よく見りゃ似てる? 陸自74式と北欧の「異形待ち伏せ戦車」 脅威は共通、冷戦が生んだ奇妙な兄弟
- 乗りものニュース |

異なる見た目、共通の狙い
「先手必勝、初弾必中、見敵必殺」
総合火力演習で姿勢を制御し稜線越しに射撃を展示する74式戦車(画像:月刊PANZER編集部)
なにやら物騒な四文字熟語ですが、第2世代主力戦車(MBT)の時代を考えるうえで、重要なキーワードです。1960~70年代、戦車の装甲を厚くして「敵の砲弾に耐える」ことには限界が見えていました。対戦車砲弾の威力が装甲の防御力を上回っていたからです。
命中即撃破という厳しい環境で重要になったのが、先に敵を見つけて、先に撃ち、最初の一発を命中させることでした。
そんな時代、日本では74式戦車が、そしてスウェーデンではStridsvagn 103、通称「Sタンク」が開発されます。一見すると、この2両はまったく似ていません。74式は対戦車砲弾を弾きやすいよう避弾経始を重視した滑らかな形状で、砲塔の付いた典型的な戦車の形をしています。一方Sタンクは砲塔がなく、避弾経始を究極まで追求したような尖った車体に主砲が直接固定されています。「戦車なのか?」「自走砲? 突撃砲では?」という見方もあります。でもこの2両には共通点があります。
冷戦真っただ中の当時、日本が想定した脅威はソ連軍でした。日本は島国であり、陸上自衛隊の戦車は着上陸した敵を迎撃する本土防衛戦用です。戦車は自国の地形を利用して敵を迎え撃つのです。スウェーデンも同じくソ連軍を脅威としました。ソ連とは陸続きではありません。森林や湖沼、起伏の多い地形を持つ自国で敵を迎撃する戦車を求めました。両国とも同じような国情で「自国で戦う戦車」を目指したのです。
Sタンクは見るからに特異な戦車です。砲塔がなく車高は非常に低く抑えられています。ちょっとした地形の陰に入ってしまえばほとんど見えなくなります。
しかし実際の運用者の見方は違っています。元スウェーデン陸軍将校で、Sタンク部隊を指揮したミカエル・オルソン氏によれば、Sタンクの大きな長所は「敵から見つかりにくい」ことではなく、むしろ「敵がよく見える」ことだったと証言します。Sタンクは低すぎる車高で観測性が悪いといわれていますが、実際は逆だったようです。指揮官用キューポラは車体とは独立して操作でき、車体がどちらを向いていても周囲を観察でき、敵を発見する能力は十分だったといいます。
弱点を戦術でカバー
では、砲塔がないことは戦術上の弱点にならなかったのでしょうか。横方向へ移動する目標を追いながら照準するには、砲手に高度な技能と訓練が必要でした。また、移動中に突然敵と遭遇するような戦闘も得意ではありませんでした。しかしオルソン氏は、これを「Sタンクそのものの弱点」と単純には考えていません。なぜなら戦車は1両だけで行動するものではないからです。
スウェーデン軍は、その特性を前提として戦術を組み立てました。例えば移動する戦車中隊は、全車が一斉に動くのではなく、ある小隊が移動している間、別の小隊が停止して援護を行う。そして移動と援護の役割を交代する。いわゆる「相互跳躍前進」によって、移動中に射撃できないというSタンクの弱点を補いました。これはSタンクを理解するうえで非常に重要な考え方です。「弱点をなくす」のではなく、「弱点が問題にならない使い方をする」でした。
地形を生かした待ち伏せ防衛戦では非常に強力でした。実戦部隊に配属される普通の練度の乗員ならば「初弾で目標を外すことはほとんどなかった」といいます。自動装填装置によって概ね5~6秒に1発という間隔で次弾を撃つことができました。
「先に見つけ、先に撃ち、最初の一発を当てる」
Sタンクは第2世代戦車の時代に求められた能力を、極端な形で追求した戦車だったといえるでしょう。74式も「初弾必中」を重視し、射撃統制装置にはレーザー測距儀や弾道計算コンピューターを採用しました。砲安定装置も備え、走行しながらの射撃は難しいのですが、照準し続けることが可能です。
さらに両者には、もう一つ興味深い共通点があります。姿勢制御ができる油気圧サスペンションの採用です。ただし、その役割はまったく同じではありません。Sタンクは主砲を車体に固定していたため懸架装置ではなく、固定された主砲を俯仰させるための照準装置の一部として必要でした。一方74式には砲塔がありますから必須ではありません。当初は悪路(特に豪雪)走破用として研究されていましたが、主砲の水平を取って精度を向上させる、地形に合わせた待ち伏せ姿勢が取れるという運用が編み出されました。
もっとも日本、スウェーデンとも乗員、整備要員は一様に油漏れに悩まされたと証言しています。そして、油まみれの運用経験を重ねて問題を解決していく過程も同じでした。
Sタンクと74式戦車、ライバルのソ連T-72。「どっちが強い?」という質問ほど空虚なものはありません。国や戦車は違っても共通するのは「自分の戦車が持っている能力を、どうすれば最大限に生かせるのか」を追求していることです。
前述のオルソン氏は「防御戦なら自信があった」と答えています。一方で「実戦を経験していないのであくまで主観である」とも付け加えています。74式もSタンクもT-72と砲火を交えず、抑止力として戦争を防ぐという任務を完遂して退役しました。実戦を経験しなかったこと自体が「勝ち」であり、最高の「価値」です。
実は損している?
ニュースを読んでポイントが貯まるサービスがあるのを知っていますか?ポイントサイトのECナビでは好きなニュースを読んでポイントを貯めることができるのです。(※ECナビはPeXの姉妹サイトです。)今日読んだニュースが実はお小遣いになるとしたら、ちょっと嬉しいですよね。
ポイントの貯め方はニュースを読む以外にも、アンケート回答や日々のネットショッピングなど多数あるので、好きな貯め方でOK!無料で登録できてすぐに利用できます。貯まったポイントはPeXを通じて現金やAmazonギフトカードなどに交換できます。
運営実績も15年以上!700万人以上の方がポイントを貯めています。毎日好きなニュースを読んでお小遣いを貯めてみませんか?
簡単無料登録はこちらYOUの気持ち聞かせてよ!
| いいね | ![]() |
|
|---|---|---|
| ムカムカ | ![]() |
|
| 悲しい | ![]() |
|
| ふ〜ん | ![]() |







