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今がチャンスかも? 他人と自分の価値を比べてしまう人の最初の一歩『モヤモヤしない考え方』書評

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  • マイナビウーマン
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例えば恋人に尽くされること、仕事で頼られること、それらが無くなったら自分の価値が無くなってしまうと考えたことがある人も「そんなことはない」と頭では分かっているし、SNSでキラキラした投稿をする人たちの生活が「美しいだけ」ではないということも知っている。

しかし、多くの社会経験・出会い・SNSに触れる現代で、どうしても出てきてしまうモヤモヤ感は、幼少期も含め、ふとした瞬間から自分の心に取り憑き、離れなくなってしまう。

これらと向き合うのは、いくつになっても怖い。特に、ある程度社会の荒波に揉まれ、上下関係の築き方も、人との距離の取り方も経験してきたアラサーには。

一言、「承認欲求」で済ませるには、あまりにも複雑で、「自己顕示欲」で片付けるには、あまりにも一方通行すぎる。劣等感・執着・嫉妬・依存……聞けば聞くほど不穏でネガティブなこの言葉たちは、ふとした時に感じやすく、それでいて手離しにくい厄介な代物。まるで焦げついたフライパンだ。

ネガティブは、渦巻いた感情の中で、私たちが想像している以上にそちら側へと引き込む引力が強い。

「さて、“私”が求めているものはなんだったっけ?」と、まずは向き合ってみるための一歩を教えてくれる、カウンセリングのような一冊がここにあった。

【この本を読んでわかること】

・なんとなく「こんなはずじゃないのに……」とうっすら感じている“モヤ”の正体
・現代社会にマッチする、仏教の教え「非我」「無明」
・劣等感、執着、嫉妬、依存を手放すためのSTEP
・モヤモヤとうまく付き合い、明日から人生を少しだけ身軽にする方法

■「生きているだけでえらい!」に騙されたい

「質問です。あなたがいま“ほんとうに”ほしいものはなんでしょう?」

この本の著者は、幼少期虐待を受けて育った虐待サバイバーであり、貧困も経験し「お金があれば豊かになれる」と考えガムシャラに働いてきた、田中よしこさん。これまで7,000人以上のモヤモヤを無くしてきた大人気のマインドトレーナーだ。本の冒頭、貧困や虐待を経験した同期の「生きていることに感謝している」という発言に度肝を抜かれたのだという。

基本的な仏教が有する教えと共に、「モヤモヤしたまま生きてきた」いくつもの生き方が紹介されている。SNS上で「今日も生きているだけで偉い!」という言葉で鼓舞するアカウントがたくさんあり、また、それらをフォローする人が大勢いるほど、現実社会で誰もがモヤモヤや悩み、苦悩を抱えていることは明白だ。

自分のことを知っているのは自分だというが、自分を一番知らないのもおそらく自分だ。どんな時に機嫌が悪くなるか、どんな表情をするか、「大丈夫」「そんなことない」と言いながら、どこかで気づいている「そうじゃないのに!」の声、言葉にできないモヤモヤの正体を聞くところから始めていくことが重要視されている。

■モヤモヤしている=もう一人の自分と戦っている

誰もが嫌われたくない。誰もが良く見られたいし、誰もが「自分は幸せなんだ」と認識したい。あれもできる、これもできると思いたいし思われたい、あれができる自分には価値があるし、できないと落ちこぼれでダメだと烙印を押されてしまう気がしている……。

世の中には、ポジティブマインドと、自己啓発の本があふれている。「〇〇する勇気・しない勇気」「〇〇になりたければこうしなさい」「こういうマインドをもちなさい」「〇〇な人がしていること・習慣」……なかには、収入に直結するようなタイトルのものまで。

読めば、意識も高まり、明日からの考え方が変わり行動も変わる、つまり現状から変わるはず……おそらく・多分・きっと。

だが、田中さんは本の中でバッサリと切る。「残念なことにこの世の中にそんな都合が良いノウハウは存在しない。」

本の中では、所々に質問が差し込まれる。自分が何に執着しているか、何を怖いと思っているのか、なぜそう考えたのか……。一問一答方式と言ってもいいほどカジュアルに、だが核心をついた質問。また、同じように考え方のコツが書かれている。執着・劣等感・依存の正体を、紐解いていく作業だ。

■全てのことに名前があるってことは「私だけじゃない」ってこと

本の中には、さまざまな心理学的な言葉が出てくる。それらは、なんの知識や前提も無ければ「はい???」と声をあげてしまいそうなカタカナ・横文字だ。

私たちが感じていたモヤモヤは、事例を通して考えてみると全てのことに、心理学的、あるいは学術的な名前がある。全てのことに名前があるってことは「自分だけじゃない」ということでもあるだろう。「私だけじゃない」安心感の一方で「このモヤモヤの吐き出し先」は、一つではない上に、吐き出し方が千差万別であることを物語る。

「隣の芝生は一生青い」とまで言われるSNS社会の中で、SNS離れが顕著になっているここ数年。ジャーナリングやマインドノートが流行り、多くの人たちがスマートフォンだけではなくノートや本を使い、自分とのやり取りを復活させている現代で「自分と向き合うこと」の重要性がまた問われている。

■不安が不安を呼ぶ負の連鎖に終止符、“生きづらい”の整理整頓

本を読み終わる頃、感じたことのひとつが「あれ? もしかしてこれ、現代病じゃない?」ということだ。たった一瞬のSNSの切り取りで24時間365日そうであるかのように、人の生活や、良いときばかりよく見えるようになってしまったがゆえに、いつでも比較対象に出会える環境下。自分が知らないうちに、脳のクセや考え方のクセがつき、それらと結びついたモヤモヤを持ち続ける。

占い、頼られ症候群、恋人依存にお金への執着……。不安は不安を呼び、見えない・分からない・今のところ未定な未来へ早々に絶望を感じている。不安も、ネガティブな発想も、悪いものではない。だからこそ、大事なのは「感情と、事実を分けて考える」ことだ。

現代では多くの人たちが、無意識に「現実の自分」と「理想の自分」の間にいる。モヤモヤを言語化するには、自分と向き合うしかない。それは今の自分だけではなく、過去の自分も含めてだと教えてくれつつ向き合い方の一段目を、知らず知らず背負い込んだ荷物の下ろし方を、この本が教えてくれるだろう。

「さて、あなたがいま“ほんとうに”ほしいものはなんでしょう?」

◇書誌概要

作品名:モヤモヤしない考え方
著者:田中よしこ
価格:1,760円
発刊:ワニブックス
作品ページ:https://www.wani.co.jp/event.php?id=8343

(mayan)

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