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朝ドラ「おむすび」で話題の“ギャル魂” 明るく・ポジティブ・自由…令和に受け継がれる「ギャルマインド」とは

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1990年代の渋谷・センター街の様子(1996年10月撮影、時事)
1990年代の渋谷・センター街の様子(1996年10月撮影、時事)

 俳優の橋本環奈さんがヒロインを務めるNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「おむすび」が放送中です。本作は平成元年生まれの主人公・米田結(橋本さん)が、どんな時でも自分らしさを大切にする“ギャル魂”を胸に栄養士として人の心と未来を結ぼうとする「平成青春グラフィティー」です。2000年代初頭が舞台になっており、平成時代・中期の世界観があふれていて、懐かしさを感じている視聴者も多いのではないでしょうか。また、「たまごっち」や、1990年代ギャルのアイコンだった「ヘソ出しルック」など“平成コンテンツ”がZ世代にもブームになっています。

 テレビのバラエティー番組などでは、ギャルモデルやギャル系のお笑い芸人が出演していたり、近年では「KOGYARU」と呼ばれている“小学生ギャル”も人気を博しています……。

いつの時代も、ギャルは女子の憧れ的な存在

 「おむすび」の主人公とほぼ同世代の筆者は、本作の舞台となる時代の華やかなギャルカルチャーを記憶しています。筆者自身はギャルではなかったものの、角川春樹事務所が発行していた「Popteen」や、主婦の友社が発行した「Cawaii!」に登場するドーリーでかわいらしいギャルモデルたちに憧れを抱いていました。

 また、筆者もギャル文字を使ったり、「おむすび」の柚木理沙(リサポン、田村芽実さん)が歌手の浜崎あゆみさんの曲に励まされているように元気をもらったりしていました。

 大人になった今でも“平成ギャル”の明るさや他人の目を気にせず自分の心に従う生き方に心ひかれることがあります。「ギャルマインド」といわれる明るく、ポジティブで自由な心を自分も持てたらと思う人や、嫌なことはギャルたちのようにズバッと言いたいと思っている人は少なくないはずです。

 平成中期に、実際にギャルをやっていた人も、ギャルになりきれなかった人も、ギャルへの興味は心の底に持ち続けているように思います。

 例えば、1999年に連載を開始した漫画家の藤井みほなさんの作品「GALS!」(集英社)は小中学生の間で人気を博しましたが、一時掲載を終了。しかし、約20年後の2019年に「GALS!!」として帰ってきました。2023年には漫画家の山口しずかさんの作品「30歳喪女、平成ギャルになる。」(KADOKAWA)が出版され、人気となっています。そのほか、YouTubeなどでギャル系の動画が人気になっているなど、いつの時代も、さまざまな人たちから高い関心を得ています。

令和に誕生した小学生ギャル「KOGYARU」とは

 平成中期にギャルをしていた人の中には結婚し、母親になった人もいます。彼女たちの娘の中にはギャルである母親の姿に憧れて、幼いながらもギャルに目覚めた人も少なくないようです。

 小学生ギャルモデルが主人公の「KOGYARU」というメディアが2023年4月1日にスタートしました。現在はインスタグラムのフォロワー数が45万人を超え、YouTubeのチャンネル登録者数が15万人を超える人気ぶり(2024年11月現在)になっています。

 KOGYARUと呼ばれる少女たちは平成ギャルのファッションをそのまま受け継いでいる傾向にあります。当時、浜崎あゆみさんの「evolution」のジャケット写真をきっかけに大流行したしっぽを腰につけ、“盛り盛り”にセットした髪には花を飾り付け、ショートパンツやニーハイブーツなど、平成にタイムスリップしたような着こなしを見せてくれています。

 KOGYARUはパラパラを披露したり、活動の様子をYouTubeなどで発信したりするほか、東京ガールズコレクション(TGC)にも出演しています。彼女たちは自らの意思でギャルになることを決め、KOGYARUとしての活動に真剣に参加しています。KOGYARUの中には「カラコンをプロデュースしたい」「ギャルモデルになりたい」といった夢をもつメンバーもいます。

 また、KOGYARUは礼儀正しく、幼いながらにしてきちんと敬語を使っています。こうした姿にも平成ギャルの上下関係の厳しさや礼儀正しさをうかがうことができます。

「ギャルマインド」を心の片隅に

 朝ドラでは、環境により我慢を強いられながらも、自身が好きだったものを思い出し、自分らしい生き方を探求するようになったヒロインや、「ネイリストになりたい」「社長になりたい」「ダンサーになりたい」といった夢を心に秘めたギャルたちの葛藤や奮闘が描かれています。

 ドラマを通じて、閉じていた心の扉を開くきっかけになっている人もいるかもしれません。将来に希望を持ちにくく、嫌な出来事も少なくない現代社会だからこそ、私たちも“ギャルマインド”を心の片隅において、一歩を踏み出してみるのがいいのかもしれません。

西田梨紗

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