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2歳の「定型発達児」ができること、「自閉症児」ができないこと

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  • オトナンサー
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「逆さバイバイ」の意味は…
「逆さバイバイ」の意味は…

 私の息子は自閉症児として育ち、20歳になりました。子育てが終わった現在、私はファミリーサポートの援助会員として、赤ちゃんと2歳児を預かっています。その中で、自閉症の息子が赤ちゃんだった頃との違いを感じています。

 第1子が定型発達の子どもの場合は、2人目を育ててみて、上の子と比べながら、「性格や個性では片付けられないものがあるぞ、おかしい」といったように、発達の凹凸の気付きは早いかもしれません。しかし、第1子が自閉症児だった場合は「0歳ってこんなものかな」と思ってしまいがちです。

「できること」に違いがある

「言葉は話せないが表情で訴えてくる」「親が迎えに来たら、うれしそうに近寄る」「手の甲を相手に向ける『逆さバイバイ』ではなく、正しい方法でバイバイをする」「名前を呼ぶと反応する」「テレビの子ども番組の踊りをまねする」「知らない人を警戒したり、人見知りをしたりする」「名前を呼ぶと振り向く」「他の子が使っているおもちゃに興味を示す」「抱っこすると大人に体を預けてくる(カチコチでなく、リラックスした状態で)」…これらは全て、息子にはなかった、定型発達の0歳児の行動です。

 息子が0歳のとき、多少の違和感はあったものの、あまり気にしてはいませんでした。仮にこの時期に受診しても「まだ診断はできません。2歳を過ぎたら連れてきてください」と言われていたでしょう。実際、息子の場合は2歳3カ月で正式な診断を受けました。

 もちろん、項目に当てはまるからといって、自閉症であると決め付けることはありません。ただ、不安に押しつぶされそうになり、いたずらに毎日もんもんとするよりも、専門医の診察を受けることも一つの方法だと思います。診断されるとショックを受けるかもしれませんが、これから先の育て方が分かり、道が開けるからです。

 では、2歳児の場合ではどうでしょうか。定型発達の2歳児と、自閉症児の息子が2歳だった頃には「できること」に次のような違いがありました。

【親が指さしをすると、その方向を見てくれる】

 指さしは「言葉の前の言葉」といわれていて、コミュニケーションのための大切な発達段階です。言葉がまだ出ていないとき、欲しいものや相手に見てもらいたいものを指さして示しますが、自閉症の子は指さしがなかなかできません。

【言葉で「嫌!」と示すことができる】

「靴下を履こう」と私が言ったら、「嫌!」。「だったら、はだしでいよう」と言うと「嫌!」…親にとっては苦労が多い、自己主張が出てきた「イヤイヤ期」なのかもしれませんが、これは立派な会話であり、成長の証しです。息子には魔のイヤイヤ期がなかった代わりに、世の中の全てが「嫌」。言葉では示さず、自傷やパニックの毎日で、私は疲労困憊(こんぱい)の日々を過ごしていました。

【大人の表情を読み取ることができる】

「検討しておきます」の字面だけを捉えて行動してしまう発達障害の人がいます。言葉だけでなく、その場の空気や相手の声のトーン、顔つきを見て、断りなのか歓迎なのかを判断できず、トラブルを起こしているケースがあります。息子も相手が嫌がっているそぶりをしているのに、それが分からず、しつこくしてしまうことが今でもあります。

 それに比べて、現在預かっている子は生まれて、まだ2年足らずにもかかわらず、机の上に乗ったときや触ってはいけないものを触ったとき、私が言葉ではなく、「あれ? あららら?」の声のトーンと表情で示すと、ばつが悪そうな顔をして、「やっちゃったな…」という顔をします。言葉ではなく、相手の声や表情を読み取っている証拠でしょう。すごい能力です。

【ごっこ遊びができる】

「絵本に載っている食べ物の絵をつまんで、食べさせるような動きをすると口を開ける」「ままごとの道具を本物に見立てて、お皿に物を置き、食べるまねをする」。こうした遊びができるのは想像力が発達している証拠です。

【質問に的確に答える】

 私が「これ、だあれ?」と私自身を指さして聞くと、「○○さん」と答える2歳児。息子は小学生になっても「これ、だあれ?」と私が自分の顔を指して聞いても「鼻」と答えていました。

 息子が中学生になった頃、タクシーに乗ったときに運転手さんから、「僕(息子)のお名前は?」と聞かれたときも、自分の名前を言わずに、タクシーの運転手のネームプレートを読み上げていました。相手の立場になって話を把握することができないので、その場に合った答えを提示することが今もなかなかできずにいます。

“比べる病”を乗り越える

 幼い頃の息子は「逆さバイバイ」すらしませんでした。自閉症であっても、逆さバイバイをする子は人に関心があるので、間違った手の向きではあるものの「バイバイ」のまねができるのだと思います。20歳になった息子は「行ってらっしゃい」と言って出掛けていきます。本人は「行ってきます」の意味で「行ってらっしゃい」と私に言っているのです。言葉は間違ってはいますが、人のまねをしている点では成長しています。

 さらに、トイレットペーパーがなくなったら、芯を捨てて、新しい物に取り換えてくれます。相手の身になり、次に使う人のことを考えられているのか、「芯だけになったら取り換える」というルーティンになっているのかは分かりませんが。他にも「新聞を取りに行く」「洗濯物を干す」「カーテンを閉める」「家の中のごみ箱のごみを集める」など、決められた家事は文句一つ言わずにやってくれます。

 つい、わが子と他人の子を比べてしまうのが、親という生き物なのかもしれません。いつまでも“比べる病”に侵されている私ですが、目の前の宝物である息子の「昔と今」を比べなくてはならないと反省しています。

子育て本著者・講演家 立石美津子

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