体が重い…朝起きられないのは「秋バテ」のサイン? おすすめ漢方と“絶対NGな飲み方”とは【薬剤師が解説】
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朝なかなか起きられないのは秋バテの可能性も(画像はイメージ)
秋に朝、なかなか起きられなかったり、体がだるかったりすることはありませんか。この場合、秋バテの可能性が考えられます。SNS上では「秋バテつらい」「体が重い」などの声が上がっています。
秋バテを改善するのに役立つおすすめの漢方薬やサプリメントのほか、効果を高める飲み方などについて、薬剤師の真部眞澄さんに聞きました。
秋バテが起きる3つの原因
Q.秋バテは夏の疲れが原因で起きるといわれています。夏の疲れを引きずっている人の体の中では、何が起きているのでしょうか。
真部さん「簡単に言うと、体のオンとオフを切り替えるスイッチである自律神経がへとへとに疲れて、パニックを起こしている状態が秋バテです。
その原因は主に3つあり、まずエアコンと外気の温度差が挙げられます。夏の間は冷え切った室内と猛暑の屋外を行き来しますが、この気温差が7度以上あると、体温を調節する自律神経がフル稼働を求められます。これを何カ月も続けた結果、9月ごろには限界を迎えてしまうわけです。
次に、水分の取り過ぎが挙げられます。暑いと冷たい飲み物やアイスなどを取り過ぎる傾向にあり、胃腸が冷えて消化機能が落ちてしまうのです。また、体に余分な水分がたまった状態を漢方医学では『水滞』と呼び、これが朝起きられなかったり体がだるかったりする原因となっています。
最後に隠れ睡眠不足です。熱帯夜で自律神経が休まらずに睡眠の質が悪くなっていると、本人は寝ているつもりでも、体は徹夜明けのダメージを引きずっているような状態になってしまいます」
おすすめの漢方薬は?
Q.ドラッグストアで買える、疲労回復や自律神経を整えるのにおすすめの漢方薬や栄養素はありますか。
真部さん「疲労回復したい場合はエネルギーを補給する漢方薬、自律神経を整えたい場合は神経を落ち着かせる漢方薬を選ぶなど、症状に合わせたアプローチをすると良いでしょう。
おすすめの漢方をいくつか紹介します。まずは処方箋でもよく出される『補中益気湯(ほちゅうえっきとう)』です。朝から元気が全く出ない場合や、夏バテで胃腸が弱って食欲がない場合でも、胃腸の働きを高めて体全体のエネルギーを底上げしてくれます。
次に『六君子湯(りっくんしとう)』です。夏に冷たいものを取り過ぎて、おなかがちゃぷちゃぷ鳴るタイプの胃もたれをしている人におすすめで、胃腸の水分代謝を促進してだるさをすっきりさせてくれます。
他には、『加味逍遙散(かみしょうようさん)』もおすすめです。更年期の女性にもよく処方される漢方なのですが、乱れた自律神経のバランスを整えて血行を良くし、イライラや不眠を和らげてくれるので、イライラしたり寝付きが悪くなったり、自律神経が乱れたりして情緒不安定な人に良いでしょう。
さらに、高ぶった神経を鎮めてくれる『柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)』という漢方薬も、ストレスによるイライラや動悸(どうき)、不眠などに効果的です。
『半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)』も喉のつかえや不安感、神経性胃炎などのストレス性の症状に効きます。市販の漢方薬を購入するときは是非、ご自身の体質・症状に合ったものを選んでください。
サプリメントは細胞の元気を取り戻す成分を取るのが効果的です。おすすめの成分としては、まずビタミンB群が挙げられます。B1、B2、B6などさまざまな種類がありますが、特に栄養剤などに入っているビタミンB1は疲労回復の王様と呼ばれており、B1は取った糖質を、B2は脂質をエネルギーに変えるのに欠かせません。
例えばアリナミンなどには、フルスルチアミンというビタミンB1誘導体が入っており、吸収が良いので特におすすめです。
次に、還元型コエンザイムQ10。これは細胞の中にあるエネルギー工場のミトコンドリアを動かす燃料の着火剤になります。抗酸化作用で細胞のダメージを軽減してくれますが、年齢とともに減ってしまいます。そうなると夏場は細胞レベルでバテてしまうことも増えてくるので、サプリメントで直接エネルギーを注入するのがいいでしょう。
また、マグネシウムなどのミネラルを補給するのもおすすめです。マグネシウムは自律神経を整えて筋肉の緊張をほぐす効果があります。この時期に寝ても疲れが取れなかったり、足がつったりする人はマグネシウム不足の可能性があるので、ぜひ飲んでみてください」
漢方薬やサプリメントの正しい飲み方とは?
Q.漢方薬やサプリメントを飲む際、効果を最大限に高める「正しいタイミングや飲み合わせ」はありますか。
真部さん「せっかく良いものを飲んでも、タイミングを間違えると効果が半減してしまうので、いつ飲むかに注意してください。
漢方薬は食前または食間の空腹時に飲むのがベストです。食前は食事の約30分前、食間は食後2時間くらいたった空腹時のことで、胃の中に食べ物がないときの方が、漢方薬の成分が邪魔されずに素早く吸収されます。
この時期の飲み方のコツとしては、水ではなく白湯(さゆ)で飲むのがおすすめです。普段は水でもいいのですが、白湯で飲むと冷え切った胃腸が温まり、さらに効果が出やすいためです。
一方で、サプリメントやビタミン剤は食後に飲むのがベストタイミングです。ビタミンB群などのサプリメントは空腹時に飲むと胃に負担がかかるため、特に胃腸が弱い人は吐き気や胃の不快感を引き起こす可能性があります。また、水溶性のビタミン剤はそのまま尿として排出されやすく、十分な効果が得られなくなることがあるため、食事と一緒にゆっくり吸収させるのが効果的です。
逆に避けていただきたい飲み方は、お茶やコーヒーでサプリメントや薬を飲むことです。緑茶やコーヒーに含まれるタンニンやカフェインが、漢方やサプリの一部の成分とくっついてしまい、体に吸収されなくなってしまうことがあるため、常温の水や白湯で飲むようにしましょう。
また、複数の漢方薬をあれもこれもと自己判断で飲むのも危険です。多くの漢方薬には甘草という生薬が含まれていますが、これを取り過ぎてしまうと『偽アルドステロン症』という、血圧が上がったりむくんだりする副作用が生じるリスクがあるので注意が必要です。
2種類以上を飲みたい場合は、ぜひ薬局の薬剤師に相談していただければと思います。また、病院からの処方薬を飲んでいる人も、併用して問題ないか必ず医師や薬剤師に確認しましょう」
* * *
秋バテには自律神経の疲労が関係していることが分かりました。漢方薬やサプリを飲む際は、お茶やコーヒーで飲むのは避け、飲み合わせのルールや飲むタイミングを守ることが大切です。
オトナンサー編集部
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