそ2週間ほどで、製造元の推奨値として「4年から5年使用できる」（担当者）とのことです。

　フィルムはほぼ透明で通常機と見た目がほとんど変わりませんが、貼られている部位はそうでない部位と比べて、強い太陽光が当たると若干マットな色にも見えます。また、フィルムを貼っていなければ見られないような反射の仕方をする場面も見られました。

　ANAでは2022年、緑色の尾翼が特徴の「ANA Future Promise Jet（旧称・ANAグリーンジェット）」で別メーカーの「リブレット加工フィルム」を胴体に一部に装着し効果を検証してきました。今後同社では2機の777の全体に「AeroSHARK」フィルムを装備し、その効果を検証した上で、その他同型機への拡大を進める予定としています。

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