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「1日2000字、書く」麻布中学に合格した小6息子に課したノルマはそれだけ!12月からの大逆転の秘密とは?

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  • マイナビウーマン
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発達障害をもつ息子とともに中学受験に挑戦、たった3つのMBA戦略を使って名門麻布中学に合格させた元・テレビ東京アナウンサーが語る子育てと中学受験の話。

元・テレビ東京アナウンサーの赤平大さんが、パパとして息子さんに全力伴走!
発達障害のわが子を、「塾通いナシ」「入試2か月前に受験決断」で中学受験に成功させ、名門・麻布中学の合格に導きました。

でも、どうして? そして、どうやって?

赤平さんと息子さんが中学受験を目指した理由、そして、赤平さんがMBAで学び子育てにおいて実践した「3つの基本戦略」を、書籍『たった3つのMBA戦略を使ったら発達障害の息子が麻布中学に合格した話。』(飛鳥新社)から一部抜粋してお届けします。

第4回は、麻布中学合格に向けていよいよ作戦スタート! 国算社理4科目の勉強を一切やめて、ただひたすら取り組んだ「あること」についてです。

「お父さんと“ギャンブル”しないか?」息子に提案した「勝負の一手」

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※画像はイメージです

内田先生の仮説思考に加え、私はもう1つの戦略を麻布受験に使用しました。
それがMBAで教わる戦略の中で最も有名なものの1つ、競争戦略研究の第一人者であるアメリカの経営学者・マイケル・ポーターの「差別化集中戦略」です。
差別化集中戦略を端的に言うと、「攻めるフィールドを限定すること」「戦力を自分の強みのある部分に集中させること」です。そして、この戦略は「投下できる資源(資金)が少ない」時に効果を発揮します。

大手チェーンを押しのけて、北海道内での強さと人気を誇っているコンビニチェーン・セイコーマートや、他県からの買い物客がいるほどファン創造に成功した仙台のスーパー・主婦の店さいちも差別化集中戦略の成功事例です。また私の古巣であるテレビ東京の成功したいくつかの番組も、この戦略に則ったものでした。
これを息子と私の状況に当てはめてみます。

・投下できる資源が少ない=受験までの時間が少ない。
・攻めるフィールドを限定する=記述問題の練習に絞る。
・自分の強みに戦力を集中する=息子の強みである思考力で勝負。

「受験まで残り2か月、息子の置かれた状況は差別化集中戦略を使うしかない」
そう考えて、翌日、息子にこう提案しました。
「今のままだと、麻布には絶対に受からない。だから……」
「お父さんと、ギャンブルしてみない?」
仮説思考と差別化集中戦略から行き着いた、麻布試験対策はこの2つでした。

・ギャンブル① 暗記や問題集への取り組みを、しない。
・ギャンブル② 記述の練習だけを、する。

国語、算数、理科、社会、全4教科の一般的な勉強――漢字読み書きや知識の暗記、計算など全部捨てて、「書くことだけを練習する」ということ。記述力アップだけに完全に振り切った作戦です。

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※画像はイメージです

記述力を上げるために2つの教材を使用しました。1つ目の教材が、山川出版社の教科書『詳説・日本史』です。
なぜ“山川の日本史”だったのか、というと入試までの時間がない中で、「たまたま家にあった」から。息子が小学1年生の頃、日本史や世界史の学習マンガを読んでいた時に、「もう少し内容が深くて読み応えがあるものも読むかな……?」と、私が買ってきたものです。当時の息子は関心を持たず、“山川の日本史”はずっと本棚の奥にしまい込まれていたのですが、麻布受験の2か月前にふと思い出して引っ張り出しました。

