韓国の最新鋭「K2戦車」南米で大量契約を獲得! その先に控える“さらなる大型案件”とは
- 乗りものニュース |

K2戦車の導入で、機甲部隊の戦力を大幅強化へ
ペルー国防省は2025年12月9日、韓国の現代ロテム社(Hyundai Rotem)とのあいだで、K2戦車の導入を含む重要な技術協力協定を締結しました。この協定は、ペルーの防衛産業の近代化と技術移転を促進し、国内における防衛装備品の新造・メンテナンス能力を向上させることを目的としています。
ペルー陸軍が約280両保有するT-55戦車(画像:ペルー国防省)
ペルー側は、セサル・アウグスト・セプルベダ・マルケス陸軍総司令官やナタリエ・オルティス国防副大臣らが出席し、この戦略的提携の重要性を示すとともに、K2戦車の導入が陸軍の機甲部隊の即応体制と抑止力を劇的に高めると強調しました。
K2戦車は、韓国が独自開発した第3.5世代戦車です。主武装は長砲身の55口径120mm滑腔砲を搭載し、最新の徹甲弾やHEAT(成型炸薬)弾を運用可能です。また優れたFCS(射撃統制システム)、自動追尾機能、ネットワーク戦闘に対応可能なリアルタイムの情報共有システムを備え、最新の赤外線暗視装置を搭載することで高い全天候戦闘能力も付与されています。
装甲にはセラミックなどを封入した複合装甲を採用。それに加えて主要部にはERA(爆発反応装甲)を増設し、さらに飛んでくるミサイルやロケット弾を物理的に撃ち落とすAPS(アクティブ防護システム)を搭載し、高い生存性を誇ります。
機動性についても出力1500馬力のエンジンとオートマチック変速機、油気圧サスペンションにより、優れた加速と悪路走破性を実現しています。
ペルー海軍向けには潜水艦の輸出まで
ペルー国防省では、このたびの契約は単に最新の戦車を導入するだけでなく、現代ロテム社がペルー国内の企業や研究機関に対し、技術移転と産業協力といったインフラ面での協力がある点を重要視したと説明しています。
ペルーが54両の調達を決めた韓国製のK2戦車(画像:韓国国防省)。
これにより、将来的にペルー国内でK2戦車および関連装備のメンテナンスや部分的な生産が可能となり、防衛分野における技術的自立を目指すことが可能になるとしています。
この新しい戦略的パートナーシップを通じて、ペルー陸軍では機甲部隊の能力を現代戦に対応可能なレベルにまで引き上げる方針です。
ペルー陸軍では、2025年現在、旧ソ連製のT-55戦車を約280両運用していますが、すでに旧式化しており、更新が喫緊の課題となっていました。同国は、21世紀初頭に中国製のVT-1A(MBT-2000)戦車の導入を検討し、評価試験まで行ったものの、パワーパックがウクライナ製であり、同国が中国に対し第三国への輸出を禁止したため、最終的にはご破算になりました。
その後ウクライナがT-55戦車をベースに大幅なアップグレード化を図った「Tifon 2a」の導入を検討したものの、結局かなわず、いまだに旧式化したT-55を使い続けています。
ペルーはK2を54両導入する計画です。このほかに韓国から8輪式装甲車のK808を141両調達するとしています。
このほかにも、韓国は現在、ペルー海軍向けとして潜水艦の輸出も実施しようとしており(予備契約は締結済み)、早ければこちらも今月中に合否が発表される模様です。
韓国製兵器は南米でも顧客の獲得が進んでいます。
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