京王線「笹塚発新宿行き」なぜ存在? 始発駅の次は終点 東京近郊私鉄の短距離列車5選
- 乗りものニュース |

東京近郊で「始発の駅を発車したら次は終点」となる各駅停車の列車は、JR東日本だけでなく私鉄にも存在します。多くは乗り換え駅となるターミナルに向かう列車ですが、いったいどのような理由で設定されているのでしょうか。
私鉄ではターミナルに向かう列車が多い
東京近郊では、JR東日本の埼京線で「新宿始発池袋行き」、京葉線で「海浜幕張発新習志野行き」といった「始発の駅を発車したら次は終点」となる各駅停車の列車が存在します。もちろん、JR東日本だけでなく東京近郊の私鉄にも同様な列車があります。多くはターミナル駅に向かう列車ですが、ここでは私鉄の短距離運転の列車が走る区間を紹介します。なお、西武鉄道豊島線や東武鉄道大師線のような、起点と終点だけの路線は除きます。
京王電鉄京王線 笹塚発新宿行き
新宿駅から東京西部の京王八王子駅と高尾山口駅、神奈川県の橋本駅を結ぶ京王電鉄にもひと駅だけ運転する列車が2区間設定されています。
そのひとつが笹塚発新宿行きです。京王新線の新宿(新線新宿)行きであれば、途中に幡ヶ谷駅と初台駅がありますが、この列車は京王線の新宿行き。笹塚駅を出ると次は終点の新宿駅となります。
笹塚駅に進入する9000系電車の各駅停車新宿行き(伊藤真悟撮影)。
笹塚発新宿行きの列車は土休日のみの運転です。笹塚駅を午前6時22分に発車し、新宿駅には6時26分に到着。所要時間は4分で、駅間距離は3.6km。折り返しは各駅停車の高尾山口行きとなります。
この列車、車両は桜上水駅から回送されてきます。それであれば桜上水駅から各駅停車として運転してもよさそうですが、直前には都営地下鉄新宿線に直通する各駅停車の本八幡行きが運転されています。笹塚駅での京王線新宿駅への接続列車としての役割を担いながらも、土休日の早朝で利用客がさほど多くないことから笹塚駅までは回送で運転されているのかもしれません。
もうひとつの区間は、高尾線と分岐する北野駅と京王八王子駅とのあいだです。朝方を中心に北野発京王八王子行き、京王八王子発北野行きの列車が設定されていますが、京王八王子発北野行きは平日のみの運転となっています。所要時間は2~3分で、営業キロは1.8km。競馬場線などの支線を除くと京王電鉄では一番乗車時間が短い列車といえるでしょう。
東京メトロは2路線
東京都区部を中心に路線網を形成する東京メトロでは、2路線で「始発の駅を発車したら次は終点」の各駅停車が存在します。
東京メトロ日比谷線 南千住発北千住行き/北千住発南千住行き
東京メトロの日比谷線では、南千住駅と北千住駅とのあいだにひと駅だけ運転する列車が設定されています。南千住発北千住行きは平日5本、土休日1本で、すべての列車が北千住から折り返しの中目黒行きとなります。逆方向の北千住発南千住行きは平日に1本運転されています。所要時間は2分から3分、駅間距離は2.1kmです。
東京メトロ日比谷線で使用される13000系電車(2016年8月、恵 知仁撮影)。
なぜこのような列車が運転されているのでしょうか。日比谷線の南千住駅と北千住駅のあいだには車両基地の千住検車区がありますが、千住検車区との出入庫線は南千住駅側だけにあるため、検車区を出て北千住始発となる電車も、一旦南千住駅に向かわざるを得ません。そこで南千住から北千住へ移動するのを、営業列車として活用しているのが、この「ひと駅列車」なのです。南千住発北千住行きの列車は、すべて折り返し北千住発中目黒行きとなります。
わざわざ何度も折り返したりせず、南千住発にしてもよさそうですが、北千住駅が東武やJRとの乗換駅で利用客が多いことから、このような措置にしているのかもしれません。
東京メトロ日比谷線では直通先の東武鉄道から70000型電車や70090型電車が入線しますが、南千住駅と北千住駅とのあいだでひと駅だけ運転される列車は、すべて東京メトロの13000系電車が使われています。
東京メトロ丸ノ内線 中野富士見町発方南町行き
東京メトロ丸ノ内線の分岐線、通称「方南町支線」でも、早朝に中野富士見町発方南町行きの列車が運転されています。
日比谷線の例と同様、中野富士見町駅と方南町駅とのあいだには中野車両基地があり、車両基地から回送されて中野富士見町駅から営業運転に就くものです。
中野富士見町駅からの始発列車は、中野坂上方面へは平日13本、土休日2本が運転されていますが、方南町行きは平日・土休日とも1本のみ。ある意味レアな列車かもしれません。なお乗車時間は3分、駅間距離は1.3kmとなります。
「始発の駅を発車したら次は終点」の列車は千葉県内にも
千葉県内の私鉄でも「始発の駅を発車したら次は終点」の各駅停車が運転されています。
北総鉄道 印西牧の原発印旛日本医大行き/印旛日本医大発印西牧の原行き
北総鉄道北総線の終点である印旛日本医大駅とそのひとつ手前の印西牧の原駅との区間では、双方向にひと駅だけ運転する列車があります。
印西牧の原発印旛日本医大行きは平日3本、土休日4本。印旛日本医大発印西牧の原行きは平日2本ですが土休日は14本もあります。駅間距離は3.8km、乗車時間は3分から4分です。
この区間で双方向にひと駅だけの列車が運転されるのは、この区間に北総鉄道の印旛車両基地があるためです。印旛車両基地への出入庫線は印西牧の原駅側しかなく、車両基地から出て印旛日本医大駅へ向かうためや、印旛日本医大駅に到着した列車が車両基地に入るために、印西牧の原駅とのあいだで営業運転を行っているのです。
北総鉄道の7500形電車(恵 知仁撮影)。
大半は北総鉄道の車両による運用ですが、なかには都営地下鉄や京成電鉄、京急電鉄の車両による運用もあり、土休日に印旛日本医大駅を午前11時54分に発車する印西牧の原行きは京急電鉄の車両、同じく土休日に印旛日本医大駅を18時53分に発車する印西牧の原行きは京成電鉄の車両が使われます。
新京成電鉄 新津田沼発京成津田沼行き
千葉県の松戸駅と京成津田沼駅を結ぶ新京成電鉄。ここでもひと駅だけ運転する列車が存在します。その列車は、新津田沼駅を午前4時47分に発車する京成津田沼行きです。
新京成電鉄の最新鋭車両、80000形電車(大藤碩哉撮影)。
新津田沼駅には京成津田沼駅寄りに車両の留置線があり、前日の夜に松戸発新津田沼行きとして到着した列車が留置線に入り、翌朝の京成津田沼行きの初電になるものです。平日・土休日とも同時刻で運転され、所要時間は3分。駅間距離はわずか1.2kmです。
京成津田沼駅到着後は折り返し午前4時56分発の松戸行きとなりますが、この松戸行きは京成津田沼駅発の初電です。
※ ※ ※
新しく開業した路線では、相鉄新横浜線で早朝に羽沢横浜国大発西谷行き、夜間に西谷発羽沢横浜国大行きが運転されています。ただし、相鉄新横浜線は2021年時点で起点と終点だけの支線ですので、ここでは除外しています。
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