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【サッカーW杯】深夜に124億が動いた!? ブラジル戦で注文が急増したものとは 4試合の経済効果は2570億円か

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W杯を終えて帰国し、記者会見する日本代表の森保一監督(7月2日、AFP=時事)
W杯を終えて帰国し、記者会見する日本代表の森保一監督(7月2日、AFP=時事)

W杯を終えて帰国し、記者会見する日本代表の森保一監督(7月2日、AFP=時事)W杯を終えて帰国し、記者会見する日本代表の森保一監督(7月2日、AFP=時事)

 サッカーワールドカップ(W杯)北中米大会・決勝トーナメント1回戦の日本対ブラジル戦が6月30日(以下、日本時間)に行われ、日本は1-2で敗れました。

 スポーツやコンサートなどがもたらす経済波及効果の研究を行う一般社団法人OASIS JAPAN代表で、東京都市大学非常勤講師の江頭満正さんは、今大会のグループリーグからブラジル戦までの計4試合で、国内の経済波及効果が2570億円、税収効果も250億円を超えるという試算を明らかにしました。今回のワールドカップの経済効果について、江頭さんが解説します。

なぜ飲み物や食べ物の注文が急増?

 近年、「モノ消費」から体験を重視する「コト消費」へと消費者の価値観がシフトし、「推し活」が市民権を得ています。会社を休んでサッカーワールドカップを観戦することも社会的に許容される傾向にありました。

 特にブラジル戦は日本時間で午前2時開始という高いハードルでしたが、全国のスポーツバー(HUBなど)には約1万人が集結。映画館のパブリックビューイングでも約100スクリーンが稼働し、日本中が眠気を忘れて画面の前に陣取りました。

 試合が大きく動いたのは、睡魔がピークに達する前半29分。日本代表の佐野海舟選手が鋭いシュートを放ち、強豪ブラジルから先制点を奪取しました。この劇的な瞬間、全国の観戦会場やリビングは歓喜に沸き、同時にビールなどのアルコールやフードの注文が急増したのです。

 この現象の裏には、スポーツビジネスで実証されている心理的メカニズムが働いています。米マイアミ大学のウォーレン・ウィズナント教授らの研究(※1)では、164試合のデータ分析から「ホームチームがリードしてハーフタイムを迎えると、観客の消費金額が有意に高くなる」ことが判明しています。

 これは心理学で「栄光の反映(BIRGing)」と呼ばれる効果です。応援するチームの成功で気分が高揚したファンは、その幸福感を少しでも長く維持しようと、無意識のうちに購買行動がアクティブになります。深夜の一番眠くなる時間帯に日本がリードを奪う最高の展開が、サポーターの興奮を引き上げ、旺盛な消費へと直結しました。

「ハラハラ感」もスパイスに 深夜に動いた124億円

 その後、後半11分にブラジルのカゼミーロ選手に同点ゴールを許すまで、日本がリードを保っていた時間帯こそが、ファンの飲食が最も進んだ時間でした。

 同点に追いつかれた後は一転して、ブラジルの猛攻を耐え凌ぐ緊迫した展開が続きます。しかし、サポーターの緊張感は最高潮に達し、画面から目が離せない「ハラハラ感」が、かえってグラスをあおるペースを速め、さらなる消費を後押ししました。

 結果は1-2での惜敗でしたが、この熱狂は数字にも表れています。W杯における「追加消費額」の試算結果は以下の通りです。

・スウェーデン戦(6月26日・午前8時):平均個人視聴率19.8%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)⇒ 約158億円

・ブラジル戦(6月30日・午前2時):平均個人視聴率8.4%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)⇒約124億円

 高視聴率を記録した朝のスウェーデン戦に対し、深夜のブラジル戦は視聴率こそ半分以下でした。しかし、「日本先制」という最高のシナリオが起爆剤となり、深夜にもかかわらず124億円もの巨額の消費を記録したのです。

 激戦の末に敗れはしたものの、日本代表がピッチで見せた勇敢な戦いぶりは、深夜の日本経済を確実にとびきり熱くさせました。スポーツの熱狂と人間の心理が織りなすダイナミズム。今後も日本代表の活躍が、日本中に大きな熱と経済効果をもたらしてくれることでしょう。

【参考文献】
(※1)Whisenant, W., Dees, W., Bolling, M., & Martin, T. (2013). Concession Sales: The Examination of Novelty Effect and Consumer Mood.International Journal of Education and Research, 1(4).

オトナンサー編集部

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