兵器の「ロシア離れ」政策のひとつ? 東欧の友好国家 新装備や部品購入の契約を多数キャンセル
- 乗りものニュース |
ロシア制裁などの影響で多数の兵器購入を断念か。
兵器で「非ロシア化」今後も進む?
セルビア軍参謀長のミラン・モジシロビッチ氏は2025年1月9日、ロシアとの兵器取り引きの多くをキャンセルしていると明かしました。
セルビア軍が現在運用しているMiG-29戦闘機(画像:セルビア国軍)。
この件は、モジシロビッチ氏がセルビア国内メディアのインタビューに応じて答えた際に明かされました。
セルビアは旧ソ連及びロシア製兵器を多く運用していますが、現状としては2022年2月からウクライナへの侵攻をロシアが始めたことにより、同国製兵器の新たな兵器や既存兵器の部品を購入するのが困難な状態が続いています。そのため、殆どの契約をキャンセルまたは無期限延長したとのことです。
ロシアが戦場で使う自国兵器の生産を優先している関係や経済制裁などで、部品がなかなか入手できない現状の打開については、他国のライセンス生産品などを活用して乗り切る方針でいるようです。
ただ、新しく購入する兵器に関しては非ロシア化を進めており、2024年8月にはフランスの複合企業であるダッソー・アビエーションから「ラファール」戦闘機12機を購入する契約を結びました。
さらに、対空ミサイルシステムに関してもロシア製のS-400にとってかわる装備として、中国製のFK-3防空システムを購入したことを発表しています。
これまでセルビアは一貫して、旧ソ連など、いわゆる旧東側の軍用機を運用しており、欧州の中ではベラルーシに次いでロシアと友好関係にある国です。しかし、同国のブチッチ政権は2022年2月から始まったロシアによるウクライナ侵攻に関しては反対の姿勢を見せており、国連でもロシアの侵攻を非難する決議に一貫して賛成票を投じてきました。
実はロシアによるウクライナ侵攻以前からセルビアはEUとの関係性が深くなっており、2025年現在の政権与党であるセルビア進歩党はEU加盟を目指しています。なお、「ラファール」購入の際にはフランスのマクロン大統領が「セルビアは完全にEUの一員」と同国の状況を評したと報じられています。
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