この“山川の日本史”を「ただひたすら要約する」という課題を徹底的に息子にやってもらいました。あらかじめ、要約する範囲と使うキーワード、文字数、制限時間を決めて、息子に伝えます。
「20ページから21ページまでの内容を、この3つの言葉を使って80字に要約してみて。制限時間は3分」
この要約作戦では、とにかく「頭の中にある情報を整理する」という作業を最優先しました。読む速度の速い息子は、情報を頭の中にたくさん入れることは得意です。それを取り出す力をつけることが目的でした。同時に“山川の日本史”を要約していれば、自然と歴史の知識も頭に入っていくはずで効率的だと思いました。

2つ目の教材が、中学受験の国語限定の過去問です。
通称“銀本”と言われるもので、大学受験の過去問集を“赤本”と言いますが、その中学受験版です。銀本には公立中高一貫校向けのものや私立中高一貫校共学校向けのもの、男子校向けのものなどがあります。
6年生の春頃に私がなんとなく購入した国語の銀本が、指一本も触れられることなく本棚に入っていたのを思い出し、使用することにしました。漢字読み書き問題や抜き書き問題、選択問題は全部飛ばして、息子には記述式の問題だけを解いていってもらいました。

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※画像はイメージです

そして、ここが少し大事なところですが、「山川の日本史の要約」も「国語の過去問の記述」も、解答は正解でも不正解でも、まとまっていなくてもOKにしました。丸つけもしませんでした。とにかく、
「制限時間内に、書かれている問題文を整理して文字数内に書く」
その一点集中。答えがわからないなら、「答えを見ながら書いてもいいよ」というくらいまで、「書く」ことだけに集中させるようにして、書きっぱなしで次の問題、また次の問題、次の要約……と取り組んでいきました。
正誤にこだわって採点をしたり細かい確認作業をしてしまうと、私が採点する時間やそれを説明する時間で、5分、10分……と貴重な時間が失われてしまいます。
要約と記述問題、この2つを合わせて「1日2000字、書く」ことを目標に毎日続けました。残された時間がない中で”質より量”という選択しかなかったのです。

“2000字”という数には明確なデータによる裏付けはありませんでした。ただ、私の大学院受験時が、今回の麻布受験と似たような状況でした。試験日まで2週間しかないという中で受験を決意した私は、過去問など毎日2000字の記述トレーニングをして運良く合格しました。筆記試験以外にレジュメや面接、経歴も影響するので私が筆記試験でいいスコアを取れたのかどうかは不明ですが、とにかく合格したという実績を出した2000字であることは確かです。麻布受験までに検証する時間もないので、「実績のあったものは何でも使おう」という背に腹は変えられない心境でした。

ただ、麻布の合格平均得点がほかの“御三家”よりも低く、ボーダーラインは60%程度というデータがありました。記述問題が多いことから、何か書くことさえできるようになれば、満点は取れなくても部分点が取れるはず。100%、90%ではなく、60%、70%を取れば合格水準に達します。
「知識量を増やすより、記述力を上げて部分点狙いがいい」
「残り時間を考えたら、やはりそれしかない」
記述式解答の練習を始めた当初、息子は1文字も書けなかったり、書けても内容が滅茶苦茶だったりという状態でした。
ところが、ひたすら数をこなすうちに、段々と解答用紙のマス目を埋めることができるようになっていったのです。

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この続きは、書籍でお楽しみください。

赤平 大さん/アナウンサー・ナレーター

元テレビ東京アナウンサー。2009年、退社しフリーアナウンサーに転身。2017年、早稲田大学大学院商学研究科を修了しMBAを取得。発達障害と高IQを持つ息子の子育てをきっかけに、発達障害学習支援シニアサポーターなどの資格を取得し、学校や企業向けの講演活動を開始。発達障害の知識を手軽にたくさん身につけるための動画メディア『インクルボックス』も運営。

動画メディア『インクルボックス』 https://incluvox.jp

※本記事は、『たった3つのMBA戦略を使ったら発達障害の息子が麻布中学に合格した話。』著:赤平 大/飛鳥新社 より抜粋・再編集して作成しました。

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